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【事件解説】タクシーに無賃乗車 詐欺罪で逮捕
タクシーに無賃乗車し、財産上不法の利益を得る詐欺罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件概要
福岡市在住の派遣社員の男性Aが、タクシーに無賃乗車したとして、詐欺の容疑で逮捕されました。
警察の調べによると、Aは、4月7日の深夜に福岡市内でタクシーに乗車し、翌日未明、目的地付近の行橋市内のコンビニでタクシーの停車中に、運賃と高速道路料金の計約2万6500円を支払わず逃走しようとしたところを、運転手Vに発見され警察に通報されたとのことです。
Aは、「知人に会いに行くためにタクシーに乗車した。所持金はなく、料金を支払わないつもりでいた。」と供述し、詐欺の容疑を認めています。
(過去に報道された実際の事件に基づき、事実関係を大幅に変更したフィクションです。)
財産上の利益を得る詐欺罪とは
詐欺には通常、金品等の「財物」を交付させる刑法246条第1項の詐欺と、役務の提供等の「財産上の利益」を得る同条第2項の詐欺があり、本件は、タクシーの運転という役務の提供を行わせたものであるため、第2項の詐欺罪の適用が考えられます。
第2項の詐欺罪の成立には、通常、(ア)人を欺く行為により、(イ)相手方が錯誤に陥り、(ウ)それによって、相手方が財産上の利益を供与し、(エ)行為者又は第三者が財産上の利益を得ること、が必要とされます。
本件Aは、(ア)料金を支払う資力も意思もないにもかかわらず、それを秘してタクシーに乗車し目的地を告げるという、運転手Vを「欺く」行為を行い、(イ)VはAが料金を支払うものと誤信し、(ウ)それによって、目的地に向けてタクシーの運転を開始し、(エ)Aは目的地に向かうタクシーに乗車したという「財産上の利益」を得たものとして、第2項の詐欺罪が成立すると考えられます。
なお、Aは目的地到着前にタクシーを下車し逃走していますが、タクシーが目的地に向けて走り始めた段階で既に利益を得たものとして、第2項の詐欺罪の既遂犯が成立すると考えられます。
タクシーの無賃乗車による詐欺事件の刑事弁護
第2項の詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役刑のみであるため、動機や犯行態様の悪質性、被害金額の程度や被害弁償の状況などから、検察官が起訴するべきと判断した場合は、公開の法廷での正式な裁判となります。
タクシーの無賃乗車事件の場合、詐欺の故意の認定のために、乗車時点で運転手を騙す意思があったのか取調べで追及されることとなりますが、本件Aはこれを認める供述をしています。
なお、料金は支払うつもりだったとして、仮に詐欺の故意を争おうとしても、所持金などが手元になかった上、停車中に逃走したという状況では、故意を争うのは難しいと思われます。
そのため、起訴猶予による不起訴処分の獲得を目指して、タクシー会社への未払い運賃の弁償を行った上、示談の成立を目指すことが考えられますが、被害者が会社などの場合は、会社の方針等により示談交渉を拒まれる場合が相当数あり、被害者が個人の場合に比べて、示談交渉が難航するおそれもあることから、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
まずは弁護士にご相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、詐欺罪などの財産犯の刑事事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績があります。
詐欺事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
【事例解説】闇バイトで特殊詐欺の受け子になってしまい逮捕
闇バイトに応募したことをきっかけに、特殊詐欺の受け子となり逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは映像制作のフリーランスですが、最近になって仕事の依頼が全く来なくなってしまいました。
お金に困ったAさんは、闇バイトに応募して、荷物の受け取りのバイトをはじめました。
Aさんは、荷物の受け取りのバイトが特殊詐欺の受け子であるということに気が付いていましたが、バイトに応募する際に自分の身分証のコピーを募集元に提出していたことに加え、家族の名前や連絡先といった情報も教えてしまっていることから、途中で辞めることができずに、受け子を複数回を行いました。
ある日、Aさんは、いつものように、指示された家に荷物を受け取りに行ったところ、中で待機していた警察官によって逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
闇バイトに応募したことで特殊詐欺に関わってしまうとどのような罪に問われる?
荷物を受け取りに行って指定された場所まで運ぶだけの簡単な仕事と思ってはじめたアルバイトが、いわゆる闇バイトであったというケースがここ最近で目立つようになってきています。
こうしたケースでは、被害者の自宅を訪問した際に、自身を金融機関の職員であると身分を偽り、現金や銀行のキャッシュカードが入った荷物を被害者の方から受け取って、大元の特殊詐欺の犯行グル―プに渡すといったかたちで、「受け子」として特殊詐欺事件に関わってしまう場合が多いです。
このような場合、受け子には刑法246条1項の詐欺罪が成立する可能性が考えられます。
詐欺罪の法定刑には罰金刑が定められておらず、10年以下の懲役刑のみが規定されています。
そのため、詐欺罪で起訴するとなった場合は、略式手続によることができませんので、必ず公開の裁判が開かれることになります。
ご家族が突然警察に逮捕されたことを知ったら?
事例のAさんのように、受け子を複数回行っている方が逮捕されてしまうと、1度の逮捕・勾留に留まらず、2度、3度と逮捕・勾留が繰り返されて、身柄の拘束期間が長期化するおそれがあります。
長期間にわたって、警察の留置施設に身柄が拘束されてしまうと、逮捕されたご本人様やそのご家族さまにとって大きな負担になることが予想されます。
そのため、こうした負担を少しでも和らげるためにも、ご家族様が特殊詐欺の受け子として逮捕されたことを知った場合は、いち早く弁護士に刑事弁護活動を依頼して、弁護士によるサポートを受けられることをお勧めします。
まずは弁護士にご相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族の中に特殊詐欺の受け子で逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881(24時間対応、年中無休)」
(事例紹介)異性との交際あっせん名目の詐欺で逮捕
(事例紹介)異性との交際あっせん名目の詐欺で逮捕
異性との交際あっせん名目の詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
女性を紹介するとうそをつき、現金をだまし取った疑いで、山口県警宇部署は30日、大阪市西淀川区の交際あっせん業…容疑者(61)を詐欺の疑いで再逮捕しました。
警察によりますと、…容疑者は成人向けの雑誌に「女性を紹介する」という内容の広告を掲載。
おととし11月ごろからことし2月までの間、広告を見て電話をかけてきた男性(50代)に「女性を紹介するためには登録費用や紹介料が必要」などとうそを言い、あわせて12万円をだまし取った疑いが持たれています。
…容疑者は金を現金書留で郵送させ、郵便物の受け取りを代行する「私設私書箱」で受け取っていました。
…容疑者は同様の手口で、別の男性(70代)からも現金をだまし取った疑いで、今月9日に逮捕されていました。
警察の調べに、…容疑者は「事実については間違いありません」と容疑を認めているということです。
警察で詳しいいきさつを調べています。
(tysテレビ山口 5月30日(火) 18時41分配信 「成人向け雑誌「女性を紹介する」広告→50代男性から12万円だまし取った疑い 交際あっせん業の男(61)を逮捕」より引用)
・異性との交際あっせん名目の詐欺
「女性紹介」等の案内を雑誌へ掲載したりメールに記載したりするなどし、紹介を求めて申し込んできた人を対象に、会員登録料金や保証金などの名目で現金を口座に振り込ませる等の手口で現金を騙し取る詐欺を、異性との交際あっせん名目の詐欺または交際あっせん詐欺などと呼びます。
異性との交際あっせん名目の詐欺(交際あっせん詐欺)は、詐欺罪に該当する可能性がある犯罪です。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪には罰金刑が定められていないため、初犯でも正式裁判になり刑事罰が科せられる可能性が高い罪と言えます。
・被害者との示談交渉
詐欺事件は被害者がいる事件であることから、重要な弁護活動の1つに示談交渉が挙げられます。
被害者に対して被害弁償を行い、被疑者(加害者)に対して厳しい処罰を求めない宥恕(ゆうじょ)条項を含む示談書を被害者と締結できれば、不起訴・執行猶予・刑の減刑といった結果が望める場合があります。
また、取調べの対応のほか、逮捕の回避・釈放・保釈といった身柄解放のための活動など、必要な対応は多々ございます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は詐欺罪などの刑事事件を専門としている法律事務所です。
当事務所では初回無料で受けることができる法律相談、逮捕・勾留された方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービス(有料)等をご利用いただけます。
異性との交際あっせん名目の詐欺容疑で捜査されている、またはご家族が交際あっせん詐欺の疑いで逮捕された際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881(24時間対応、年中無休)」へ、是非、ご連絡ください。
(事例紹介)詐欺罪となる無銭飲食
(事例紹介)詐欺罪となる無銭飲食
無銭飲食による詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
15日、北海道函館市のハンバーグ店で、無銭飲食をしたとして、45歳の男が逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、住所不定、無職の45歳の男です。
男は、4月27日、函館市神山1丁目の(中略)店で、代金を支払う意思も能力もないにもかかわらず、2450円相当を無銭飲食した疑いが持たれています。
警察によりますと、当時、男はひとりで入店し、ハンバーグやソフトドリンク、デザートなど5点を注文し飲食したあと、レジで会計をする際「財布を車に忘れた、取りに行く」と言って店を出て、そのまま逃走したということです。
店はすぐに警察に通報し、警察は防犯カメラなどを分析するなどして男を特定、15日逮捕に至りました。
取り調べに対し、住所不定、無職の男は容疑を認めているということで、警察は余罪がないか捜査を進めています。
(HBCニュース北海道 5月16日(火) 8時13分配信 「「財布を車に忘れた、取りに行く」とレジから逃走、ハンバーグなど2450円相当を無銭飲食した疑いで45歳男を逮捕」より引用)
・詐欺罪となる無銭飲食
レストラン等で飲食したにも関わらず、注文した料理の代金を支払わずに退店する無銭飲食は、詐欺罪の成立が検討されます。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。
刑法第246条
第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪が成立するための要件(構成要件)は
①犯人が人を欺く(欺罔行為)
②被害者が思い違いや勘違いを起こす(錯誤)
③被害者が財産の処分行為を行う
④犯人または第3者が財産・利益を得る
というものです。
そして、①~④に因果関係が認められる場合にのみ、詐欺罪は成立します。
なお、上述した刑法246条1項に該当する行為を一項詐欺、同2項の詐欺を二項詐欺と呼びます。
無銭飲食には2つのパターンがあります。
まず第一に、注文をする時点で支払う意思がない場合、その注文自体が「料金を支払う意思がある」と装って財物を受けとろうとしていると評価できるため、人を欺き財物を交付させる一項詐欺罪の成立が検討されます。
次に、注文をする際には支払う意思があったが、支払い時に代金が払えないことに気付き、「駐車場に停めている車から財布を取ってくる」などと嘘を言って逃げようとする場合は、店員を騙して代金の支払いを免れているとして、人を欺き財産上不法の利益を得る行為として二項詐欺罪の成立が検討されます。
他方で、注文した時点では財布に金があると思っていたが実際には財布が無かったり金が無かったりするなどした場合に、店員に気付かれずに逃走した場合、注文の時点で①の行為がないことから一項詐欺が成立せず、店員に財布を取りに行くなどと嘘をついていないことからやはり①の行為がないことから二項詐欺が成立しません。
この場合に窃盗罪が成立するのではないか、という疑問がありますが、窃盗罪は被害者の意に反して財物が移転する行為で成立する罪ですので、店員が食事を提供している以上は窃盗罪は成立しません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、詐欺罪などの財産犯事件の弁護を数多く経験してきました。
無銭飲食の場合、
(1)注文をした時点で店員を騙す意思があったのか
(2)余罪はないのか
という点が重要視されると考えられます。
それらの点で否認をした場合、厳しい口調で取調べを受けたり、誘導されたりすることも考えられます。
ご家族が無銭飲食で逮捕・勾留された場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
事件の詳細を確認するため、弁護士が直接身柄拘束中のご家族のもとに伺う初回接見サービス(有料)をご案内致します。
(事例紹介)セルフレジを利用した電子計算機使用詐欺罪
(事例紹介)セルフレジを利用した電子計算機使用詐欺罪
セルフレジで不正精算して逮捕された電子計算機使用詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
和歌山市内のスーパーで、日本酒のパックなどの商品に「半額シール」を不正に貼り付け、セルフレジで精算したとして、警察は無職の男(68)を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、男は14日午後5時45分ごろ、和歌山市内のスーパーで、日本酒1パックと菓子パン4つ(販売価格合計1541円)に「半額シール」を貼り付け、セルフレジで精算して販売価格の半額で購入し、差額分(771円)相当の利益を得た疑いが持たれています。
男は「半額シール」1枚を使い回し、商品に貼ってセルフレジを通した後、シールをはがして別の商品に貼る、という行為を繰り返したといいます。
スーパーの従業員が、男の同様の動きを13日にも見かけ、14日に警察に相談。
警察が店舗内で説明を受けていたところ、男が来店し、犯行に及んだため、その場で逮捕しました。
男は警察に対し、「正規の値段よりも安く買おうと思い、半額シールを商品に貼り付けて、セルフレジで値段をごまかしたことに間違いない」と容疑を認めているということです。
警察は今後、余罪などについても捜査する方針です。
(ABCニュース5月14日(日)22時23分配信「「半額シール」商品に貼り付けセルフレジで不正精算 差額分771円の利益得た疑い 68歳男逮捕 和歌山のスーパー」より引用)
・電子計算機使用詐欺罪
参考事例の男性は電子計算機使用詐欺の罪で逮捕されています。
電子計算機使用詐欺罪の条文は以下のとおり規定されています。
(電子計算機使用詐欺罪)
刑法246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。
(詐欺罪)
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
「前条」とは刑法246条各項の詐欺罪を指します。
刑法246条各項のいう詐欺罪は条文に「人を欺いて」と規定されています。
たとえば、「半額」とだけ書かれたシールを張り付けて有人レジに持って行った場合にはレジ担当者(=人)を欺いたとして詐欺罪が成立します。
しかし、セルフレジの場合は相手が機械ですので、詐欺罪は成立しません。
参考事例の男性は、セルフレジという機械に虚偽の電磁的記録である半額シールを付けた商品をとおし、本来の値段より安い値段で購入することで財産上不法の利益を得ようとしたので電子計算機使用詐欺罪が適用されていると考えられます。
・電子計算機使用詐欺事件での弁護活動
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は懲役刑しか定められていないため、検察官が起訴するべきと判断した場合には略式手続に付することはできず正式裁判になります。
正式裁判は公開の法廷で行われるため心理的負担が大きいうえ、被害金額や回数次第では執行猶予のつかない実刑判決が言い渡される可能性もあります。
起訴された被告人としては、不起訴や執行猶予付きの判決を求めると思われますが、そのためには弁護士に弁護を依頼し、商品の買い取りや弁償、あるいは示談締結などを目指していくことになるでしょう。
また、余罪が疑われる事件では取調べが誘導的であったり厳しい口調で質問が行われる場合もあります。
取調べ前の打合せや、取調べで問題があった場合の指摘・抗議が必要になる場合も考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を・少年事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
弊所では逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しています。
また、在宅事件であれば事務所にて無料で受けられる法律相談もご利用いただけます。
電子計算機使用詐欺事件の被疑者・被告人になってしまった方、家族が電子計算機使用詐欺罪で逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間体制で予約を受け付けています。
(事例紹介)修理費を騙るサポート詐欺
(事例紹介)修理費を騙るサポート詐欺
サポート詐欺について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
岐阜県に住む男性(62)がパソコンでインターネットを閲覧していて「サポート詐欺」に遭い、276万円をだまし取られていたことがわかりました。
(中略)
大垣警察署によりますと、5月12日午後1時頃、大垣市に住む無職の男性(62)が、自宅のパソコンでインターネットを閲覧していたところ、突然に画面の表示が赤くなり、警報音が鳴り響くとともに電話番号が表示されました。
男性が電話をかけると、片言の日本語を話す男が出て、その指示に従ってパソコンを操作すると、警報音は消えて画面の色も元に戻りましたが、男から修理費を要求されたということです。
このため、男性は数十回にわたってコンビニエンスストアで電子マネーカードを購入し、パソコンにカード番号を入力するなどして支払いを続け、合わせて276万円分をだまし取られたものです。
警察は「コンビニで電子マネーを買って番号を教えて」は詐欺なので、パソコンに表示された電話番号には連絡せずに、必ず警察に相談して欲しいと呼びかけています。
(CBCテレビ 令和5年5月15日(月) 2時54分配信 「インターネットを見ていたら画面が突然に赤くなり警報音も 表示された電話番号にかけると… 男性(62)が電子マネー276万円分だまし取られる被害 「サポート詐欺」に注意を 岐阜」より引用)
・サポート詐欺
サポート詐欺とは被害者がインターネットを閲覧している時に、嘘のセキュリティ警告などを画面に表示させたりビープ音を鳴らしたりして、修理費などの名目で金を騙しとる等の手口で行われる詐欺事件です。
専ら現金で受け取るのではなく、振込みのほか、電子マネーを要求されることが多いようです。
サポート詐欺は詐欺罪の成立が検討されます。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。
刑法第246条
第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
財産または財産上の利益を得る際に、一連の要件が因果的につながって存在する時に、詐欺罪は成立します。
その流れとは、まず犯人による被害者を欺く行為(欺罔行為)があり、それによって被害者が財産を処分する際の判断基準となる情報について錯誤(思い違い・勘違い)が発生し、錯誤が生じている状態で被害者が財産を処分し、犯人もしくは第三者が財物、財産上の利益を得る、というものです。
・示談交渉
上記の刑法246条各項の定めるところにより、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役とされ、罰金刑が定められていません。
そのため略式手続に付されることはなく、正式裁判になります。
裁判で実刑判決が下された場合、刑務所に服役することになります。
そのため、実刑を避けるためにも弁護活動を行うことが重要です。
詐欺罪で考えられる弁護活動の一つに、示談交渉が挙げられます。
しかし被害者側は犯人に対しての情報開示を拒むことがほとんどですので、被疑者(犯人)やその家族が自ら示談交渉を行うことは難しいと言えます
スムーズに示談交渉を進めるためにも、詐欺事件などの財産犯事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では、逮捕・勾留された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス(有料)や、初回であれば無料でご利用いただける法律相談等を実施しております。
自身がサポート詐欺などの刑事事件を起こした、または家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120―631―881」に、お気軽にご連絡ください。
(事例紹介)②クレジットカードの不正利用と執行猶予
(事例紹介)②クレジットカードの不正利用と執行猶予
前回のコラムに引き続き、知人のクレジットカードを不正利用したとして、電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕された事例を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が弁護活動をご紹介します。
前回のコラムでは、今回の事例で電子計算機使用詐欺罪や詐欺罪が成立する可能性があると解説しました。
今回のコラムでは執行猶予判決獲得を目指した弁護活動についてご紹介します。
事例
京都府警警備2課と川端署は27日、電子計算機使用詐欺の疑いで、…男2人=いずれも京都市左京区=を逮捕した。
逮捕容疑は共謀し、…知人のクレジットカードを使って3回、…高速バス乗車券(計4万5880円)を購入した疑い。
府警によると、2人は…黙秘しているという。
(4月28日京都新聞「知人のクレジットカードで高速バス乗車券購入疑い 中核派系全学連の男2人逮捕 京都府警」より引用。固有名詞等一部編集。)
電子計算機使用詐欺罪と執行猶予
今回の逮捕容疑である電子計算機使用詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。(刑法第246条の2)
また、詐欺罪の法定刑も電子計算機使用詐欺罪と同様の10年以下の懲役です。(刑法第246条1項)
電子計算機使用詐欺罪と詐欺罪には罰金刑の規定がありませんので、裁判で実刑判決が下されてしまうと、刑務所に行かなければならなくなってしまいます。
しかし、裁判で執行猶予付きの判決を獲得することができれば、刑務所への収容が猶予されます。
執行猶予は3年以下の懲役刑若しくは50万円以下の罰金が科された際に、情状により付けられる場合があります。(刑法第25条各項)
上記のように、執行猶予付きの判決を得られるのは、3年以下の懲役刑若しくは50万円以下の罰金の場合に限られますので、有罪になれば10年以下の懲役が科される詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪では、執行猶予付きの判決を得ることは容易ではありません。
電子計算機使用詐欺罪や詐欺罪では、起訴されると裁判を行うことになります。
裁判と聞くと、被告人が検察官に質問をされている場面を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
実際に、刑事事件の裁判では、弁護士や検察官、裁判官から被告人に対して質問が行われます。
おそらく裁判の場では、犯行に至った動機や犯行の手段、あなた自身のことなどを聞かれることになるでしょう。
この質問に対する受け答えは、裁判官が量刑を判断するうえで、とても重要になってきます。
それゆえ、執行猶予の獲得や科される刑罰を軽くするためには、事前にしっかりと質問への対策を行い、裁判に備えた準備を行うことが必要になります。
初めての裁判では、右も左も分からず、対策を練ることも一筋縄ではいかないでしょう。
刑事事件に精通した弁護士であれば、裁判の場で聞かれそうな質問内容をある程度予測できますので、刑事事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士と裁判の対策を行うことが望ましいと言えます。
また、刑事事件では裁判に至るまでの弁護活動も重要になってきます。
例えば、被害者と示談を締結することで、執行猶予の獲得や科される刑罰を少しでも軽くできる場合があります。
被害者が知人の場合、被害者の連絡先を知っていることが多いでしょうから、加害者自らが被害者に連絡を取り、示談交渉を行ってしまうことも少なくありません。
しかし、加害者が被害者と連絡を取ることで、証拠隠滅を疑われる可能性があり、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
また、加害者と直接連絡を取りたくないと思われる被害者の方もいらっしゃいますので、示談交渉を行う際は、弁護士を入れて行う方が円滑に示談を締結できる場合があります。
加えて、刑事事件で嫌疑をかけられた場合には、取調べを受けなければなりません。
取調べでも裁判と同様、犯行に至った経緯や手段などを聞かれることになります。
取調べでは、裁判で証拠として使われる供述調書が作成されますますので、かなり注意が必要です。
この供述調書は、後から内容を変更することは難しく、あなたに不利な供述調書が作成されてしまうと、裁判で窮地に立たされる可能性があります。
それゆえ、自身にとっての不利益を回避するためにも、取調べ前に弁護士としっかりと打合せをして対策することが重要です。
事務所紹介
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決の獲得など、より良い結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス(有料)、無料法律相談を24時間365日受け付けています。
刑事裁判でご不安な方、電子計算機使用詐欺罪、詐欺罪で捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)①クレジットカードの不正利用と電子計算機使用詐欺罪
(事例紹介)①クレジットカードの不正利用と電子計算機使用詐欺罪
知人のクレジットカードを不正利用したとして、電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
京都府警警備2課と川端署は27日、電子計算機使用詐欺の疑いで、(中略)男2人=いずれも京都市左京区=を逮捕した。
逮捕容疑は共謀し、(中略)知人のクレジットカードを使って3回、(中略)高速バス乗車券(計4万5880円)を購入した疑い。府警によると、2人は(中略)黙秘しているという
(4月28日 京都新聞 「知人のクレジットカードで高速バス乗車券購入疑い 中核派系全学連の男2人逮捕 京都府警」より引用)
・電子計算機使用詐欺罪
刑法第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。
電子計算機使用詐欺罪は、簡単に説明すると、コンピューターなどに真実に反する情報の入力や正しくない指令を行って、財産や利益を得ると成立します。
・電子計算機使用詐欺罪と詐欺罪
電子計算機使用詐欺罪という罪名から、詐欺罪に関連した罪だということが伺えます。
では、電子計算機使用詐欺罪と詐欺罪では何が違うのでしょうか。
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
上記の条文が詐欺罪の根拠条文になります。
詐欺罪は、人に対して欺罔行為を行い財物を交付させた場合に成立します。
電子計算機使用詐欺罪と詐欺罪の違いを簡単に説明すると、電子計算機使用詐欺罪はコンピューターに虚偽の情報などを入力する場合、詐欺罪は人に対して欺罔行為を行う場合に成立します。
・クレジットカードの不正利用と罪の成立
今回の事例では、容疑者らが知人のクレジットカードを使って、高速バス乗車券を購入したとして電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕されています。
クレジットカードの不正利用で電子計算機使用詐欺罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、クレジットカードを不正利用した場合、電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があります。
例えば、他人のクレジットカードを使ってネットで商品を購入する場合、他人名義のクレジットカードの情報を入力することになります。
そうすると、実際にはクレジットカードの所有者が購入する意思がないにも関わらず、所有者が購入する意思があるような事実に反した情報がコンピューターに送られることになります。
クレジットカードを不正利用した犯人は、この事実に反した情報を与えることで、財産となる商品を入手することになります。
ですので、クレジットカードを不正利用すると、電子計算機使用詐欺罪が成立する場合があるといえます。
では、今回の事例では電子計算機使用詐欺罪は成立するのでしょうか。
今回の事例は、知人のクレジットカードを使用し高速バス乗車券を購入したとされています。
報道からでは、どういった手段でクレジットカードを使用し購入したのかが記載されていないため、電子計算機使用詐欺罪が成立するかどうかはわかりません。
ただ、乗車券を購入する券売機やネットを通じて購入したのであれば、コンピューターにクレジットカード情報を入力する必要がありますので、容疑者らがクレジットカードを不正利用し、そのような方法で購入したのであれば、電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があります。
また、容疑者らが知人のクレジットカードを使用し、自分名義のクレジットカードを使用するかのように装って、乗車券の販売窓口や駅員さんから直接購入したのであれば、人相手に欺罔行為を行っていることになりますので、電子計算機使用詐欺罪ではなく、詐欺罪が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が逮捕された方や、電子計算機使用詐欺罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
次回のコラムでは、電子計算機使用詐欺罪での執行猶予付き判決の獲得を目指した弁護活動についてご紹介します。
電子計算機使用詐欺罪で捜査を受けている、家族が電子計算機使用詐欺罪で逮捕された場合、24時間365日予約受付の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
(事例紹介)保険金詐欺32件で被害総額1200万円余か
(事例紹介)保険金詐欺32件で被害総額1200万円余か
実際には発生していない事故等があったと偽って保険会社などから保険金を詐取する保険金詐欺について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【事例】
交通事故を偽装して保険金をだましとる詐欺事件を繰り返した疑いが持たれている30代の容疑者について、警察は一連の捜査を終えたと発表しました。
警察によりますと、容疑者は合わせて32件の詐欺事件を起こし、被害総額は1200万円余りに上るということです。
柏崎市…に住む…容疑者(…)は、令和元年から翌年までの間に交通事故を偽装して保険金をだまし取る詐欺事件を繰り返したとして、5日までに4つの事件で書類送検されました。
調べに対して、「間違いありません」と容疑を認めているということです。
容疑者はこれまでに同じ手口の詐欺事件を繰り返したとして3回逮捕され、その後、起訴されています。
警察が捜査を続けた結果、容疑者は平成25年から去年までの9年間に、同じ手口のほか、「落雷で電化製品が壊れた」などとうそを言って保険金をだまし取るなど、合わせて32件の詐欺事件を起こしていたことがわかったということです。
被害総額は1200万円余りに上るということで、警察は一連の捜査を終えたと発表しました。
(4月5日21時29分 NHK新潟NEWS WEB引用。一部固有名詞等を「…」としています。)
【保険金詐欺について】
今回紹介した事例では、男性が
・自動車事故の際に保険金が受け取れる保険に加入
・故意に自動車を破損させる
・保険会社に事故の申告をして保険金を受け取る
という手口、あるいは電化製品で同様の手口により、保険金を受け取っています。
このように、保険会社に対して嘘の事故・故障を報告して保険金を受け取る行為は、保険金詐欺などと称されます。
保険金詐欺では、詐欺罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。
(詐欺)
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
また、保険金を詐取するに際し、たとえば医師の診断書を偽造した場合は有印私文書偽造罪に、警察官が作成する交通事故証明書を偽造した場合は有印公文書偽造罪、あるいはそれらの行使の罪に問われる可能性があります。
【保険金詐欺で事件化するまでの流れ】
詐欺事件は非親告罪ですので、被害者の刑事告訴がない場合でも検察官は起訴することができます。
しかし、保険金詐欺のような事件は捜査を行う捜査機関はいつ事件が発生するか分からないことから、捜査機関が捜査を行うのは被害届や刑事告訴状の提出が行われてから、ということになります。
保険金はその性質上スピーディーに支給をする必要があることから、保険会社は簡素なチェックだけでまずは保険金を支給します。
しかし、書類の不備や不自然な申請が見受けられる場合、保険会社の調査担当者や第三者である調査会社に調査を依頼し、調査が行われます。
そこで不正が発覚した場合に、保険会社が警察署等に被害届を提出することで、捜査が始まるという流れになります。
保険金詐欺事件の場合、示談交渉の窓口は保険会社の代理人弁護士になります。
財産犯ですので被害弁償は必要不可欠ですが、弁済したからといってすぐに被害届を取り下げるとは考えられず、示談交渉は難航する可能性が高いと考えられます。
検察官が証拠を集め裁判ができると判断した場合には起訴すると考えられますが、詐欺罪は罰金刑がない犯罪ですので、略式起訴はされず、公判請求され正式裁判になります。
被害金額が大きい場合、余罪が多数ある場合、被害弁償が出来ていない場合には、前科がない初犯の方であっても実刑判決が言い渡されることもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでに保険金詐欺を含めた財産犯事件で数多くの弁護活動を行ってきた実績があります。
保険金詐欺で調査が行われている、捜査機関から連絡が来た、家族が保険金詐欺で逮捕されたという場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
(事例紹介)闇バイトに応募し”出し子”をした男性が逮捕
(事例紹介)闇バイトに応募し”出し子”をした男性が逮捕
特殊詐欺における役割や闇バイトについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
4月末、鳥栖市の80代女性から現金100万円を盗んだ福岡県の29歳の男が窃盗の疑いで逮捕されました。
ニセ電話詐欺グループから“闇バイト”に勧誘され、犯行に及んだとみられています。
逮捕されたのは、福岡県大牟田市の無職(中略)容疑者29歳です。
(中略)容疑者は4月27日、鳥栖市に住む80代女性の通帳を使い市内にある商業施設のATMで現金100万円を引き出し盗んだ窃盗の疑いです。
ニセ電話詐欺グループのいわゆる“出し子”とみられ、別の共犯者が百貨店の店員になりすまし、「今あなたのキャッシュカードで50代の女が買い物に来ている、あなた名義のカードを作っているようだ、新しい通帳を持ってくる」などと被害女性にうその電話をかけていました。
その後、女性の家を訪れ、ニセの通帳とすり替える形で通帳4冊を盗んだ“受け子”も(中略)容疑者とみられています。
(中略)容疑者は容疑を認めた上で、「SNSで闇バイトと検索したら勧誘役から誘いが来た」「指示役とのやり取りは秘匿性の高いアプリでしていた」などと供述しているということです。
警察は、若者を中心に“闇バイト”へ勧誘する組織的な犯行とみて、指示役や勧誘役などの捜査を進めています。
(サガテレビ 令和5年5月2日(木) 12時02分配信 「ニセ電話詐欺の出し子の男逮捕 きっかけは“闇バイト”【佐賀県】」より引用)
・特殊詐欺における役割
参考事例の男性は、特殊詐欺のいわゆる出し子をした嫌疑で逮捕されています。
特殊詐欺とは被害者を対面しない方法(電話やハガキなど)で信頼させて、銀行の指定口座に振り込ませるなどの方法によって、現金などを不特定多数から騙し取る犯罪の俗称です。
今回参考としている事例でも、特殊詐欺グループは対面することなく電話で被害者を騙し、受け子と呼ばれる者を被害者宅に訪問させ、そこで通帳やキャッシュカードを受け取ったり掠め取ったりしています。
特殊詐欺は犯罪の実行にあたって、それぞれ担う役割があります。
今回は、電話で被害者を欺罔したうえで被害者宅にてキャッシュカードや通帳を詐取・窃取する手口での特殊詐欺について検討します。
①架け子
まず、被害者を騙すために電話を架ける架け子という役割があります。
架け子は、電話を架けるだけなので逮捕されるリスクが低く、指示役が担う場合もあります。
架け子が電話をして、銀行員や警察官などが訪問しますよと嘘を言い、被害者を騙します。
②受け子
次に、被害者宅を訪問して銀行員や警察官などを騙り、被害者から現金やキャッシュカードなどを受け取る受け子がいます。
受け子は、騙されたフリ作戦などで警察官が待ち伏せしていていきなり逮捕されるという事例も多々あるため、逮捕されるリスクが高く、犯罪とは無縁の者に高額バイトなどと偽って募集された者が担う場合がほとんどです。
③出し子
キャッシュカードや通帳などを受け取る手口での特殊詐欺や振込みをさせる手口での特殊詐欺の場合、口座から現金を引き出す必要があります。
しかし、金融機関の窓口で現金を引き出すと身分証明書を求められる恐れがあり、ATMなどで引き出すと監視カメラで映像として残ってしまう可能性があることから、やはり高額バイトなどと称して募集された者が担う場合がほとんどです。
逮捕された男性については、②と③の両方をやるよう指示をされ、犯行に及んだと報道されています。
・闇バイト
しばし、高額の報酬と引き換えに犯罪グループの特殊詐欺や強盗などに加担することを「闇バイト」として紹介されます。
しかし、特殊詐欺や強盗は犯罪であり、おおよそ「バイト」と呼べる行為ではありません。
また、報酬と称する金を受け取ることができる場合もあるようですが貰えていない場合も多く、他方で被害金額は莫大であり重大事件として捜査されます。
闇バイトを行う際には身分証明書の写メなどを求められ、一度手を染めてしまうと犯罪を繰り返すよう脅迫され、辞められなくなるケースも多いようです。
犯罪グループの末端として利用されただけであっても、受け子や出し子は特殊詐欺の実行犯として重く受け止められ、前科がない初犯の方であっても実刑が下され刑務所に服役することになる可能性があります。
実刑判決を避けて執行猶予の獲得を目指すためには、
・取調べのアドバイスにより誤解のない供述や必要に応じた黙秘を行う
・被害者との示談交渉を行う
などの弁護活動を速やかに行う必要があります。
逮捕されたその日から弁解録取や取調べは始まるため、手続きが進む前に特殊詐欺事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。
・事務所紹介
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
弁護士が逮捕・勾留された方のもとに直接赴く初回接見サービス(有料)や、在宅事件の場合には無料でご利用いただける法律相談を実施しております。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で受け付けておりますので、特殊詐欺事件などの刑事事件を起こした、または家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち事事件総合法律事務所に、お気軽にご相談ください。