前科がつかないようにしてほしい

1. 前科とはなにか(前歴との違い)

前科とは、一般に、過去に言い渡された刑罰のことをいいます。有罪判決を受けた人には前科が付きます。有罪判決には懲役刑や禁錮刑以外にも罰金刑や科料があります。

罰金以上の刑に処せられた前科がついた場合には、検察庁が管理している前科調書に名前が記載されます。また、本籍地の市区町村で管理される犯罪人名簿に一定期間掲載されるなどの措置がとられます。

前科調書は、検察官が容疑者の前科の有無を調べたり、裁判において前科の有無・内容を証明する証拠としたりするのに用いられます。前科調書は、検察庁で管理され、本人も見ることはできません。そして、一旦前科調書に記載された内容は、一生消えることがありません。

一方、本籍地の市区町村で管理されている犯罪人名簿は、前科が一定の職業につき資格取得の欠格事由になっていないかを確認したり、選挙権・被選挙権の有無を確認したりするのに利用します。犯罪人名簿も、本人が見ることはできません。もっとも、犯罪人名簿に記載された前科は一定期間が経過すると消えてなくなります。

 

2. 前科がつく場合のデメリット

1 資格・免許に影響が出る

前科がある場合、各種の行政法規において、特定の資格・職業・国家資格などについて、「禁錮以上の刑に処せられた者」等を欠格事由としているもの(絶対的欠格事由)や、裁量によって免許を与えないとしているもの(相対的欠格事由)があります。

詳しくは ~ 資格に影響がでないようにしてほしい ~ へ

 

2 職場を解雇、学校を退学になる場合がある

お勤めになられている会社の就業規則にもよりますが、有罪判決を受けると(懲戒)解雇等の処分を受ける可能性があります。また、学校を退学になる可能性もあります。

詳しくは ~ 懲戒免職・退学処分が心配 ~ へ

 

3. 前科が付くと絶対的に制限されてしまう資格(絶対的欠格事由)

1 実刑の場合、実刑期間の満了まで制限される資格

  • 国家公務員、地方公務員
  • 自衛隊員
    など

 

2 実刑の場合、実刑期間とその後2年間制限される資格

  • 社会福祉士、介護士
  • 保育士
    など

 

3 実刑の場合、実刑期間とその後3年間制限される資格

  • 公認会計士
  • 行政書士、司法書士、不動産鑑定士
    など

 

4 実刑の場合、実刑期間とその後5年間制限される資格

  • 警備員
  • 宅地建物取引士
  • 貸金業者

 

5 実刑の場合、実刑期間とその後10年間制限される資格

  • 学校教員
  • 弁護士
    など

 

4. 裁量によって資格を与えないとしているもの(相対的欠格事由)

下記の資格は、「罰金以下の場合(懲役・禁錮は当然含む)」でも資格を与えないことができます。罰金以下の場合には「刑の執行又は執行免除までとその後5年間」、執行猶予の場合には「執行猶予期間の満了まで」、実刑の場合には「実刑期間の満了までとその後10年間」は下記の資格が制限される場合があります。

・医師・歯科医師・薬剤師・看護師・保健師・柔道整復師・調理師 など

 

5. 前科がつかないようにするためには

前科が付かないようにするためには、不起訴を獲得するのが一番の近道です。

不起訴に向けての活動は下記のとおりです。

 

(1) 自白事件の場合

自白事件(雑駁にいうと罪を認められている事件)で不起訴を望まれる場合、「起訴猶予」を目指してゆくのが通常のケースです。「起訴猶予」とは、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の状況により訴追を必要としないときにする処分のことをいいます。起訴猶予に当たっては、特に、犯行後の状況に関する事項が実務的には重要で、具体的には「示談」が重要となります。

 

(2) 否認事件の場合

否認事件(雑駁に言うと罪を認められていない事件)で不起訴を望まれる場合、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」を目指してゆきます。例えば、証拠が不十分である等の理由により不起訴を導いてゆきます。
また、仮に起訴されてしまった場合には、無罪を目指していくことになります。

特に、詐欺事件で逮捕されると、警察官からの厳しい尋問や、自白するまでずっと釈放されないのではないかという心境から、罪を犯していないのに、嘘の自白をしてしまうケースもあります。

こうなれば、不起訴を獲得することは困難となります。捜査初期の段階から事件の見通しと取調べ対応についてアドバイスを受ける必要があります。また、詐欺事件に強い弁護士を通じて独自の捜査を行い、アリバイや目撃者の証言などの客観的証拠を積み上げ、被害者の証言が信用性に欠けることを説得的に主張してゆき、不起訴を導く必要があります。

前科がつくか心配な方、前科を避けたい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に是非ご相談ください。刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。

今後の見通しや対応策について丁寧にお話いたします。

被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。

 

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