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横浜の還付金詐欺(電子計算機使用詐欺罪)で逮捕
横浜の還付金詐欺(電子計算機使用詐欺罪)で逮捕
Aは、横浜市都筑区の役所の人間であるかのように装い、V(69歳)に電話を架け、医療費の還付金がある旨を告げた。
Vは、Aの電話に指示されるがままにATMを操作し、自身が振込手続きをさせられているとは気づかないまま、100万円をA指定の口座に振り込んだ。
その後、神奈川県都筑警察署の警察官は、Aを電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は、特殊詐欺を含む詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~還付金詐欺と詐欺罪の成否~
いわゆる特殊詐欺の一種として、主としてお年寄りを騙した還付金詐欺の被害が横行していると言われています。
では、このような還付金詐欺行為に、いわゆる通常の詐欺罪が成立するのでしょうか。
刑法246条は、「人を欺いて財物を交付させた者」や「人を欺いて」「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、詐欺罪を行った者として罰する旨定めています。
まず、詐欺罪が成立するためには、「人を欺」く行為が必要となります。
詐欺罪とは、錯誤によって被害者の意思にもとづいて「財物」や「財産上不法の利益」を交付させることを本質とする犯罪です。
したがって、詐欺罪によって罰するに値する「人を欺」く行為といえるためには、交付意思による交付行為を導くような性質のものである必要があります。
しかし、本件では、老齢であるVはAに言われるままに誘導され100万円を送金しており、そもそもこれが振り込みであるという認識すら有していません。
したがって、Vには「財物」や「財産上不法の利益」を交付(処分)する意思がないと考えられ、本件のような還付金詐欺行為は詐欺罪によって処罰することができないと考えられるのです。
そこで、実務上は、これを電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)として処罰しています。
電子計算機使用詐欺(刑法246条の2)は、「前条(=詐欺罪)に規定するもののほか」という条文上の規定からして、詐欺罪を補充・補完する規定として創設されています。
刑法246条の2は、
・「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報……を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」
・「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた」
場合を、電子計算機使用詐欺罪の一類型として規定しています。
上記にいう「虚偽の情報」とは、当該事務システムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、それが真実に反する情報のこというとされています。
これを本件のような銀行振込みに即していうと、入金等の処理の原因となる経済的・資本的実体を伴わないか、又はそれに符号しない情報を与えることが、電子計算機使用詐欺罪にいう「虚偽の情報」にあたることになります。
本件では、実際には還付金など存在しないにもかかわらず、これを原因として振込みが行われており、ATMという「電子計算機」に「虚偽の情報」を与えていると考えられます。
そして、それに基づいて、Vの意思に反した100万円の送金が行われていることから、「不実の電磁的記録を作」っていると考えられるのです。
もっとも、上記のような本件電子計算機使用詐欺罪にあたる客観的行為を行っているのはV自身であり、Aではありません。
とはいえ、VはAの意のままに操られているといえ、実際に上記行為を行っているのはAであると評価できます。
判例・通説上も、他人の行為を一方的に支配利用し自己の犯罪を実現したといえる場合には、間接正犯として正犯としての刑事責任を負うと考えられます。
したがって、本件ではAに電子計算機使用詐欺罪が成立するものと考えられます。
なお、還付金詐欺であっても、「還付のためには手数料がいる」「一度振込を行ってもらってからまとめて還付する」というような文言で被害者を騙し振り込みをさせたような場合には、「人を欺」いて振り込みをさせていることから、電子計算機使用詐欺罪ではなく、通常の詐欺罪が成立すると考えられます。
詐欺罪は、刑法において財産犯と呼ばれる犯罪類型であり、財産犯が財産に対する違法な侵害を罰する罪である以上、被害者の財産状態を回復させる被害弁償をすることがまずは重要といえます。
弁護士としては、このような被害弁償を含めた示談交渉することにより、被害者の被害感情に十分に配慮し、被疑者・被告人の刑事責任の軽減を図っていくことになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、近年増加の一途をたどる特殊詐欺を含む詐欺事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
還付金詐欺などで電子計算機使用詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族は、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
(神奈川県都筑警察署までの初回接見費用:36,800円)
東京都三鷹市で受け子が接見禁止
東京都三鷹市で受け子が接見禁止
Aは、東京都三鷹市において、家族が事故にあった旨だまされた女性V(70歳)から現金を受け取ろうとした。
しかし、通報を受けていた警視庁三鷹警察署の警察官は、Aを詐欺未遂罪の疑いで逮捕し、のちにAは勾留された。
Aには接見禁止処分が付いており、Aの家族はAに面会することもできず困っていた。
そこでAの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~組織犯罪としての特殊詐欺と受け子~
いわゆる特殊詐欺(オレオレ詐欺等の総称)は組織的に行われることも多く、特殊詐欺の末端において犯罪を担うのが「受け子」と呼ばれる者です。
受け子とは、特殊詐欺事案において、別の共犯者に騙された被害者から現金等の財産の受領を担当する者のことをいいます。
詐欺罪は、刑法246条1項で「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定されています(いわゆる1項詐欺)。
本件も含め、特殊詐欺犯罪における末端の役割である受け子は、上記詐欺にいう「人を欺」く行為自体は行っておらず、もっぱら「交付」段階の詐欺行為を担うのが通常です。
このような場合にも、刑法60条は「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と共同正犯を認めており、実行を分担した場合にも「一部実行全部責任」の観点から詐欺罪の罪責を免れることはできません。
本件では、Vから現金を受け取ろうとして失敗していますから、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」(43条本文)として、Aには詐欺未遂罪(刑法60条、246条1項、250条)が成立するにとどまると考えられます。
なお、本件でAがVから現金を受け取っていれば、当然に詐欺罪の既遂罪が成立することになります。
~接見禁止解除(家族による面会の可能性)~
刑事訴訟法39条1項は、「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見」できると規定しており、「被告人又は被疑者」は、「弁護人」や「弁護人となろうとする者」つまり弁護士と「立会人なくして接見」できる旨を規定しています。
憲法は、34条前段によって弁護人選任権を人権として保障しており、これを実質化したものが上記の弁護士の接見交通権であるといわれています。
これは、被疑者・被告人の保護を目的としたいわば弁護士の特権ということができます。
他方で、「裁判官」は「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは」、被疑者と弁護士等以外の者との接見(面会)を禁ずることができる旨を規定しています(刑訴法207条1項、81条本文)。
これを一般に「接見禁止」(接見等禁止処分)といいます。
これは、勾留(60条)だけによってはカバーできない被疑者による罪証隠滅のおそれを防ぐための処分として規定されているものです。
本件のような組織犯罪では、接見禁止が付されることも珍しくありません。
接見禁止が付されると、家族等との接見(面会)も禁止されてしまい、逮捕・勾留されてしまった被疑者、その家族ともに直接に会う機会を奪われてしまいます。
そこで接見禁止が付されてしまった場合には、弁護士としてはこの処分を準抗告(刑訴法429条1項2号)によって争うことが考えられます。
仮にこの準抗告が認められなかったとしても、法律上は規定がないものの、家族など罪証隠滅のおそれがない対象との接見禁止の一部解除を申し立てることも検討すべきでしょう(このような裁判官の職権発動を促す申立ては、最決平成7・3・6によって判例上も認められています)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
特殊詐欺事件(受け子)で逮捕・勾留されてしまった方のご家族は、刑事事件を専門に扱う弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで、今すぐお問い合わせください。
(警視庁三鷹警察署までの初回接見費用:37,100円)
情報商材で詐欺罪に問われたら 東京都で示談を目指すなら刑事弁護士
情報商材で詐欺罪に問われたら 東京都で示談を目指すなら刑事弁護士
東京都葛飾区在住のAさんは,最近流行りの情報商材に目をつけ,「誰でも必ず儲かります!」などと銘打ち,情報商材を10万円で販売した。
唯一の購入者であったVさんが利益を上げれなかったため被害届を提出し,Aさんは警視庁葛飾警察署に詐欺罪の疑いで事情を聞かれることになった。
(フィクションです)
~情報商材と詐欺罪~
まず,詐欺罪が成立する要件を整理しておきましょう。
詐欺罪は刑法246条において「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する」と規定されています。
わかりやすくいうと,①人を騙し,②騙された人が錯誤に陥り,③騙された人から財物を交付されるということになります。
情報商材で詐欺罪が成立する場合,類型としてはいくつかに分類されます。
一つ目は情報商材の情報の内容そのものが嘘である場合です。
例えば,そもそも内容が全く無い場合や,上場予定のない未公開株を「近々上場予定の株式一覧」といった形で情報として販売するのは内容が虚偽であるので詐欺罪が成立する可能性が高いです。
しかし,情報商材は内容そのものは嘘ではないケースがほとんどですので内容について詐欺罪が問われる場合は多くないでしょう。
二つ目は情報商材の販売方法に問題がある場合です。
Aさんのように「誰でも必ず儲かる!」というキャッチコピーは真実であれば問題ありませんが,Vさんのように儲からなった場合,虚偽表示ということになります。
今回のケースでは,Aさんは誰も必ず儲かるとVさんを騙し,Vさんは儲かるという錯誤に陥り,Aさんに代金10万円を交付していると考えられるので,詐欺罪となる可能性があります。
なお,こうしたケースでは,詐欺罪以外にも,出資法違反や景品表示法違反等、他の犯罪にも問われる可能性があることにも注意が必要です。
どういった犯罪が成立するのかは個々の事案によって変わりますから,そういった意味でも弁護士に相談されることがおすすめです。
詐欺罪となった場合,法定刑が10年以下の懲役のみなので略式手続きを執ることはできず,起訴された場合には公判が開かれます。
しかし今回のケースでは,被害者がVさん1人であることや,金額も10万円であることから示談を成立させれば,不起訴処分や起訴されてしまっても執行猶予を獲得できる可能性が高くなります。
被害者との示談を成立させるには専門家である弁護士に任せるのが最良です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には詐欺事件の経験豊富な弁護士が多数所属しています。
詐欺罪のみならず刑事事件で示談をお考えの方はまずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
(警視庁葛飾警察署までの初回接見費用:38,500円)
不正に残業代を多くもらったら詐欺罪?示談で不起訴を目指す刑事弁護士
不正に残業代を多くもらったら詐欺罪?示談で不起訴を目指す刑事弁護士
福岡県大牟田市の会社員であるAは,残業代を多くもらうために自分よりも長く残業をする後輩であるXに退社時に自分のタイムカードも打刻するよう依頼し,残業代として不正に数万円を受け取った。
ある日,偶然Xが2人分のタイムカードに打刻しているのを発見した上司のVがXを問い質したところ,Aに依頼されたことが判明した。
Vは福岡県大牟田警察署に被害届を提出し,Aは詐欺罪の疑いで福岡県大牟田警察署で事情を聞かれることになった。
(フィクションです)
~タイムカードの不正な打刻は何罪なのか~
タイムカードに実際の勤務時間と異なる時間を打刻することは何罪にあたるのでしょうか。
実はタイムカードは単なる労務管理であって,不正な打刻行為自体が詐欺罪に問われることはほとんどありません。
しかし,タイムカードによって給与計算をしている場合に,不正な打刻によって給与を受け取る行為は,詐欺罪になる可能性が高いです。
不正なタイムカードによって会社を騙し,それを信じた会社から不正な賃金を受け取っているためです。
詐欺罪として起訴された場合10年以下の懲役となります。
しかし,詐欺事件の場合,前科前歴もなく,被害弁償を申し出て,示談を成立させれば不起訴となる可能性もあります。
逆に,詐欺罪では先ほど触れたように,規定されている刑罰が10年以下の懲役であり罰金刑の規定がないことから,示談が成立していないと初犯であっても起訴されてしまう可能性が高くなってしまいます。
詐欺罪に限らず,示談の成立は検察官が不起訴処分を出す際の考慮事項の一つになります。
そのため,詐欺罪に限らず刑事事件において被害者の方と示談を成立させることは非常に重要になります。
しかし,示談を成立させるといっても,被害弁償に加えて,示談金の相場はいくらぐらいなのか,示談金を払ったとして,どういった書面を書いてもらえばよいのか等はなかなか分からないと思います。
効果的な示談を成立させるためには法律の専門家である弁護士に依頼するのが一番です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は全国でも数少ない刑事事件専門の弁護士事務所です。
詐欺罪に限らず,示談交渉を含めた刑事弁護の経験豊富な弁護士が多数所属しています。
刑事事件で示談を含めた解決をお考えの方はお気軽に0120-631-881までご相談ください。
初回接見,初回無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
(福岡県大牟田警察署までの初回接見費用:0120-631-881でお問い合わせください)
準詐欺事件で無罪主張
準詐欺事件で無罪主張
Aは、京都府南丹市に住むV(75歳)が精神の障害により通常の判断能力を備えていないことに乗じ、Vから金銭の交付を受けたとして、京都府南丹警察署の警察官に、準詐欺罪の疑いで逮捕された。
しかしAは、上記金銭はVから借りたものであるとして、準詐欺罪の事実を否認し、無罪を主張している。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の刑事事件専門の弁護士に相談した。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~準詐欺罪と無罪主張~
詐欺罪(刑法246条)に対して、準詐欺罪(刑法248条)は一般的にはあまり知られていない犯罪かもしれません。
刑法248条は、「未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者」を、準詐欺罪とすると規定しています。
これは未成年者や心神耗弱者のような判断能力に乏しい者を、詐欺罪にいう欺もう行為に至らない程度の行為からも保護しようという趣旨によって定められた規定です。
したがって、詐欺罪のように人を直接的にだます手段ではなく、誘惑などの直接的でない手段が用いられた場合にも、準詐欺罪が成立する余地があることになります。
準詐欺罪というと詐欺罪よりも軽く感じられる罪名ですが、準詐欺罪の趣旨は上述のように未成年者等の判断能力の乏しい者の保護にあるため、両者に法定刑の差はありません(いずれも「10年以下の懲役」)。
~故意の否認~
過失犯のような場合を除き、原則として犯罪が成立するためには、犯罪を犯す故意が必要です(刑法38条本文参照)。
Aの主張が真実であり、実際に金銭はVから借りたものであり準詐欺行為を行う故意がなかったのであれば、犯罪は成立せず無罪となります。
したがって、無罪を主張する被疑者・被告人の弁護士としては、取調べ段階から一貫して無罪を主張できるようにサポートを行うと同時に、返済能力や返済意思があることやAがVから金を受け取った当時やその前後の事情を主張し、準詐欺罪が成立しないとの弁護活動を行うことが考えられます。
~捜査段階における弁護活動~
先ほど触れたように、無罪の主張をしていくには、取調べの段階からサポートを受け、弁護士とともに無罪を主張していく活動に取り組むことになります。
しかし仮に、無罪主張をせずに事件を終了させたいと考える場合には、略式手続(刑事訴訟法461条)によって罰金刑で早期に事件を終わらせるという方針も考えられます。
この場合、検察官は、裁判を経ることなく「略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科することができる」とされています。
略式手続きでは、被疑者が勾留といった身体拘束を受けている場合は、即日釈放されることになります(刑事訴訟法345条)。
もっとも、上記のように準詐欺罪には詐欺罪と同様の法定刑(「10年以下の懲役」)を定め、懲役刑のみを定めています。
窃盗罪(「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」)などとは異なり、罰金刑の定めはありません。
したがって、準詐欺罪では略式手続を利用することができません(なお、即決裁判手続を利用することは可能です)。
そこで、無罪主張をせずに準詐欺行為を認めるような場合は、捜査段階における弁護士による示談交渉を含めた起訴猶予等の不起訴獲得のための活動や、起訴後に執行猶予を獲得するための活動が重要となってくるのです。
事件を担当する検察官との折衝を含め、刑事事件専門の弁護士の経験が臨機応変な弁護活動を可能とします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、準詐欺罪を含む詐欺事件に強い弁護士が所属する法律事務所です。
一般の方が聞き慣れない犯罪に対しても、刑事事件専門の弁護士の利点を活かし迅速に対応することが可能です。
準詐欺事件で逮捕された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
(京都府南丹警察署までの初回接見費用:41,300円)
神戸市中央区のクレジットカード不正使用
神戸市中央区のクレジットカード不正使用
~事件例~
Aさんは、神戸市中央区の路上を歩いていた時に、財布が落ちていることに気付きました。
財布を手に取り、中を調べると現金1万5千円と、クレジットカードが入っていることがわかりました。
Aさんは現金とクレジットカードを抜き取り、そのクレジットカードで家具を買ってしまいました。
ところがその現金とクレジットカードにつき、兵庫県葺合警察署に遺失物届が出されており、後日Aさんの自宅に警察官がやってきて、「クレジットカード不正使用の件で話を聞きたい」と言われ、Aさんは兵庫県葺合警察署に任意同行されてしまいました。(フィクションです)
~Aさんにはどのような犯罪が成立するか~
Aさんには、①遺失物横領罪(刑法第254条)、②詐欺罪(刑法第246条1項)が成立する可能性があります。
①(遺失物横領罪)
遺失物横領罪は、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領する犯罪であり、裁判で有罪が確定すれば、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処せられます。
「占有を離れた他人の物」とは、占有者の意思に基づかずにその占有を離れた物で、誰の占有にも属していなもの、および、委託関係に基づかずに行為者の占有に属した物をいい、特に前者を「遺失物」といいます。
Aさんが拾った財布は落とし物であり、落とし主の意思に反して占有を離れ、道路に落ちてしまったものですから、「遺失物」に該当します。
Aさんはこれを横領したということができるので、遺失物横領罪が成立する可能性は高いと思われます。
なお、落とし主が財布を落とした後、Aさんが直ちにこれを拾ってしまった場合には、財布は未だ落とし主の占有に属すると考えられますので、窃盗罪(刑法第235条)が成立する可能性もあります。
②(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させる犯罪です。
裁判で有罪が確定すれば、10年以下の懲役に処せられます。
詐欺罪には、罰金刑以下の刑罰は予定されていないので、もし起訴され、執行猶予がつかない場合には、即、実刑判決となってしまうので、注意が必要な犯罪類型といえます。
詐欺罪が成立するには、財物を騙し取る行為、すなわち欺罔行為が必要ですが、判例は、他人のクレジットカードを使用すること自体が欺罔行為であると捉えており、これにより加盟店から商品を受け取れば、加盟店から財物を騙し取ったということになります。
遺失物である他人のクレジットカードを使用して買い物をしたAさんには詐欺罪が成立する可能性が高いと思われます。
~早期身柄解放、不起訴処分の獲得に向けて活動~
Aさんがもし逮捕されてしまった場合には、自身の身柄の早期解放を望むでしょう。
また、起訴されてしまえば、無罪を獲得するのは極めて困難であり、捜査段階では不起訴処分の獲得が第一の目標となります。
ただ、Aさんご自身で捜査機関や裁判官に対し、身体拘束を続けて捜査を続ける必要がないこと、検察官に不起訴処分をすべきことを説得するのは極めて困難です。
法律的に説得力のある主張を行う必要があることと、外部で積極的に活動する必要があるからです。
そのため、法律の専門家である弁護士に、身柄解放活動、不起訴処分の獲得のための活動を依頼することをおすすめします。
(身柄解放活動)
警察に逮捕された場合の手続きを簡単に表すと、逮捕→検察官の勾留請求→裁判官の勾留決定→やむをえない事由があれば勾留延長→検察官が起訴・不起訴を決める、という流れになります。
上記の期間は最長23日間にわたります。
ところで、検察官には勾留請求をしない裁量が与えられていますし、裁判官には検察官の勾留請求を却下する裁量が与えられています。
弁護士は、これらのタイミングにおいて、検察官や裁判官に被疑者を勾留する必要がない旨を説得し、勾留をしないように働きかけます。
(不起訴処分の獲得に向けた活動)
もし勾留されてしまった場合には、検察官は勾留の満期までに被疑者を起訴するか、または不起訴にするか、あるいは処分保留で釈放するかを決めなければなりません。
検察官は、被疑者が犯罪を行ったという心証を抱いていても、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、不起訴処分(起訴猶予)をすることができます。
弁護士は、被疑者に有利な証拠を収集し、不起訴処分を行うように働きかけます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しています。
クレジットカード不正使用につき、詐欺罪、遺失物横領罪の嫌疑をかけられている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(無料相談予約は0120-631-881まで)
堺市の不正アクセス禁止法違反と詐欺罪で逮捕
堺市の不正アクセス禁止法違反と詐欺罪で逮捕
Aは、大阪府堺市において、他人のIDとパスワードを使い、他人のポイントサイトのアカウントにログインした。
Aは、上記ポイントを現金の代わりに使用できる店において、このポイントをあたかも自分のものであるかのように店員Vに提示し、同店の商品をだまし取った。
大阪府南堺警察署の警察官は、不正アクセス禁止法違反と詐欺罪の容疑でAを逮捕した。
なお、Aは上記行為について一貫して黙秘している。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~不正アクセス禁止法と詐欺罪~
本件Aは、他人のポイントを使ってV店の商品をだまし取るという詐欺行為を行った疑いで逮捕されています。
まずこの行為の前提として、Aはインターネット上の他人のアカウントに不正にアクセスしていることが問題となります。
この点を規律する法律が、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(通称不正アクセス禁止法)です。
本件のAのVのアカウントに対する不正アクセス行為は、同法3条に違反する行為であると考えられます。
もっとも、3条は「何人も、不正アクセス行為をしてはならない。」と定めるのみで、いかなる行為が「不正アクセス行為」であるのかは、この条文のみからでは明らかではありません。
そこで、さらに2条4項の定義規定に遡ると、各号によって詳しく「不正アクセス行為」が定義されていますが、本件で適用されると考えられる1号は、いわゆる不正ログインによる「不正アクセス行為」を禁止している規定になっています。
これが上述の3条と組み合わされることによって、他人のアカウントへの不正ログイン行為が「不正アクセス行為」として禁止されていることが分かります。
このような「不正アクセス行為」は、「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(同法11条)として罰則の対象とされていることに注意が必要です。
そして、Aはこのような不正アクセスによって得たアカウント情報をもとに、Vから商品をだまし取ったとされています。
この点に関して刑法246条は、
・「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」(同条1項)
・「前項の方法により(=人を欺いて)、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする(=10年以下の懲役に処する)。」(同条2項)
と定めており、財物の交付を目的とした行為には、1項(いわゆる1項詐欺)が適用されます。
上記条文から分かるように、詐欺罪が成立するためには、「人を欺」くことによって、財物を交付させたり、財産上の利益を得たりする必要があります。
ここにいう「人を欺」く行為とは、交付(財産的処分行為)の判断の基礎となるような重要な事項を偽ることとされています。
本件では、店員Vは提示されたポイントが本人のものであると信じたから商品を交付したといえ、いわゆる1項詐欺罪の成否が問題となるのです。
~弁護士による接見・弁護方針の決定~
逮捕されてしまった被疑者にも、憲法上の権利としての黙秘権(憲法38条1項)が認められており、刑事訴訟法上も取調べの際には黙秘権の告知が義務付けられています(198条2項)。
また、逮捕・勾留という制度が、あくまで罪証隠滅や逃亡のおそれを防いだ状態で捜査を行うためのものであり、取調べのための制度ではないということは今一度確認する必要があります。
さらに、わが国では改正刑事訴訟法の施行により、2019年6月までに(裁判員裁判対象事件および検察独自捜査事件における)取調べの録音・録画が実施されるようになります。
2018年現在すでに上記対象事件においては、大部分において試験的に取調べの録音・録画が実施されています。
このような状況下では、上記録音・録画の対象事件においては、かつて行われてきたような取調官による、強圧的あるいは誘導的な供述の実質的強要は困難になるといえるでしょう。
そして、なお予断は許さないものの、このような傾向は録音・録画の非対象事件にも影響を与えるものと考えられます。
よって、弁護士としては、被疑者に黙秘を貫かせるか否かを含め、事件の概要を把握した上で、より被疑者に有利になるような弁護活動や弁護方針を打ち出すことが重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件にも強いと評判の刑事事件専門の弁護士が所属する法律事務所です。
逮捕されてしまうと、逮捕中の家族との接見(面会)は原則として叶わず、逮捕されてしまったご家族の状況は外の者には全く分からないものとなってしまいます。
365日24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、迅速な弁護士接見などご家族のご要望にお応えいたします。
【さいたま市大宮区】売りつけ詐欺で逮捕されるも弁護士が勾留取消!
【さいたま市大宮区】売りつけ詐欺で逮捕されるも弁護士が勾留取消!
さいたま市大宮区に住むAさんは、人気ゲームソフトXが品薄状態なのを利用して売りつけ詐欺を企てました。
そして、一対一のチャットで「プレイし終わったXがあるんですけど買いませんか」などと声を掛け、購入希望者計3名から電子マネーを騙し取りました。
こうした売りつけ詐欺が水面下で行われていることを知った埼玉県大宮警察署は、捜査により嫌疑を固め、Aさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
その後勾留されたAさんと接見した弁護士は、被害者らと示談した後に勾留取消を行うことにしました。
(上記事例はフィクションです)
【売りつけ詐欺について】
売りつけ詐欺とは、物品を売り渡すかのように装い、騙された相手方から代金を騙し取るという詐欺の手口です。
売りつけ詐欺のパターンとしては、①そもそも物品が存在しない場合と、②偽物など著しく価値の低い物品を売りつける場合とがあります。
いずれにしても、きちんとした物品を渡すと欺いて代金を騙し取ることから、売りつけ詐欺は詐欺罪の典型例と言えます。
上記事例では、AさんがXを売るかのように偽り、3名の購入希望者から電子マネーを騙し取っています。
この場合、Aさんには複数の詐欺罪が成立し、併合罪として刑の上限が10年ではなく15年になると考えられます。
こうなってくると、実刑の可能性が高まることにも留意しておくべきでしょう。
【勾留取消とは何か】
勾留取消とは、被疑者に対して行われている勾留を取り消し、釈放を実現する手続のことです。
勾留取消の特徴は、勾留後に生じた事情も考慮したうえで勾留の当否を判断してもらえる点です。
これにより、勾留決定段階で逃亡や証拠隠滅のおそれが認められる事案でも、その後の弁護活動(特に示談)次第ではのちのち釈放が実現できるのです。
複数人に対する売りつけ詐欺は重大な事件と評価されやすいですが、そうしたケースでも勾留取消であれば釈放の余地が出てきます。
一日でも早い釈放を実現するために、弁護士には示談と併せて勾留取消も依頼してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件に強い弁護士が、勾留取消をはじめとする様々な身柄解放活動を検討します。
ご家族などが売りつけ詐欺の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
(埼玉県大宮警察署 初回接見費用:35,500円)
神奈川県川崎市の無銭飲食・詐欺事件は弁護士に相談
神奈川県川崎市の無銭飲食・詐欺事件は弁護士に相談
~事件例~
Aさんは空腹を感じたので、飲食店で食事をしようと考えましたが、お金が勿体なかったので、飲食後にこっそり退店することにしました。
神奈川県川崎市内のレストランに入り、食事を終えた後、店員の隙を見てレストランから抜け出しましたが、追いかけてきた店員に腕を掴まれ、神奈川県高津警察署の警察官に引き渡されてしまいました。
Aさんはこれから詐欺罪の疑いで取調べを受ける予定です。
(フィクションです。)
~無銭飲食を行った場合に成立する犯罪~
無銭飲食をした場合、いわゆる1項詐欺罪(刑法第246条1項)の成立が考えられます。
刑法第246条1項に規定されている詐欺罪は、「人を欺いて財物を交付させる」犯罪であり、裁判で有罪が確定した場合、10年以下の懲役に処せられます。
無銭飲食には、飲食店で食事をする当初から飲食代を支払う意思のない「犯意先行型」と、はじめは支払う意思があったが、飲食後にその意思をなくした場合の「飲食先行型」が存在します。
「犯意先行型」の場合は、当初から飲食代金支払の意思がないのにも関わらず、あるように欺いて飲食物を提供させた(騙し取った)ということができるので、刑法第246条1項の詐欺罪が成立します。
「飲食先行型」の具体例として、最初は飲食代金を支払う意思があったが、飲食中に代金が足りないことに気付き、店員に「後日支払いに来るから待ってくれ」などと言い、そのまま逃亡したというケースが考えられます。
この場合は、店員を欺いて支払の猶予を受けるという「財産上の利益」を受けたものといえるので、いわゆる2項詐欺罪(刑法第246条2項)が成立します。
2項詐欺罪の場合も、法定刑は同様です。
~飲食中にお金がないことに気付いた場合は?~
飲食中にお金がないことに気づいた場合は、店員を欺いて飲食物を騙し取ったり、支払の猶予を受けたわけではないので、1項詐欺罪も2項詐欺罪も成立しないと言われています。
ですが、飲食中に初めてお金がないことに気付いた、という弁解を警察官が容易に信じるかは疑問です。
飲食物の価格が明確である限り、自分の財布の中のお金では支払いに足りないことが予めわかっていることが通常であると考えられるので、本当に飲食中に初めて気づいたのかどうかという点につき、厳しく取り調べられることになるかと思われます。
偽計業務妨罪など、詐欺罪とは別の犯罪が成立する可能性も考えられるので、上記のような行為は慎んだ方が賢明であると思われます。
~「ツケで食べたのだ」という弁解は通用するか?~
Aさんが警察官の取調べに対し、「ツケで食べたつもりだった。後日支払うつもりだった」と主張する場合、このような弁解は通用するのでしょうか。
確かに、Aさんが飲食をしたレストランで、以前からツケで飲食をしていた事実がある場合には、1項詐欺罪の成立は考えにくいと思われます。
また、飲食前に、ツケで代金を支払うことに対し、レストランの了解を得ていた場合には、やはり詐欺罪は成立しません。
ですが、Aさんが以前から問題のレストランにおいて、ツケで飲食をしていた事実は見当たりませんし、ツケの了解も得られていません。
現在では、飲食店で飲食をした後、直ちに飲食代金を支払わなければならないことが取引習慣として定着しており、飲食後直ちに代金を支払う意思がないのにそれを告げないで飲食の注文を行う行為は、上記のような特別な事情の存在しない限り、1項詐欺罪に該当すると考えられ、過去の裁判例でもそのように示されています(仙台高等裁判所昭和28年11月30日判決)。
~Aさんは取調べに対しどう対応していくべきか~
もちろん、事実と異なることや、自分の認識と異なることが供述調書に記載されている場合、安易に署名押印すべきではありません。
今回の事件例とは関係ありませんが、上で紹介した、飲食中にお金がないことに気付いたのでこっそり退店した、というケースにおいて、飲食前に飲食代金を支払う意思があったのか、なかったのか、ということは詐欺罪の成否に関わる重要なポイントであり、飲食前から代金を支払う意思がなかった旨の供述調書が作成されてしまうと、被疑者側にとって非常に不利な証拠とされる可能性があります。
供述調書には、弁護士の助言を受け、記載内容の一言一句に注意した上で署名押印すべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しています。
無銭飲食事件を起こし、詐欺罪の被疑者として取調べを受ける予定の方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(神奈川県高津警察署までの初回接見費用:3万8,500円)
東京都町田市の詐欺事件に強い弁護士 フィッシングによる不正取得事件
東京都町田市の詐欺事件に強い弁護士 フィッシングによる不正取得事件
Aさんは、インターネット上に東京都町田市にある株式会社Xの公式サイトに似せたサイトを作り、ログイン画面を設けました。
株式会社Xは、DVDやCDなどのレンタル事業を営む会社であり、レンタルの際にポイントが溜まって現金と同じように使えるシステムを構築していました。
Aさんが上記サイトによりフィッシングを行っていたところ、ある日警視庁町田警察署の警察官から「不正取得罪の疑いがあるので話を聞きたい」と連絡がありました。
そこで、Aさんは事前に弁護士に疑問をぶつけてみることにしました。
(上記事例はフィクションです)
【フィッシングによる不正取得】
フィッシングとは、インターネット上で有名企業や信販会社などを偽るサイトを立ち上げ、そこにIDとパスワードなどを入力させて情報を不正取得する行為を指します。
フィッシングの主な目的は、不正取得した情報を財産的利益の詐取に利用することです。
ただ、以前はフィッシング自体に対する罰則が設けられておらず、詐欺罪などが発生した段階でしか悪質業者の摘発ができませんでした。
こうした背景から、平成24年に不正アクセス禁止法が改正され、現在フィッシングは不正取得罪として1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるに至っています。
【フィッシングから派生する犯罪】
先ほど少し触れたように、フィッシングは他の重大な犯罪に派生する危険性を孕んでいます。
①不正取得した情報がクレジットカードに関するものだった場合
割賦販売法違反として3年以下の懲役または50万円以下の罰金
②不正取得したIDとパスワードを用いて公式サイトなどにログインした場合
不正アクセス禁止法違反として3年以下の懲役または300万円以下の罰金
③不正取得した情報を利用し本人になりすましてポイントなどを使った場合
詐欺罪または電子計算機使用詐欺罪として10年以下の懲役
場合によっては上記のうち複数の罪が成立する可能性も否定できないため、もしフィッシングを疑われたらすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件に強い弁護士が、個々のフィッシングの事案に合わせて的確なアドバイスを致します。
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