詐欺事件で接見等禁止処分①

詐欺事件で接見等禁止処分①

詐欺事件接見等禁止処分になったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

埼玉県上尾市に住んでいるBさんは、ある日、埼玉県上尾警察署からの連絡を受けました。
警察官が言うには、Bさんの息子である大学3年生のAさんが、詐欺事件を起こして埼玉県上尾警察署逮捕されたというのです。
Bさんは、まさか自分の息子が詐欺事件に関わって逮捕されたとは信じられず、すぐに埼玉県上尾警察署に向かいました。
埼玉県上尾警察署に到着したBさんは、Aさんが詐欺事件を起こして逮捕されたとは本当なのか、そうであればAさんに一目会って話を聞くことはできないかと警察官に尋ねましたが、「Aさんが逮捕されているのは本当ですが、今日は会えません。会えるとしても最速で明後日以降です」と言われてしまいました。
2日後、BさんはAさんに会えないかと再び埼玉県上尾警察署を訪れましたが、今度は警察官に「Aさんには接見等禁止処分が付いているので一般人の面会はできません」と言われてしまいました。
なぜAさんに会えないのかと困り果てたBさんは、刑事事件に対応している弁護士を探すと、ひとまずAさんと面会して話を聞いてきてもらうように依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)

・接見等禁止処分とは?

上記事例では、Bさんの息子Aさんが詐欺事件を起こして逮捕されてしまっているようですが、BさんはAさんに会うことができずに困っているようです。
そもそも逮捕された被疑者本人とご家族などの一般の方が会うためには、原則として被疑者本人が釈放されるか、逮捕に引き続く身体拘束である「勾留」に切り替わることが必要です。
というのも、法律上、一般の面会についての規定が「勾留」の後についてのみ定められており、逮捕中の一般面会についての定めがないのです。
そのため、被疑者とご家族が会うためには、被疑者本人が釈放されて外に自由に出られるようになるか、一般面会が可能となる「勾留」期間となるかが必要になるのです。

「勾留」となるかどうかは、逮捕されてから72時間以内に決まります。
逮捕された被疑者は、逮捕後48時間以内に検察へ送られます(これがいわゆる「送検」です。)。
そして、送検から24時間以内に検察官が被疑者を勾留すべきかどうか判断し、裁判所に勾留請求するかどうかが決まります。
その後、検察官から勾留請求されれば、それを認めるかどうか裁判所が判断するのです。
上記事例で逮捕直後に埼玉県上尾警察署を訪れたBさんが、警察官から「Aさんに面会できるとしても最速で明後日以降」と言われているのは、この逮捕後72時間以内に「勾留」されるかどうか決まるということからでしょう。
なお、勾留は延長を含めると最大20日間に及びます。

では、被疑者が釈放されなかった場合、この勾留がつけば家族の方が必ず面会できるようになるかというと、そうではないことに注意が必要です。
今回のBさんが警察官から言われた通り、「接見等禁止処分」が付いていれば、勾留期間であっても面会することはできないのです。

接見等禁止処分」とは、文字通り、接見(面会)等を禁止する処分のことです。
接見等禁止処分が付けば、一般の方との接見だけでなく、手紙の差入れもすることはできなくなります。

・接見等禁止処分はなぜ付けられる?

接見等禁止処分は、全ての刑事事件に自動的に付くわけではありません。
刑事訴訟法では、以下のように定められています。

刑事訴訟法第81条
裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。
但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。

刑事訴訟法第81条では「被告人と」となっていますが、これは被疑者段階の勾留についても準用されています。
つまり、逃亡や罪証隠滅のおそれがあると判断されれば、刑事訴訟法のこの条文に基づいて接見等禁止処分が付けられるということになるのです。

今回のAさんが起こしてしまったらしい詐欺事件では、このうち罪証隠滅(=証拠隠滅)のおそれが大きいと考えられやすく、そのために接見等禁止処分が付いてしまうことが少なくありません。
特に、振り込め詐欺などの特殊詐欺事件では、複数人で組織的に詐欺行為をはたらいている場合も多いです。
こうした場合、一般面会に詐欺事件の共犯者がやってきて、口裏合わせによって証言を変更したり証拠を隠滅してしまったりというおそれが考えられることから、接見等禁止処分が付くことも珍しくありません。

逮捕されてしまった人に面会に行くことはスムーズにできることであるというイメージがあるかもしれませんが、実はこういった接見等禁止処分などによってそう簡単にはいかないこともあります。
なぜどういった処分がなされているのか、刑事事件の知識や経験がなければ判断することも難しいでしょう。
だからこそ、詐欺事件接見等禁止処分に困ったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
刑事事件専門の弁護士が、接見等禁止処分がどういったものなのか、どうしてついてしまったのか、対応をどのようにすればよいのか、丁寧に疑問と不安にお答えします。
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