神戸市兵庫区の新紙幣詐欺事件

神戸市兵庫区の新紙幣詐欺事件

神戸市兵庫区在住の公務員Aさんは数年後に新紙幣が発行されることに目を付け,高齢者を対象に「新紙幣詐欺」を考え付いた。
手口は一人暮らしの高齢者に電話をかけ,市役所地域課の職員であると言い,「新紙幣が発行されると現在の紙幣は使えなくなる。ご家庭でタンス預金などで保管してる現金はないですか。」と呼びかけ,高齢者の代わりに銀行口座に預けるという名目で現金を騙し取るものであった。
高齢で一人暮らしであり,体が不自由な神戸市兵庫区在住のVさんはAさんから電話を受け,Aさんを信用し,自宅のタンスに保管してあった現金200万円とキャッシュカードをAさんに手渡した。
Aさんはそのまま現金200万円およびキャッシュカードを持ち去った。
Aさんが同様の手口で電話をかけていたところ,電話を受けたV2さんが不審に思い兵庫県兵庫警察署に通報し,現金を受け取りに来たAさんは待機していた兵庫県兵庫警察署の警察官によって詐欺未遂罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~新紙幣~

今年の4月9日に2024年上半期を目途に紙幣を刷新することが発表され,肖像は1万円札が渋沢栄一,5千円札が津田梅子,1千円札が北里柴三郎となりました。
2千円札については流通が少ないため刷新が見送られました。
政府および日本銀行は偽造防止の観点から約20年ごとに紙幣を刷新しており,前回の刷新は2004年でした。

なお,通貨偽造および偽造通貨行使の罪は刑法148条に規定されており,法定刑は3年以上または無期懲役と非常に重いものとなっています。
また,偽造通貨を利用した取引は詐欺罪を構成しますが,不可罰的事後行為として偽造通貨行使罪に吸収されます(大判明治45年6月30日)。
ただし,偽造通貨ではなく,偽造された有価証券の場合には通常の詐欺罪が成立します。

~新紙幣詐欺~

政府は今後,今回のケースのような古い紙幣が使えなくなるといった新紙幣詐欺のような手口の詐欺に注意するように呼び掛けています。
これまで日本銀行は53種類の紙幣を発行していますが,関東大震災の際の焼失兌換券の整理,終戦直後のインフレ阻止のための新券切替え,額面1円の少額の整理といった特別な措置によって通用力を失った31種類を除き,一度発行された紙幣は通用力を失いません。
そのため,現在は22種類の紙幣が有効となっており,新紙幣詐欺で用いられる文言のように現在通用している紙幣や硬貨が使えなくなる,ということは基本的にはないと思われます。

~弁護活動~

詐欺罪10年以下の懲役刑のみが規定されており,起訴されてしまった場合には刑事裁判を受けることになります。
また,詐欺罪で逮捕されてしまった場合には多くの場合,検察官によって勾留請求がなされ,最長で20日間身柄を拘束されてしまいます。
その後,起訴されてしまった場合には被疑者としての勾留に引続き,被告人として勾留されてしまうことになります。
そうなれば被告人は,被疑者段階から合わせてさらに長期の身体拘束を受けることになるのです。

そのため,弁護士は被疑者・被告人の身柄解放に向けた活動をします。
具体的には,検察官に勾留請求をしないように意見書を提出したり勾留決定に対する準抗告を提出します。
起訴されてしまい,被告人として勾留されてしまった場合には保釈請求をします。
これらの請求が認められれば,身柄解放されることになります。

また,弁護士は多くの場合,被害者の方と被害弁償を含めた示談交渉を行います。
被害者の方の中には加害者の処罰はもちろんですが,ご自身の被害弁償を求める場合もあります。
弁護士は弁護活動の一環として被害者の方への被害弁償を行うことにより,被害者の方の救済という役割も担っています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
新紙幣詐欺等の詐欺事件を起こしてしまいお困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受付けています。
兵庫県兵庫警察署での初回接見費用:35,100円)

 

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