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神奈川県大和市の架空請求詐欺事件
神奈川県大和市の架空請求詐欺事件
~ケース~
神奈川県大和市在住のXは不特定多数の人に対し「未払いのサイト利用料に付き横浜地方裁判所に料金請求訴訟が提起されました。・・・略・・・。訴訟の取り下げをご希望の方は電話番号000-000-000までお電話下さい」という文面のハガキを送付していた。
そしてXは電話をしてきた人に対し,和解金として30万円用意するように伝えていた。
大学の3年生であるAさんは市内の居酒屋でXと知り合い,Xから「割の良いバイトがあるがやらないか。」と誘われた。
内容としては指定箇所で荷物を受け取るというものであったが,上記の30万円のいわゆる「受け子」であった。
AさんはXが架空請求詐欺をしているとは知らなかったが,何か怪しいお金でないかとXに聞いたところ,受け取る現金は会社の売掛金等であると言われていた。
ある日,AさんがXに頼まれ指定された喫茶店に行き,Vから現金30万円を受け取ったところ,客を装い両隣のテーブルに座っていた神奈川県大和警察署の警察官らにAさんは取り押さえられた。
そして,Aさんは詐欺罪の疑いで神奈川県大和警察署へ連行されてしまった。
(フィクションです)
~架空請求詐欺~
今回Xが行った手口はいわゆる架空請求詐欺と呼ばれるものです。
架空請求の手口としてはハガキやダイレクトメール,Eメールなどでサイト利用料などと銘打って料金を請求することが多いようです。
また,今回のケースのように民事訴訟を提起したと偽り,和解金という名目で金銭を要求する手口もあるようです。
なお,実際に民事訴訟が提起された場合には裁判所から当別送達という方法で訴状が届きますので,ハガキや封書など普通郵便で届くことは絶対にありません。
架空請求詐欺はその名称の通り詐欺罪(刑法246条)となり,法定刑は10年以下の懲役となっています。
~Aさんの罪~
今回のケースでAさんはXの行った詐欺行為に金銭を受け取ることで協力している形になります。
したがって,AさんはXの詐欺罪の共犯となる可能性が高いでしょう。
共犯にはいくつか種類がありますが,今回Aさんは詐欺罪の幇助犯もしくは共同正犯ということになります。
◇共同正犯◇
共同正犯は,「二人以上共同して犯罪を実行した」場合に成立します(刑法60条)。
共同正犯は構成要件該当事実を共同の意思に基づいて惹起させた場合に成立します。
詐欺罪の場合(特に特殊詐欺事件の場合),組織的に役割分担をしていることが多く,関係者が共同正犯として立件されることが多いようです。
◇幇助犯◇
刑法62条1項は「正犯を幇助した者は,従犯とする。」と規定しており,刑法63条は「従犯の刑は,正犯の刑を減軽する。」と規定されてます。
幇助とは実行行為以外の行為によって正犯の実行行為を容易にうる行為一般をいいます。
今回のような詐欺事件の場合で言えば,詐欺行為をしやすくする,財産の交付を容易にするといった手助けをした場合に,幇助犯とされる可能性が出てきます。
~弁護活動~
今回Aさんは,Xから受け取るお金は売掛金等であると聞いており,詐欺の片棒を担いでいるという認識はありませんでした。
犯罪の成立には故意が必要であり(刑法38条),故意とは罪を犯す意思をいい,これは犯罪事実の認識・予見のことをいいます。
したがって,今回のAさんは故意が欠けるとして詐欺罪(および幇助)は成立しない可能性が出てきます。
もっとも,Aさんは何か怪しいお金ではないかとXに聞いていることから,Aさん自身に詐欺などではないかという認識があったとされる可能性もあります。
そうなった場合には,「詐欺かもしれない」と思いながらあえて行っているということから故意を認定され,詐欺罪が成立してしまう可能性もあるのです。
今回のようなケースでは,弁護士はAさんには詐欺罪の故意がないため詐欺罪が成立しないことを主張していくことが考えられます。
しかし,Aさんが受け取っていた報酬額や具体的な指示内容,取調べに対する供述などによっては故意がなかったと認められない場合もあります。
一方,適切な取調べ対応,弁護士による適切な主張によっては詐欺罪の故意が欠けるとして無罪となる可能性もあります。
こうした詐欺事件では,詳細な事情を考慮しなければ方針を決定することは難しいため,まずは刑事弁護に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
知らず知らずのうちに詐欺罪の受け子をしてしまったという場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見サービス・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
譲渡する目的で銀行口座を作る詐欺事件
譲渡する目的で銀行口座を作る詐欺事件
東京都立川市に住むAさんは、高校時代の不良仲間Bさんから、振り込め詐欺を一緒にやらないかと誘われました。
最近は真面目に生活していたAさんは断りました。
しかし、なおもBさんから、「銀行口座を作るだけでいいから手伝ってくれないか。お礼もするから」と言われました。
Aさんは、「それくらいならいいか」と思い、自己名義で銀行口座を作った上で通帳とキャッシュカードをBさんに渡しました。
後日、Bさんが逮捕されたことをきっかけとして、Aさんも警視庁立川警察署で取調べを受けることになりました。
今後Aさんはどうなるのでしょうか。
(フィクションです)
~譲渡目的での口座開設には詐欺罪が成立~
Aさんは銀行口座を作ってBさんに譲り渡しただけで、銀行に損害が生じたわけではないとも思えますが、Aさんの個の行為には詐欺罪が成立する可能性があります。
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
銀行口座が犯罪に利用されないよう、金融機関は口座開設時に本人確認することが義務付けられており、名義人本人が口座を利用することが前提とされています。
したがって、他人に譲渡することを隠して口座を開設すること自体が、名義人本人が利用するかのように「人を欺いて」、通帳やキャッシュカードといった「財物を交付させた」として、詐欺罪が成立する可能性があるわけです。
なお、こうした口座開設の場合、刑法上の詐欺罪だけでなく、いわゆる「犯罪収益移転防止法」にも違反する可能性が出てくることにも注意が必要です。
さらに、警察から捜査を受ける際には、口座開設を手伝っただけではなく、振り込め詐欺自体に直接かかわっていないか疑われることもありうるので、そちらに対しても注意が必要です。
~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~
取調べのために呼び出されたAさんですが、このまま逮捕されないで捜査を受けることになる場合、何度か警察署や検察庁に呼び出されて取調べを受けることになると思われます。
その後、検察官がAさんを刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、自宅から裁判所に行って裁判を受けるという流れになるでしょう。
一方、悪質な事案と判断されると、逮捕されることも否定できません。
その場合、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
その後、検察官が起訴すれば、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行うことが考えられます。
まず、逮捕されても、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことなどを具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。
また、逮捕されているかいないかにかかわらず、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、前科も付きません。
そこで、ご家族の監督が見込めることや本人が反省していること、前科がないこと、主犯格とまではいえないこと等々、有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分にするよう検察官に要請していきます。
そして起訴された場合も、本人に有利な事情を主張し、執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していくことになるでしょう。
~弁護士に相談を~
犯罪をしたとして捜査を受けると、本当に犯罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか等々、不安点が多いと思います。
また、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、という点も不安かもしれません。
本当にやったことについては正直に述べて反省することが必要ですが、かかわっていない部分がある場合には、はっきりと否定することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料で行っております。
また、逮捕されている場合は、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、上記の不安点などにお答えいたします。
詐欺などで捜査を受けた、逮捕されたといった場合には、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
口座残高不正変更で詐欺事件
口座残高不正変更で詐欺事件
東京都江戸川区にある銀行の銀行員であるAさんは,預金・為替業務を担当していました。
Aさんは,自身が勤務する銀行のオンラインシステムにアクセスし,実際には振替入金の事実がないにもかかわらず,Aさんの口座に50万円の振替入金があったとする情報を入力しました。
この不正入力によって,磁気ディスクに記録されていたAさんの預金残高が書き換えられました。
味を占めたAさんはその後も同様の不正入力を繰り返しました。
後日,Aさんの羽振りが急に良くなったことに疑念を抱いた同僚から報告を受けた上司が秘密裏に調査を行い,Aさんの不正入力が発覚しました。
その後,通報により警視庁小松川警察署が捜査を始め,Aさんは電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
【電子計算機使用詐欺罪】
電子計算機使用詐欺罪は(刑法第246条の2),人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り,又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた場合に成立する犯罪です。
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は,10年以下の懲役です。
人を騙して財産あるいは財産上の利益を得た場合,詐欺罪(刑法第246条)によって処罰されます。
しかし,騙す相手が人ではなくコンピュータ(機械)であった場合は不可罰とされていました。
それは,詐欺罪が「人を欺」くことを要件としているためです。
今回の事件のように口座残高を増額する記録を作出することによって財産上の利益を得た場合,実際に誰かがお金を奪われた訳ではないため,財物を奪うことを要件としている窃盗罪(刑法第235条)によって処罰することもできません。
そこで,コンピュータ犯罪への対応を図った1987(昭和62)年の刑法一部改正によって新設された犯罪の一つが,電子計算機使用詐欺罪です。
電子計算機使用詐欺罪の条文にある電子計算機とは,いわゆるコンピュータのことを意味します。
電磁的記録とは,電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によって認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるもの(刑法第7条の2)をいいます。
電子計算機使用詐欺罪の成立のために要求される行為は,
①人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産上の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作ること
②財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供すること
以上の二つのいずれかの方法によって,財産上不法の利益を得,または得させることです。
今回の事件では,Aさんは振替入金の事実がないにもかかわらず,自身の口座に50万円の振込があったとする情報をオンラインシステムに入力しました。
事実に基づかない50万円の振込情報は,虚偽の情報ということができます。
よって,Aさんはオンラインシステム(コンピュータ)に虚偽の情報を与えたことになります。
この虚偽の情報を与えられたことによって,オンラインシステムは磁気ディスクに記録されているAさんの口座残高を書き換えています。
磁気ディスクの記録情報は人間の知覚によって認識することができない方式で作られる記録であって,電磁的記録にあたるといえます。
したがって,Aさんは先ほどの①の方法によって50万円の財産上の不法の利益を得たものと評価することができ,もし捜査を受け起訴されれば,電子計算機使用詐欺罪の成立が認められる可能性は非常に高いといえます。
【弁護活動の方針】
今回のようなケースでは,Aさんが費消した銀行の被害金額相当分について弁償するなど,銀行に対して謝罪と反省の姿勢を示して示談を成立させることにより,不起訴処分や執行猶予を得られるように活動することが基本方針となるでしょう。
起訴されてしまった場合でも,もしAさんに前科がなければ,その事実を示すことで情状ありと裁判所に認めてもらいやすくなります。
こうした活動は刑事事件に精通した弁護士のサポートを受けて行うことが望ましいでしょう。
電子計算機使用詐欺罪の被疑者となってしまって困っている方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
身分を偽り金を借りて詐欺罪・私文書偽造罪
身分を偽り金を借りて詐欺罪・私文書偽造罪
福岡県糸島市に住むAさんは、2か月前にB社を退職して就職活動をしていましたが、次の就職先がなかなか決まりません。
貯金も少なくなってきたAさんは、銀行から借り入れすることを考えました。
身分や収入がしっかりしていれば借り入れが出来る可能性が上がり、金利も低くなることから、B社に在職中であることにして、借り入れすることにしました。
前年の所得証明書の他、所持し続けていたB社の社員証のコピーを提出し、申込書類にもB社に在職中である旨を記入して銀行に提出、銀行から借り入れを受けてしまいました。
その後、返済が滞ったことから銀行がB社に問い合わせるなどして、現在AさんがB社に在籍していないこと事実が発覚。
銀行から返済を迫られるとともに、福岡県糸島警察署に刑事告訴も検討中である旨を言われて不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪~
Aさんが身分を偽って借り入れした行為には、詐欺罪や私文書偽造・同行使罪が成立する可能性があります。
刑法第246条1項(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
刑法第159条3項(私文書偽造等)
前2項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
刑法第161条1項(偽造私文書等行使)
前2条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
Aさんは、B社に在職中であると「人を欺いて」、借入金という「財物を交付させた」ので、詐欺罪が成立するでしょう。
また、借り入れの申込書類は、金銭消費貸借契約という「権利、義務…に関する文書」、あるいは職業に関する「事実証明に関する文書」にあたり、これに虚偽の記載をしたことは「偽造」にあたるとして、私文書偽造罪が成立する可能性があります。
この文書を用いて融資を受けたので、偽造私文書行使罪も成立するでしょう。
~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~
仮に刑事告訴された場合、逮捕されない場合とされる場合が考えられます。
逮捕されない場合は、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたり、自宅から裁判所に行って刑事裁判を受けることになります。
一方、逮捕された場合、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。
まず、逮捕後、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。
それでも勾留されてしまった場合には、準抗告という不服申し立て続きを行って、釈放を目指すこともあります。
また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
そこで、銀行と示談が成立していること、本人が反省していること、会社を解雇され社会的制裁を受けていることや前科がないことなど、有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分にするよう検察官と交渉していきます。
起訴されてしまった場合には、身体拘束が続いていれば釈放を目指して保釈申請を行います。
そして裁判においても、本人に有利な事情を主張し、執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していきます。
~ぜひ弁護士に相談を~
犯罪をして逮捕された場合、あるいは在宅で捜査を受けた場合、どのような罪が成立するのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談を初回無料で行っております。
また、逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います(初回接見サービス)。
接見や法律相談では、上記の不安点などに対してお答えいたします。
詐欺罪や私文書偽造・同行使罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご相談ください。
京都市西京区のプレゼント詐欺
京都市西京区のプレゼント詐欺
~ケース~
Aさんはtwitterにおいて投資家を名乗り,「利益を上げたので100人に100万円プレゼントします」といった内容をツイートした。
それを見た京都市西京区に住むVさんはさっそく,Aさんのプレゼント企画に参加した。
参加締切りが過ぎてから数日後,Vさんの元にAさんからプレゼント企画に当選した旨のメッセージが届いた。
内容としては「当選者の身元がはっきりしている人かを確認したいので指定口座に1度,3万円振り込んで欲しい」というものであった。
Vさんはこれは詐欺だと思ったが,Aさんのツイッター上に「最初は詐欺だと思っていましたが,ちゃんと100万円振り込まれました」というリプライが多数あるのを見て信用し,Aさんの指定する口座に3万円を振り込んだ。
その後,Aさんから振込がなかったことからVさんは詐欺に遭ったと気づき,京都府西京警察署に相談した。
Aさんは同様の手口で数件被害届が出されており,京都府西京警察署によって事情を聞かれることになった。
なお,振込があったというリプライもAさんによる自演であった。
(フィクションです)
~プレゼント企画~
昨今,twitterで投資家を名乗る人などが「フォロー&RTした人の中から●人に●●円プレゼント」といった内容を投稿しているのを目にすることが多いと思います。
最近では,大手通販会社の社長が100人に100万円のお年玉企画で話題なりました。
そうした企業の社長やユーチューバーなどの場合には,宣伝効果が見込まれるため単純なプレゼント企画というわけではないといえるでしょう。
一方,投資家などは自己の利益のために資産運用をしているのですから,いくら儲かったとしても,見ず知らずに他人にお金を配る理由はないので何らかの意図があると考えられます。
今回のケースのように何らかの方法で詐欺行為を働く,個人情報や口座情報などを業者に売却する,フォロワーが増えたアカウントを売却するといったことも考えられるため,注意が必要です。
~詐欺罪~
詐欺罪は刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
今回のケースのような手口は保証金詐欺と呼ばれる手口で,具体的なケースとしては,闇金などが融資の条件などとして一度振り込ませるという場合などがあります。
細かい構成要件該当性は省略しますが,Aさんの行った行為は詐欺罪に該当するでしょう。
詐欺罪は上述のように10年以下の懲役のみが法定刑として定められています。
罰金刑が定められていませんので,検察官によって起訴された場合には刑事裁判が開かれることになります。
詐欺罪は手口が単純で被害金額が少額であり,示談が成立している場合には不起訴となることもありますが,今回のようなケースの詐欺事件の場合は起訴されてしまう可能性も高いでしょう。
詐欺罪で起訴されて刑事裁判になった場合に執行猶予付きの判決となるかどうかは被害者の方への被害弁償及び示談を成立させているかが大きく影響します。
弁護士であれば,起訴されている事件について,被害者の方と示談交渉を行い宥恕条項を示談書に盛り込んで頂くことも可能な場合もあります。
被害弁償をしたからといって確実に執行猶予が付くとは限りませんので,可能であれば示談交渉もすることが重要です。
今回の手口では複数の被害者がいるようですから,可能な限り示談交渉をしていくことが重要となることが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
これまで数多くの刑事事件において執行猶予付き判決となった実績があります。
詐欺事件を起こしてしまいお困りの方は0120-631-881までご相談ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
息子の留置場所はどこ?
息子の留置場所はどこ?
Aさんは、自宅で掃除、洗濯などの家事をしていた際、突然、兵庫県加西警察署の警察官から電話を受けました。
Aさんは電話に出ると、「もしもし、Bさんのお母さんですか?」「私は兵庫県加西警察署捜査二課のKと申します。」「先ほど、あなたの息子さんを兵庫県加西市で詐欺事件の被疑者として逮捕しました。」「息子さんは兵庫県加西警察署にいますから、どうぞご心配なさらないで。」と言われ、一方的に電話を切られました。
Aさんは、「詐欺」「逮捕」という単語を言われたことは記憶していますが、その他のことはあまりにも突然のことで忘れてしまいました。Aさんは、今後どうすればいいのか、息子はどこにいるのかなどを知りたくて、弁護士にBさんとの接見を依頼し、相談することにしました。
(フィクションです。)
~ はじめに ~
今回、Aさんは、息子さんの居場所(留置場)を聞き漏らしてしまったようです。
しかし、Aさんからすれば、突然のことで、冷静に話を聞けという方が無理があるでしょう。
そこで、今回は、ご家族様などが刑事事件で逮捕された場合の居場所(留置場など)について解説していきたいと思います。
~ 基本は捜査を担当する警察署の留置施設 ~
警察により逮捕された場合の留置先(収容先、留置場)は、「捜査を担当する警察署の留置施設」が基本となります。
そして、各都道府県に置かれる各警察署には「管轄」というものが決まっており、基本的に、各警察署に所属する警察官はその「管轄」内で発生した犯罪について捜査します。
例えば、東京都の警視庁新宿警察署の管轄は、
・新宿区の内
・新宿3丁目15番、17番の各一部、18~29番、31番の一部、33~38番、新宿5丁目12~14番の各一部、18番の一部、新宿6丁目、新宿7丁目、歌舞伎町(1丁目1番の一部を除く)、西新宿、北新宿、余丁町8番の一部、大久保、百人町1~3丁目
と決められており、新宿警察署の警察官は、この管轄内で発生した犯罪について逮捕、捜索などの捜査を行うのです。
警察が何をもって捜査を始めるのかは様々ですが、詐欺の場合は「被害届」によることが多いでしょう。
詐欺の被害に遭われた方が上記の管轄内にお住まいなのであれば、その被害届が提出された警視庁新宿警察署が捜査を担当することになりますし、福岡県久留米市というところにお住まいであれば福岡県久留米警察署が捜査を担当することになります。
したがって、例えば、逮捕された方のお住まいが東京都新宿区内にあるからといって、必ずしも、留置場が新宿警察署となるは限らないことに注意が必要です。
逮捕された方が被害者から直接現金を受け取る受け子の役で逮捕されたという場合でも、被害者が福岡県久留米市にお住まいであれば、福岡県久留米警察署の警察官に逮捕され、同署の留置場に収容される可能性が高いと思われます。
* 留置場が聴き取れなかった場合は再度電話を *
Aさんのように、留置場が聴き取れなかった場合は再度、電話をかけなおしてもいいでしょう。
もっとも、履歴に電話番号が表示されていると思いますから、その電話番号を調べれば、どこの警察署から電話がかかってきたか分かりますし、そこから留置場の場所を推測することはできます。
しかし、はっきりと居場所を確定させるためにも、再度、電話をして確認してみてもよいでしょう。
~ 勾留後、起訴後はどこにいくの? ~
詐欺事件などの刑事事件で逮捕され、勾留された場合には、勾留後も「逮捕直後に収容された留置場」にそのまま収容されることが多いと思われます。
逮捕された方が「勾留質問」という手続きのときに「勾留通知をご家族に指定」した場合は、勾留決定後に裁判所から、勾留された旨と「どこの警察署に勾留されているか」の連絡が来ます。
起訴後は、捜査が全て終了したという場合は、拘置所など警察以外の機関が管轄する施設へ移送されます。
移送された際は、弁護人としてついている弁護士へ通知が行くようになっていますから、気になる方は弁護人としてついている弁護士へ尋ねてみるとよいでしょう。
捜査が継続している間は、留置場に拘束されたままになります。
また、再逮捕などで、担当の警察署が変わった場合は、その警察署の留置場へ移送されます。
その後の、流れははじめて逮捕された後の流れと同様です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
詐欺事件の逮捕にお困りの際には、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
弁護士足立が振り込め詐欺事件で執行猶予付き判決を獲得
弁護士足立が振り込め詐欺事件で執行猶予付き判決を獲得
・事件の概要
ご依頼者様は、ご子息が詐欺事件で逮捕されたと知り、まず弊所の初回接見サービスへお申し込みされました。
ご依頼者様は遠方にお住まいであったため、ご子息様が容疑をかけられている詐欺事件について何も知らず、さらに警察からも詐欺事件の詳細を聞くことができず、逮捕されたというご子息様のことを非常に心配されていました。
初回接見サービスのご依頼を受けた弁護士が警察署でご子息様を接見をしたところ、ご子息様は振り込め詐欺の受け子をしたという容疑で逮捕されていたことが判明しました。
振り込め詐欺事件では、余罪が多数に及ぶことが多く、そうした場合、身体拘束が長期化する可能性、被害額によっては実刑判決を受ける可能性が高くなることが考えられます。
本件でもそれらのリスクがあり、捜査の初期段階から慎重な弁護活動を行う必要がありました。
初回接見サービス後の報告の際、ご依頼者様へは事件の概要や今後の手続きの見通し、行うべき弁護活動等について弁護士よりお話いたしました。
その後、正式に弁護活動のご依頼をいただき、弁護活動を開始することとなりました。
・捜査段階の弁護活動
~取調べへの対応~
逮捕後からご子息様に対しては複数回の取調べが行われていたため、捜査機関の取調べにどのように対応すべきかを決めなければなりませんでした。
特に、振り込め詐欺事件では、捜査機関も余罪の有無を徹底的に捜査するため、ともすれば、本当は関わっていない事件について関与を疑われるおそれがあります。
そこで、複数回の接見の上、ご子息様から自分の関与した事件とそうでない事件を聞き取り、取調べの前に弁護士と打ち合わせを行いました。
取調べ前の打合せでは、警察からの取調べに対してどのように答えるべきなのか、一つ一つ弁護士と確認をして実際の取調べに臨み、取調べの後には再び弁護士と接見し、どのようなことを聞かれたのか聴取し、次回の取調べに対する打合せの課題としました。
その結果、ご子息様が関わったとされる事件についてのみ起訴がなされ、手続きの間延びによる身体拘束の無用な延長や、被害額の拡大を避けることが出来ました。
~示談交渉~
振り込め詐欺事件は被害者のいる犯罪です。
本件では、裁判が始まる前から被害者の方と連絡を取り始め、示談交渉に着手することができました。
ご子息様の反省の状況を踏まえて、弁護士が誠意をもって対応し、謝罪と被害の弁償を行いました。
被害者の方々からは「社会の中で更生してほしい」とのありがたいお言葉と、加害者であるご子息様を許すとの一筆を頂けました。
被害者の方の中には、ご子息様の反省状況や置かれた状況等を考慮して、被害額の約3分の2程度の弁償額で許していただけた方もいました。
これらの示談交渉の経緯は、裁判の場でも証拠を提出して主張、立証を行いました。
・起訴後の弁護活動(公判弁護活動)
~裁判までの打合せ~
ご子息様の振り込め詐欺事件が起訴された後も、引き続き公判弁護活動を行っていきました。
裁判の場では、ご子息様が今回の事件について関わってしまった経緯や今後の社会内での生活を行う環境について、同情すべき点があった点を明らかにすることを弁護側の目標としました。
そこで、本件に関与し始めたときの状況を、裁判官にしっかりとアピールできるよう、弁護士とご子息様とで打合せを行いました。
また、裁判の場では検察官から反対尋問がなされますが、そこで動揺してしまうことのないように対策を重ねました。
~裁判当日~
裁判当日には、ご依頼者様とご子息様に法廷に立ってお話しいただきました。
当日は、お二人とも緊張のためか、お話しに詰まる部分もありましたが、事前に打ち合わせに基づいて弁護士からも助け船を出すことで、ご自身の主張を過不足なく裁判所に対して伝えることが出来ました。
~判決~
本件については被害額267万5千円の詐欺、窃盗事件として有罪の判決が言い渡されましたが、懲役3年執行猶予5年という判決を得られました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした振り込め詐欺事件のご相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
なお、本件につきましては弊所東京支部のホームページにも詳細を記載しております。
転売目的でのチケット購入と電子計算機使用詐欺罪
転売目的でのチケット購入と電子計算機使用詐欺罪
大阪市淀川区に住むAさんは,転売目的で,チケット販売サイト(チケットエージェンシー)からラグビーの観戦チケットを入手したとして,大阪府東淀川警察署に電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの母親は,Aさん逮捕の知らせを聞いて,弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)
~ 転売目的でのチケット入手 ~
人気のコンサートや舞台,スポーツイベントなどのチケットを,業者や個人が買い占め,オークションやチケット転売サイトなどで定価を大幅に上回る価格で販売する「高額転売」が社会問題となっています。
このような不当な転売により,チケットを本当に求めている人にとって入手しづらい状況が続いています。
しかし,転売目的でのチケット入手は犯罪です。
どのような罪に問われるのか解説いたします。
~ 電子計算機使用詐欺罪 ~
電子計算機使用詐欺罪は刑法246条の2に規定されています。
詐欺罪(刑法246条)は,本来,「人を欺いた場合」に適用される犯罪ですが,事例のように欺く対象が「人以外(コンピューターなどの電子機器など)」の場合は詐欺罪を適用することができません。
そこで,そのようなこの不都合を解消するために作られたのが電子計算機使用詐欺罪です。
つまり,電子計算機使用詐欺罪は詐欺罪の補充規定ということになります。
罰則は,通常の詐欺罪と同様「10年以下の懲役」です。
* 事例紹介 *
平成29年9月22日,神戸地方裁判所で,人気アーティストのライブの電子チケットを転売目的で取得し電子計算機使用詐欺罪に問われた被告人に対し,「懲役2年6月 執行猶予4年」の有罪判決が言渡されています。
~ どんな行為をしたら処罰されるの? ~
電子計算機使用詐欺罪は,「電子計算機を欺く行為(規定には「電子計算機に虚偽の情報若しくは不正の指令を与えて」などと書かれています)」を処罰する罪です。
つまり,転売目的でチケットを購入しようとする者が,その目的を隠してチケットエージェンシーに対してチケットの購入を申込み,その結果,転売目的の購入ではないとチケットエージェンシーを誤信させ,チケットエージェンシーにチケットを送付させたという行為が電子計算機使用詐欺罪に当たるのであって,転売行為そのものを処罰するものではありません。
* 転売行為も禁止 *
しかし,6月14日から施行されるチケット転売防止法(正式名称,特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)では,「チケットの不正転売」を禁止しており,違反者に対し,「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金,又は併科」を科す旨定めています。
転売目的でチケットを購入し,さらにそのチケットを転売した場合には,電子計算機使用詐欺罪のほか,チケット転売防止法違反にも問われることになります。
~ 買った側の処罰は? ~
これまでご紹介してきたのは,「チケットを転売目的で購入し,それを売った側」の罪でしたが,それを「買った側(譲り受けた側)」は処罰されるのでしょうか?
この点,先ほどご紹介したチケット転売防止法では,「転売目的での譲り受け」を禁止しており,違反者に「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金,又は併科」を科す旨定めています。
また,転売目的で入手したチケットであることを知りつつチケットを購入した場合は,たとえ転売目的がなくても「盗品等有償譲受罪(刑法256条2項,「10年以下の懲役及び50万円以下の罰金」)」に問われる可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
チケット転売に関する詐欺事件のご相談も,刑事事件専門だからこそ安心してお任せいただけます。
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埼玉県所沢市のプリペイド改ざん詐欺事件
埼玉県所沢市のプリペイド改ざん詐欺事件
~ケース~
埼玉県所沢市在住のAさんはインターネットで「これを使えばプリペイドカードが使い放題!」と銘打たれた機器を購入した。
説明書によると,磁気情報によるプリペイドカードの磁気情報を書き換えることによって使用されていない状態にできるというものであった。
Aさんは半信半疑で埼玉県所沢市内のスーパーVで使用可能なチャージ式ではないプリペイドカードで試してみたところ,磁気情報を未使用の磁気情報に書き換えることができた。
AさんはVで書き換えたプリペイドカードを使用してみたところ,新品同様の使用が可能であった。
ところで,Aさんが使用したプリぺイドカードは表面の模様が剥がれており,スーパーVのレジ担当であるXは何となくその事に気づいていた。
そして,XはAさんが常に同じプリペイドカードを使用しているにも関わらず残高が戻っていることに気づき店長Yに報告した。
その後,Yが埼玉県所沢警察署に相談したことで,Aは事情を聞かれることになり,家宅捜索の結果,上記機器が発見され,Aさんは電子計算機使用詐欺罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)
~電子計算機使用詐欺罪~
刑法246条の定める詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させたものは,10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪で欺かれる対象は「人」となっていますので機械を誤作動させた場合には詐欺罪が成立しないことになるでしょう。
そのため,刑法246条の2は「前条に規定するもののほか,人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて…(略)…財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者は,10年以下の懲役に処する。」と規定しています(電子計算機使用詐欺罪)。
今回のケースで,Aさんは磁気情報を書き換えたプリペイドカードを使用して,レジ等の電子計算機(法律ではコンピューターはこのように呼ばれます)に虚偽の情報を与えたといえるでしょう。
そしてそれによって代金を支払うことなく買い物ができたのですから財産法上不法の利益を得たともいえるでしょう。
したがって,Aさんには電子計算機使用詐欺罪が成立すると考えられるのです。
~手続の流れ~
詐欺事件で起訴されると,詐欺罪には罰金刑が定められていないので刑事裁判を受けることになります。
詐欺事件の場合,詐欺の手口,被害者の数,被害金額,被害弁償の有無などによって検察官は起訴するかどうかを判断します。
法務省の犯罪白書によると,詐欺事件は6割弱が起訴されています。
刑事事件では,逮捕されると48時間以内に検察官に事件が送致され,検察官は24時間以内に被疑者を勾留するか釈放するかもしくは起訴するかを決定します。
勾留請求が認められると原則として10日間身柄を拘束されます。
事件によってはさらに被疑者の身柄拘束が必要であると判断された場合,最長で10日間の延長がされる場合もあります。
したがって,逮捕されてしまった場合には最長で23日間身柄を拘束されることになります。
また,検察官は勾留が認められた場合には,原則として勾留満期までに被疑者を起訴するかどうかを決定しなければなりません。
そのため,身柄拘束の必要がない場合や逮捕を含めた最大23日間で起訴する証拠を収集するのが困難である場合などにはあえて勾留しない場合もあります。
逮捕されなかった場合や,逮捕されても勾留されず釈放された場合は在宅での捜査となります。
この場合は起訴するまでの期間の制限はありませんので,捜査が比較的ゆっくり進むことが多いでしょう。
~弁護活動~
詐欺罪などの財産犯では,被害弁償をしているかが検察官が起訴するかどうかの判断や裁判官の量刑の判断に大きく影響します。
また,示談の際に「加害者を許す,処罰は求めない」という宥恕条項があれば事件の内容にもよりますが,起訴猶予となる可能性もあります。
しかし,詐欺事件の被害者の方にとって,加害者を許すという内容を示談の内容に盛り込むことは簡単なことではありませんから,この宥恕条項については盛り込まない,という示談も多いです。
それでも,被害弁償をしているという点で起訴猶予となる場合や,執行猶予付きの判決となる場合もあります。
逆に,被害弁償などを一切していない場合にはよほど軽微な事件でなければ起訴され,場合によっては実刑判決となってしまう可能性もあります。
そのため,詐欺事件などの財産犯では被害者の方に被害弁償をすることは非常に重要になります。
効果的な示談交渉をしたいとお考えの方は,まずは刑事事件に強い弁護士ご相談されることをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺事件をはじめとする財産犯事件も数多く取り扱っています。
フリーダイアル0120-631-881にて初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
横浜市緑区の出資法違反・詐欺事件
横浜市緑区の出資法違反・詐欺事件
~ケース~
横浜市緑区在住のAはクレジットカードを利用した副業ビジネスと称するスキームを経営していた。
Aのスキームとしては以下のとおりであった。
①利用者がクレジットカード等で商品を購入する
②商品がAの下に届く
③Aが商品を海外に輸出し,購入代金以上の金額を得る
④購入代金に一定のマージンを上乗せした金額を利用者の口座に振り込む
また,ビジネスの参加者からは保証金の名目で参加費を徴収していた。
実際には商品はAの下に届くものではなく,クレジットカードの購入金額のみがAの手元に入るスキームとなっていた。
Aは保証金や購入代金④を振り込んでいたたが,途中から④の振込をしなくなった。
利用者の1人であるVが神奈川県緑警察署に相談したところ,Aは出資法違反および詐欺罪の疑いで家宅捜索を受けた。
(実際にあった事件を基にしたフィクションです)
~出資法~
今回のケースは,いわゆる「西山ファーム事件」と呼ばれる事件を基にケースを設定しています。
西山ファーム事件では実際に海外に商品の輸出していたかどうかは定かではありませんが,今回のケースでは海外への輸出などはなかったとしました。
なお,西山ファーム事件では出資法違反の疑いで家宅捜索をされています。
出資法は正式名称を「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」といい,西山ファーム事件では保証金が預り金であるとして出資法違反であるとされたと考えられます。
出資法第2条は業として預り金を受け入れることを禁止しており,預り金とは「不特定かつ多数の者からの金銭の受け入れであって」「預金,貯金又は定期積金の受け入れ」およびそれと同様の経済的性質を有するもので,「社債,借入金その他いかなる名義をもってするかを問わない」とされています。
また,金融庁のガイドラインでは預り金とは以下の4要件に該当するものとされています。
①不特定かつ多数の者が相手であること。
②金銭の受け入れであること。
③元本の返還が約されていること。
④主として預け主の便宜のために金銭の価額を保管することを目的とするものであること。
投資スキームなどでの保証金は元本の返還が保証されている場合には預り金として出資法違反となるでしょう。
~ポンジ・スキーム~
今回のケースのようなスキームはポンジ・スキームと呼ばれるもので「出資金詐欺」とも呼ばれます。
このスキームでは出資された金銭を運用しているようにみせかけ配当を分配しますが実際には運用しておらず,負債が増え続ける仕組みになっています。
しかしながら,早期の出資者には配当が分配される場合が多く,それによって信用を得て,出資者の増加や配当を得た出資者からのさらなる出資が見込まれます。
そのため,出資された金銭の総額は膨らんでいくことになります。
しかし,出資された金銭は別の用途に費消されてしまうなどで目減りし,配当を分配する以上,必ずいつか破たんする仕組みになっています。
早期に出資した方は利益を得られる場合もありますが,後半で出資した方は配当を受けるどころか,出資金がまるまる消えてしまうということもあります。
~逮捕されたら~
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役となっています(刑法246条)。
詐欺罪は事案によっては執行猶予判決が付く場合もありますが,今回のケースは手口が悪質であり,被害人数が多く,被害額も高額となりますので実刑判決となってしまう可能性が高いでしょう。
しかし,被害者に可能な限り被害弁償,示談をすることによって裁判で有利な情状となり量刑に影響する場合もあります。
ただし,詐欺事件の場合,被害者と直接示談交渉をする,出資金を返すというのはあまり現実的ではありません。
というのも,一度詐欺の被害に遭っているのですから示談交渉などを装った詐欺ではないかと疑われる可能性があったり,被害感情が大きく直接連絡をしたくないという場合があったりするからです。
弁護士が相手であれば,被害に遭われた方にも安心して示談交渉に応じて頂ける可能性があります。
また,効果的な示談書の作成なども専門家である弁護士であれば可能ですのでまずは弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺事件を起こしてしまった場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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