助成金の不正受給で逮捕

助成金の不正受給で逮捕

京都市左京区で保育園を運営する会社の代表を務めるAさんは、園児数を水増しして申請するなどして、自治体から不正に助成金を受け取っていました。
この不正受給が発覚し、Aさんは詐欺罪の疑いで京都府川端警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実を基にしたフィクションです)

~助成金の不正受給~

不正受給」と呼ばれるものにもさまざまな種類があります。
生活保護の不正受給などがイメージしやすいかもしれませんが、他にも保育園や障害者施設などを運営する会社や団体が、園児・入所者数や職員数を水増しして申請するなどし、助成金の不正受給をしてしまう例もあります。

このような不正受給をした場合、詐欺罪に問われることになります。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

助成金を支給する自治体等に対し、実際にはそうではないのに職員などの数が申請通りの数であると「欺いて」、助成金という「財物を交付させた」として、Aさんの行為には詐欺罪が成立することになります。

なお、単なる申請書類の記載ミスにより助成金を多く受け取ってしまった場合には、故意がないので詐欺罪は成立しません。

刑法第38条
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

一方、不正受給するつもりで虚偽の内容の申請をしたが、受給する前に発覚し、受給できなかった場合には、詐欺未遂罪が成立する可能性があります。

刑法第250条
この章の罪の未遂は、罰する。
※「この章の罪」には、詐欺罪も含まれます。

~不正受給の詐欺事件、今後の手続きは?~

逮捕され、警察署の留置場に拘束されたAさん。
まずは最大で3日間、身体拘束をされたまま警察官や検察官から取調べ等の捜査を受けます。
そしてAさんに逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして検察官が勾留請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに最大10日間延長されることもあります。

その後、勾留期間最終日までに、検察官がAさんの処分を決めます。
犯罪を立証できない場合や、軽微な事件では不起訴処分とすることもあります。
不起訴処分になれば、釈放され、前科も付かずに手続が終了します。
一方、検察官がAさんを刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。

そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、軽微な事件では検察官が勾留請求をしなかったり、裁判官が勾留許可をしない場合があります。
また、起訴された後は、保釈金を納付して釈放してもらえることもあります(保釈)。
このように勾留がされず、あるいは保釈が認められた場合、それ以降は自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになるでしょう。

弁護士としては、Aさんが早期に釈放されるように弁護活動をしつつ、事件ごとに検察官の不起訴処分や、略式罰金での事件の終息、裁判での執行猶予を狙うなどの弁護活動をすることになります。

~早期に弁護士へご相談を~

このように、身体拘束を伴う場合の刑事手続には、有罪と決まったわけではない被疑者が、長期の身体拘束がされないように期間制限が設けられています。
しかし逆に言うと、次々と手続きが進んでいくことから、出来る限り早く弁護活動をしないと、勾留や起訴を防ぐ機会を逃してしまう可能性もあります。

そこで出来る限り早く、弁護士に相談いただきたいと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺い、成立する犯罪や、今後の手続の流れをご説明したり、取調べを受ける際のアドバイスなどを致します。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

詐欺罪などで逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

 

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