他人のクレジットカードを使い逮捕

他人のクレジットカードを使い逮捕

福岡県宗像市に住むAさんは、仕事から帰宅する途中、道に財布が落ちていることに気付きました。
ラッキーだと思ったAさんは、落ちていた財布を拾って家に持ち帰りました。
そして財布に入っていた現金を遊びに使ったほか、クレジットカードを用いて現実の店舗で買い物をしたり、インターネットで電子マネーを購入したりしました。
翌月、カードの持ち主に身に覚えのない利用請求が来たことから、持ち主は福岡県宗像警察署に被害届を提出。
福岡県宗像警察署の捜査の結果、Aさんの犯行が判明し、Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

~拾った財布をネコババ…何罪?~

財布をネコババして現金やクレジットカードを使用したAさんには、多くの犯罪が成立してしまいます。
まずは財布をネコババしたことについて、遺失物横領罪が成立するでしょう。

刑法第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

落し物は持ち帰っても犯罪にならないと勘違いされている方もいらっしゃるようですが、立派な犯罪ですので注意してください。

~他人のカード使用は詐欺罪も成立~

次に、クレジットカードを現実の店舗で使った行為には、詐欺罪が成立するでしょう。

第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

クレジットカードは、利用規約等により名義人本人のみが利用することが想定されており、カードが遺失物であると知っていれば店員は商品を売らなかったでしょう。
そこでAさんが自分のカードかのように装って店員に差し出して買い物をした行為は、店員という「人を欺いて」、商品という「財物を交付させた」といえます。
したがって詐欺罪が成立することになるでしょう。

~他人のカードで電子マネー購入…電子計算機使用詐欺罪も成立~

さらに、クレジットカードを用いてインターネットで電子マネーを購入した行為については、電子計算機使用詐欺罪が成立するでしょう。

第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

「電子計算機」とは、パソコンなどのコンピュータのことを指しています。
そしてAさんは、他人名義のクレジットカードの番号を入力し、購入者氏名欄にもその他人の名前を入力して電子マネーを購入しました。
しかし前述のように、クレジットカードは名義人本人のみが利用することが想定されていますし、利用規約にもそうしたことが定められています。
そうすると、実際に電子マネーを購入したのはAさんですが、クレジットカードの名義人が電子マネーを購入したかのような情報を入力したわけです。

したがって、「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報…を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、電子マネーという「財産上不法の利益を得」たとして、電子計算機使用詐欺罪が成立することになります。

~逮捕後の刑事手続きの流れ~

逮捕後の手続きの流れとしては、逮捕・勾留により最大で23日間、警察署の留置場等に拘束された上で、刑事裁判を受けるという流れになる可能性が出てきます。
そして起訴され裁判となれば、無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としては、勾留を阻止し、あるいは保釈を実現させることにより早期に釈放されることを目指しつつ、不起訴処分や執行猶予といった軽い結果になるよう弁護活動をしていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
他人のクレジットカードを使い逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー