コピー商品を売って詐欺罪に

コピー商品を売って詐欺罪に

コピー商品を売って詐欺罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、Xというブランドのコピー商品を作成すると、コピー商品であるにもかかわらず「Xの正規品です。」と謳ってインターネットオークションに出品し、千葉県習志野市に住んでいるVさんに販売しました。
料金を支払ってAさんから商品を受け取ったVさんでしたが、後日細部が気になり鑑定してもらったところ、コピー商品であることが発覚。
Vさんが千葉県習志野警察署に被害を届け出たことから捜査が開始され、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは警察官から「詐欺罪だけでなく商標法違反などでも捜査するかもしれない」といった話を聞き、不安に思っています。
(※この事例はフィクションです。)

・コピー商品を売って詐欺罪に

特殊詐欺事件が注目されがちな昨今ですが、インターネットオークションやフリマアプリ、SNSなどを通じてコピー商品の販売による詐欺事件が起きることも少なくありません。
今回のAさんは、Xというブランドのコピー商品を正規品と偽ってVさんに販売してしまったようです。
こうした行為は詐欺罪に当たる可能性があります。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪が成立するには、人がお金などの財物を相手に渡すかどうか決める際に重要な事実を偽り、相手を騙した上で財物を渡させる=「人を欺いて財物を交付させ」ることが必要とされています。
今回のAさんはコピー商品をXの正規品と偽ってVさんを騙していますが、VさんがもしもAさんの販売している商品がコピー商品であると知っていれば購入しなかった=料金という財物を渡さなかったと考えられますから、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられるのです。

なお、例えばAさんの作成したコピー商品の精度が悪いなどして、実はVさんがコピー商品であることを承知しながら購入していたような場合には、Aさんには詐欺未遂罪が成立するにとどまります。
なぜなら、詐欺罪は相手が騙されたことに基づいて財物を交付することで成立する犯罪であるため、相手が騙されていなかった(財物交付前に騙されていることに気づきながらあえて財物を渡した)ような場合には成立しないためです。

今回のAさんのようにインターネットオークションでコピー商品を出品していたようなケースでは余罪があることも多いため、被害者対応などを含め弁護士に動いてもらうことが望ましいでしょう。

・詐欺罪以外の犯罪も?

今回の事例のAさんの逮捕容疑は詐欺罪ですが、こうした事例では詐欺罪以外にも犯罪が成立する可能性があることにも注意が必要です。
それが商標法違反という犯罪です。

商標法は、「商標」を保護するための法律です。
「商標」を簡単に説明すると、例えば企業やブランドの名前やロゴなど、その企業やブランドの商品・サービスであると表すものを指します。
この商標が企業やブランドの許可なく濫用されることになれば、本当にその企業・ブランドの商品やサービスなのか判別しにくくなってしまい、その企業・ブランドだからと商品やサービスを利用する人の信用を裏切ることになってしまうため、商標法では商標の保護を定めているのです。
商標法では、商標権の侵害をすることは商標法違反として処罰されることになります。

商標法第78条
商標権又は専用使用権を侵害した者(第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

商標法第78条でいうような商標権の侵害とは、登録されている商標や類似している商標を勝手に商品につけてしまうような行為を指します。
ブランドのコピー商品を勝手に作成して販売するケースは、こういった商標権の侵害による商標法違反の典型例と言えるでしょう。
今回のAさんの場合、Xを被害者とする商標法違反という犯罪が詐欺罪の他に成立する可能性があるのです。

現在Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されていますが、余罪がある場合には余罪の詐欺罪で再逮捕・捜査される可能性もありますし、警察官の言うように商標法違反という全く別の犯罪で再逮捕・捜査される可能性もあります。
身体拘束の長期化被害者の増加も考えられますから、専門家である弁護士の力を借りることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした複数の犯罪が絡む詐欺事件にも対応しています。
まずはお気軽にご連絡ください(お問い合わせ:0120ー631ー881)。

 

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