家族でも面会(接見)できない?

家族でも面会(接見)できない?

家族でも面会(接見)できないケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるBさんは、夫のAさんと子供のCさんと3人で暮らす専業主婦です。
ある日、Bさんのもとに京都府伏見警察署から連絡があり、Aさんが詐欺事件の被疑者として逮捕されたと伝えられました。
Bさんは予想外のことに驚き、Aさんに会ってどういった状況か聞こうと京都府伏見警察署に行きましたが、警察官からAさんには会えない旨を伝えられてしまいました。
その後、Bさんは数日経過してから何度か京都府伏見警察署面会へ訪れましたが、Aさんと会うことは出来ませんでした。
そこでBさんは、現在の状況と今後の対応をどのようにするべきか知るために、京都市詐欺事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・面会できない~逮捕直後の場合

ご家族が逮捕されてしまったら、すぐにでも逮捕された本人と会って事情を聴きたいと思う方も多いでしょう。
しかし、逮捕された直後というタイミングでは、原則としてご家族であっても逮捕された本人と面会することができないとされているのです。

というのも、逮捕中のご家族等の一般の方の面会、いわゆる一般面会については、刑事訴訟法に規定がないのです。
刑事訴訟法に規定があるのは、逮捕からさらに引き続く長期の身体拘束=「勾留」に切り替わってからの一般面会です。

刑事訴訟法第80条
勾留されている被告人は、第39条第1項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
勾引状により刑事施設に留置されている被告人も、同様である。

この刑事訴訟法第80条は被告人、すなわち起訴後の勾留について定めたものですが、刑事訴訟法第207条第1項で、起訴前勾留=被疑者段階の勾留でも刑事訴訟法第60条以下の規定を準用するよう定められていることから、起訴前勾留でもこの刑事訴訟法第80条の規定が適用されると考えられています。
そのため、逮捕後勾留に切り替われば、ご家族等の一般の方が面会することはできるということになるのです。

対して、先ほど触れたように、逮捕中の被疑者に対する面会については刑事訴訟法内に明確な規定はありません。
規定がないからといって絶対にできないということではなく、稀に捜査機関が気を遣ってくれて逮捕中でも面会させてくれるというケースがあるようです。
しかし、原則としては逮捕中の一般面会は不可能とされているため、今回の事例のBさんのように、ご家族の逮捕の知らせを聞いてすぐに警察署に行っても面会できないというケースが圧倒的に多いです。

・面会できない~勾留後の場合

前述したように、基本的には逮捕から勾留に切り替わった段階で、ご家族等の一般の方が面会できるようになります。
逮捕は最大72時間と決まっているため、最大でも逮捕から3日経って釈放されなければ勾留されていると考えることができます。
すなわち、逮捕から最大3日経てば、ご家族が面会できるようになるはずです。
しかし、今回のBさんは、逮捕後しばらくして警察署に行っても面会できなかったようです。
こうしたことはありえるのでしょうか。

実は、刑事訴訟法では、勾留後の面会について以下のような規定があります。

刑事訴訟法第81条
裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。
但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。

この規定にある処分は、「接見等禁止処分」と呼ばれる処分で、勾留されている人の一般面会や手紙のやり取りを禁ずる処分です。
この処分がついてしまうと、通常はご家族等の一般面会が許されるはずの勾留後であっても面会をすることはできなくなります。
今回のAさんは詐欺罪の容疑で逮捕されているようですが、例えば複数人で犯行をしていた特殊詐欺事件などでは、口裏合わせ等を防ぐためにこの「接見等禁止処分」が付されることも少なくありません。

・面会できない時は弁護士に相談を

これまで逮捕直後と勾留後に分けて面会できないケースを取り上げてきましたが、このどちらの場合であっても、弁護士であれば逮捕・勾留された人と面会することが可能です。
弁護士には「接見交通権」という権利が認められており、被疑者・被告人と自由に面会(接見)できることが保障されているためです。
ですから、ご家族と面会できず、なぜ逮捕されたのか、今後どのように対応していくかといったことが分からずにお困りの場合は、事件について相談することも兼ねて、一度弁護士に面会(接見)を依頼してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕・勾留された方に弁護士が会いに行く初回接見サービスも受け付けています。
まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。

 

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