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神奈川県小田原市で詐欺・詐欺未遂事件

2019-11-19

神奈川県小田原市で詐欺・詐欺未遂事件

神奈川県小田原市詐欺詐欺未遂事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは神奈川県小田原市に住むVさん宅に浄水器販売の営業に訪れました。
この浄水器は5千円ほどで市販されているものでしたが,Aさんはこれを5万円でVさんに販売しました。
1ヶ月後,本来は必要ないにもかかわらず浄水器のメンテナンスのためと称してさらに8千円の手数料を請求しましたが,浄水器が5千円で市販されているもので5万円の価値がないことを調べていたVさんの娘により通報され,駆けつけた神奈川県小田原警察署の警察官によりAさんは詐欺罪詐欺未遂罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)

【詐欺罪】

詐欺罪は刑法第246条に規定があります。

刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。

第1項にある「財物」には有体物と電気が含まれます。
有体物とは固体・液体・気体のいずれかの形をとるものを指します。
ただし,人の身体の一部は,その人から分離されない限り財物には当たりません。

さらに同条第2項では,「財産上不法の利益」を自身や第三者が得た場合でも詐欺罪が成立すると定められています。
財産上の利益とは,人の財産の中で財物(=有体物・電気)を除くすべてをいいます。
例えば,債権を得ること,債務の履行を免れること,情報を得ること,役務・サービスを受けることなどが財産上の利益を得ることに当たります。

Aさんの場合,本来5千円ほどで購入できる浄水器を5万円であるとして購入させています。
詐欺罪の要件となる欺く行為(欺罔行為)があったというためには,欺かれる人(被欺罔者)が財物の交付などの財産を処分する動機となる事項に関し錯誤(勘違い)を生じさせ得る行為がなければなりません。
Aさんが販売した浄水器が本来5千円ほどで購入できることをVさんが知っていれば購入しなかったであろうといえるならば,Aさんによる欺罔行為があったといえるでしょう。
それにだまされたVさんが浄水器を購入しているのであれば,Aさんには詐欺罪が成立することになりそうです。

しかし,AさんがVさんにどのような説明をしたのかなどは事件の概要からは明らかではなく,Aさんが5万円という金額についてVさんに話した内容しだいでは欺罔行為の存在を否定できるかもしれません。
弁護士に相談し,どういった見通しになるのか聞いてみることが望ましいでしょう。

【詐欺未遂罪】

今回のケースのAさんは,後日8千円の支払いを請求しています。
刑法第250条によって詐欺罪は未遂も可罰的とされていますので,この要求行為に及んだことについて詐欺罪の実行の着手が認められたならば,この行為も詐欺未遂として罪に問われます。

各種の犯罪について,どのような場合に実行の着手が認められるかどうかの基準が明示されているわけではありませんが,過去の判例を参照すると,裁判所は

①犯罪結果を引き起こす行為(結果惹起行為)を確実・容易に行うために当該行為が必要不可欠であること。
②犯行計画遂行上の障害がそれ以降ないこと。
③結果惹起行為と時間的・場所的に近接していること。

以上の3つを考慮し,密接性と客観的危険性が認められる場合に実行の着手があったと判断しているものと考えられます。

①について,浄水器のメンテナンス手数料と称して8千円を請求する行為は,これによってAさんから8千円を騙し取るために必要な行為であったと考えられます。
②について,請求行為を終えた時点であとはVさんから8千円を受け取るだけになっているので計画遂行上の障害は無いものと考えることができそうです。
③については,手数料についてその場で支払うことを請求していますので,時間的にも場所的にも結果(8千円を受け取ること)と近接しています。

よってAさんが手数料を請求した行為について詐欺罪の実行の着手があったと認められ,詐欺未遂罪にも問われる可能性は高いと考えられます。

【詐欺・詐欺未遂事件の弁護活動】

未遂であるか既遂であるかを問わず,詐欺罪の被疑者となってしまった場合,逃亡や犯罪の証拠の隠滅のおそれがあるとして逮捕されるケースが多いです。
身体拘束されていると,会社に行くことはおろか家族と会うことも容易ではありません。

ですから,事件の依頼を受けた弁護士は,被疑者が逮捕・勾留されている場合は拘束状態からの早期の解放のために活動を始めることになるでしょう。
具体的には,身元引受人を確保し逃亡のおそれのないことを示したり,ご家族と協力して証拠隠滅のできない環境を作ったりすることが考えられます。

加えて,被害者との示談交渉も並行して行うことが考えられます。
示談締結により,先述した身柄解放活動の際にも有利な事情とすることができますし,最終的な処分を決める際にも被疑者・被告人にとって有利な事情とすることができます。

詐欺罪詐欺未遂罪の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が神奈川県小田原警察署に逮捕されてしまってお困りの方は,お早めに,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

詐欺罪で逮捕・無罪主張

2019-11-15

詐欺罪で逮捕・無罪主張

詐欺罪での逮捕および無罪主張について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

Aは,東京都あきる野市の地方公共団体から建設工事を請け負ったが,工事費用請求のための書類に虚偽の内容を記載をし,これに基づいて工事費用の支払いを受けた。
その後,Aの書類に虚偽の内容があることが発覚し,警視庁五日市警察署に被害深刻がなされた。
捜査を行った警視庁五日市警察署の警察官は,Aを詐欺罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~詐欺罪の成立要件について~

本件では,Aは詐欺罪によって逮捕(刑事訴訟法199条1項)されてしまっています。
この点,刑法は,246条1項において「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と,金銭のような財物を詐取する行為などを詐欺罪として処罰する旨を定めています。
上記の条文の文言上は「人を欺いて財物を交付させた」としか書かれていませんが,一般に詐欺罪の成立には,欺もう行為(「人を欺」く行為)→錯誤→交付行為→財物の移転という各要件および矢印で表したような各要件の連関が必要であると解されています。

そして,近年における判例では,欺もう行為(「人を欺」く行為)に該当するか否かは,交付の判断の基礎となるような重要な事項を偽ったかどうかによって判断されるものと考えられています。
本件では,被害者である地方公共団体の職員においては,真正な書類に基づいて適切に費用の支払い事務を行うことが,工事費用の交付の基礎となる重要事項であると考えられ,Aの行為は欺もう行為(「人を欺」く行為)に該当すると判断されたことから,他の要件およびその連関も認められ,詐欺罪による逮捕に至ったものと考えられます。

~詐欺罪における無罪主張~

しかし,詐欺罪における判例(最判平成13年7月19日およびその差戻審参照)には,本件と似た地方公共団体からの工事を請け負ったケースにおいて,真正な書類と虚偽の書類とを提出した場合で,相手方が支払う請負代金額が変わることはないケースであったことなどを考慮し,詐欺罪の成立を否定したものが存在します。
これは,そもそも財産的損害がない(あるいは極めて軽微な)場合には,重要な事項を偽ったものとは評価できず,欺もう行為(「人を欺」く行為)該当性を否定した判例として読むことが可能です。
そして,欺もう行為(「人を欺」く行為)の存在が認められない場合には,詐欺未遂罪すら成立しないことになります。
したがって,刑事弁護の依頼を受けた弁護士としては,本件が上記判例のように不当な金額を受け取ったわけではなく,あくまで支払い時期をわずかに早めたにすぎないケースであること等から,詐欺罪が成立しないという可能性を十分に精査する必要があると考えられます。

このような判例や刑事事件に関する専門知識を依頼者側が有していることは通常では考えられないことから,弁護士としては,被疑者の捜査官による取調べに対する認否等に関しても適切なアドバイスを与えることが重要になってきます。
そのためには,逮捕されてしまった被疑者との接見を重ね,また関係者等から詳しい事情を聞くなど事実関係を詳細に洗い出す弁護活動が必要となってくるでしょう。
なお,Aの行為に関する補足として,Aが内容虚偽の文書を作成したにとどまる場合(作成名義人等を偽っていない場合)には,文書偽造罪は原則として成立しないということに注意が必要です。

特に無罪の可能性がある事件においては,黙秘権の行使等を含め,上述のような捜査官の取調べに対する対応について,専門知識を有する弁護士との協議が必要不可欠です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,詐欺事件を含めた刑事事件のみを多数取り扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺事件逮捕された方のご家族は,まずは弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
逮捕された方への弁護士による初回接見サービスなど,刑事事件において重要な迅速性を備えた弁護活動を行ってまいります。

詐欺事件の種類

2019-11-11

詐欺事件の種類

詐欺事件の種類について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース①~
Aさんは東京都足立区にある高齢者の家に電話をかけ,現金を指定口座に振り込ませたり指定場所に現金を持ってこさせるいわゆる「振り込め詐欺」を行った。
そして捜査の結果,Aさんは警視庁西新井警察署詐欺罪の容疑で逮捕された。

~ケース②~
Bさんは,特に中身のない情報商材を「これを読めば誰も必ず儲かる投資の裏技!」と称して3万円で販売した。
投資に興味を持っていた東京都足立区に住むVさんはBさんから上記商材を購入した。

~ケース③~
暴力団の元構成員であったCさんは東京都足立区のゴルフ場Xにおいて,友人であるCさんとともにゴルフを楽しんだ。
Xの利用約款には現在のみならず過去に一度でも暴力団に所属したことがある者の施設の利用を禁止する旨が約款に明記されていた。
(上記事例は①~③全てフィクションです)

~詐欺罪~

詐欺罪は刑法246条に以下の様に規定されています。

刑法246条
1.人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

通常,詐欺事件と言うとほとんどの場合は刑法246条1項が適用されます。
刑法246条2項が適用される場合は,現金や物を交付させるのではなく,相手に債務を負わせたり自らの債務を免れた場合です。
また,詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役のみですので略式手続き(罰金を納めて事件終了とする手続き)を採ることはできず,起訴された場合には刑事裁判を受けることになります。
詐欺罪には未遂の処罰規定があるので,未遂であっても罰せられます(刑法250条)。

詐欺罪の具体的な構成要件は以下のようになります

1.相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為,欺罔行為又は詐欺行為をすること
2.相手方が錯誤に陥ること
3.錯誤に陥った相手が,その意思に基づいて財物ないし財産上の利益の処分をすること
4.財物の占有または財産上の利益が行為者もしくは第三者に移転すること

これらに加え,上記1~4の間に因果関係が認められ,行為者に行為時においてその故意及び不法領得の意思があったと認められることによって,詐欺罪が成立することとなります。

~刑法246条1項の詐欺~

以下では,刑法246条1項の詐欺罪に該当する代表的な詐欺を事例とともに見ていきましょう。

◇振り込め詐欺◇
振り込め詐欺のような特殊詐欺は,高齢者等の被害者に対し,家族であったりその友人であると嘘をつき,何らかの事情により金銭が必要になったと伝え,金銭を騙しとる手法です。
したがって,家族である事や金銭が必要になったという嘘をついているので欺罔行為があるといえるでしょう。
相手はそれを信じてしまうので錯誤に陥っているといえます。
そして相手は家族や友人を救うために自己の意思で現金を手渡したり振込んだりしています。
結果として金銭が行為者や第三者(受け子)に占有が移転します。
これらの間には因果関係が認められますので当然,詐欺罪となります。
今回の「ケース①」がこの振り込め詐欺にあたります。

◇情報商材◇
情報商材を売る行為そのものは何ら違法性はありません。
しかし,情報商材の中身によっては詐欺罪に問われてしまう可能性があります。
今回の「ケース②」のように明らかに情報商材の中身がないにもかかわらず,宣伝文句を用いて販売した場合にはそれが欺罔行為となり,相手はちゃんとした商材であると錯誤に陥り,それによって代金を支払います。
そしてこれらの間には因果関係が認められますので詐欺罪が成立するでしょう。

~刑法246条2項の詐欺~

刑法246条2項の詐欺は事件となることはあまり多くありませんが,典型例としては相手を騙して何らかのサービスを受ける,施設等を利用するというケースが挙げられます。
有名な事件としては,ケース③のように暴力団が身分を隠してゴルフ場を利用した事件があります。
過去の判例は「暴力団でないと偽った場合」には2項詐欺の成立を認めましたが,「暴力団であることを隠していた場合」には詐欺罪は成立せず無罪としました。
この2つの違いは,「暴力団でないと偽る」という積極的な欺罔行為があったかどうかによると考えられます。
ただし,事件の細かな状況によってどういった行為が欺罔行為とされるのかは異なりますから,まずは弁護士に相談してみましょう。

~詐欺事件の弁護活動~

詐欺罪には罰金刑の規定がないので,起訴された場合には刑事裁判を受けることになります。
執行猶予がつくこともありますが,件数や被害額,手口によってはいきなり実刑判決となることもあります。
特に,振り込め詐欺などの特殊詐欺は関わり度合いによっては執行猶予が付かない事も多くなっています。
無罪であれば別ですが,詐欺罪は起訴されてしまうと少なくとも執行猶予がついてしまいます。

そのため,弁護活動としてはまずは起訴されないように活動することが考えられます。
詐欺事件の場合,もちろん件数や被害額にもよりますが,被害者と示談をし,宥恕がもらえれば不起訴となる可能性は高くなります。

ただし,詐欺事件では示談を自身で行うのは困難です。
被害者の方は一度詐欺の被害に遭っているわけですから,示談など話合いに簡単には応じてもらえないのが通常です。
弁護士相手であれば被害者の方も示談など話会いに応じてもらえる可能性があります。
詐欺事件を起こしてしまったらまずは弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
フリーダイアル0120-631-881にて無料法律相談,初回接見サービスのご予約を365日24時間受け付けています。

還付金等詐欺と保釈

2019-11-07

還付金等詐欺と保釈

還付金詐欺と保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは福岡市中央区の区役所職員を装い、福岡市中央区に住むVさん(70歳)に電話をかけ、「私は福岡市中央区役所年金課のXと申します。」「こちらの事務処理の手違いより、ここ数年間、年金が一部未払いとなっていますので受け取る手続きをしてください。」と言いました。
これに対しVさんは「これまで予定通り受け取ったはずだが、区役所職員がそういわれるなら本当なのかもしれない」と思い、Aさんに「分かりました。どうすれば受け取ることができますか?」と言いました。
そこで、Aさんは、「還付期限が今日までで、急いでいますのでATMで操作してください。」「キャッシュカードを持って行ってください。」「すぐにお金を振り込みます。」と言いました。
そして、AさんはVさんから「ATMに着いた。」との連絡を受けると、Vさんに「個人情報を入力し、最後に50万円と金額を指定してください。」と言い、口座に50万円を振り込ませました。
ところが、後日、Aさんは福岡県中央警察署電子計算機使用詐欺罪で逮捕されました。
その後、Aさんは同罪で起訴されたため、弁護士保釈請求をしました。
(フィクションです。)

~ 還付金等詐欺とは ~

還付金等詐欺とは、市区町村の職員等を装い、医療費の還付等に必要な手続を装って現金自動預払機(ATM)を操作させて口座間送金により振り込ませる詐欺手口の一種です。
還付金等詐欺は、被害者にお金を受け取れるように見せかけて、実は知らぬ間にお金を振り込ませていることが特徴です。

~ 電子計算機使用詐欺罪とは ~

電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)は、詐欺罪(刑法246条)の次に規定されています。

刑法246条
1 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪(刑法246条)は、「人を欺いた場合」に適用される犯罪ですが、事例のように欺く対象が「人以外(コンピューターなどの電子機器など)」の場合は詐欺罪を適用することができません。

そこで、そのようなこの不都合を解消するために作られたのが電子計算機使用詐欺罪です。

つまり、電子計算機使用詐欺罪は人以外の機会等を欺いた(機械等に誤作動を生じさせた)場合に問われる罪です。

~ 保釈 ~

保釈とは、被告人(裁判にかけられた人)に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。
「被告人」とは起訴され、刑事裁判にかけられた人をいいますから、あくまで保釈請求は「起訴後」しかすることができません。

ただし、起訴後は、長期間の身柄拘束が予定されていますから、一日でもはやい釈放を望まれるのであれば保釈も検討すべきでしょう。
保釈によってご本人の肉体的・精神的負担の軽減につながります。

また、早期釈放によってご家族等が安心されますし、裁判に向けて充分は打ち合わせるすることが可能となります。
他方で、多額の保釈保証金を納付しなければならないこと、保釈条件を付けられること、条件を破ると保釈保証金を没収され収容されるなどのデメリットもあります。

保釈請求をご検討中の方は弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見サービス、無料法律相談の予約を受け付けております。

譲渡目的の口座開設の詐欺罪により逮捕

2019-11-03

譲渡目的の口座開設の詐欺罪により逮捕

譲渡目的の口座開設に対する詐欺罪の成否について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例
Aは,京都市上京区にある銀行窓口において,第三者に譲渡する目的を秘し,A名義(自己名義)の預金口座を開設し,同口座の預金通帳を取得した。
その後,Aが口座を譲渡した相手が詐欺事件を起こし,京都府上京警察署に逮捕されたが,捜査の過程で,Aが口座譲渡の目的で口座を開設し,譲渡していたことが判明した。
その結果,京都府上京警察署の警察官は,Aを詐欺罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)

~口座開設による預金通帳の詐取~

本件Aは,詐欺罪の容疑で逮捕(刑事訴訟法199条1項本文)されてしまっています。
刑法は,246条で詐欺罪について定めており,その1項において「人を欺いて財物を交付させた者」を,詐欺罪として処罰する旨を規定しています(「財物」を対象とする詐欺罪は,1項詐欺などと呼ばれます)。

まず本件では,そもそも本件で取得したような通帳それ自体には何ら価値がないとも考えられることから,上記1項詐欺罪の対象となる「財物」といえるのかが問題になります。
この点,通説的には,通帳も預金等の預け入れや引き出しなどの銀行によるサービスを受けられるという点で,財産的価値を有することから,1項詐欺罪の客体としての「財物」に該当すると考えられています。

そして,「人を欺」く行為といえるためには,判例上,交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることが必要となります。
現在では,口座の不正利用や犯罪に利用されることを防ぐ目的から,銀行の窓口レベルで本人確認が徹底されており,本人自身が口座を開設したとしても真の目的である第三者への譲渡を秘したことは,この本人確認を無にする行為であり,重要事項を偽ったものといえると考えられます。
したがって,このような「人を欺」く行為によって,窓口係を錯誤に陥れ,口座を開設した上で預金通用の交付を受けたことは,1項詐欺罪の要件を満たし得るものといえます。

なお,預金通帳の譲渡等は「犯罪収益移転防止法」で処罰すれば足りるとの見解もありますが,実務上はあくまで譲渡前の通帳の詐取行為に詐欺罪が成立するとしています。
したがって,譲渡行為まで行っていると詐欺罪に加え,「犯罪収益移転防止法」(俗に犯収法)違反に問われうることにも注意が必要です。
また,私文書偽造および同行使罪(刑法159条1項,161条1項)も成立する可能性があります。

~詐欺罪における弁護士による弁護活動~

まず,起訴前の弁護活動として,詐欺罪も財産犯であることから,被害者への被害弁償・示談による被害の回復が考慮に値することになります。
しかし,本件のように被害者が単なる一個人というよりは実質的には銀行である場合,公益的な観点からも相手方が示談に応じることは難しいとも考えられます。
したがって,被疑者には起訴されるリスクも伝えた上で,起訴後の弁護活動の方針を十分に協議していく必要があります。
こういった起訴後の弁護活動を十全なものとするためにも,逮捕後の勾留(刑事訴訟法207条1項本文・60条1項)を争ったり,あるいは起訴されてしまった場合にも早期に保釈(刑事訴訟法89条等)の請求していくことが考えられます。
そのため,このような被疑者・被告人の身柄解放活動が,弁護士に対し求められる弁護活動として大きな比重を有するといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
弊所では詐欺罪を含め刑事事件のみを扱う弁護士が,依頼者様の不利益を最小限にすべく日々の弁護活動を行っております。
詐欺事件でご家族等が逮捕されてしまった方は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで,まずはご相談ください。

他人のクレジットカードを使用し逮捕

2019-10-30

他人のクレジットカードを使用し逮捕

他人のクレジットカード使用逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、兵庫県加古川市内の道端に遺失されていた財布を、忘れ物だからもっていってもいいだろうと思って拾い、中を見たところ、現金2000円とクレジットカードが1枚入っていました。
Aさんは現金とクレジットカードを抜き取り、さらに、クレジットカードを使って、コンビニで買い物をしてしまいました。
後日、Aさんの自宅に逮捕状を携えた兵庫県加古川警察署の警察官が現れ、Aさんは詐欺罪及び占有離脱物横領罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは兵庫県加古川警察署に引致され、取調べを受ける予定です。
(フィクションです)

~落とし物の財布の中身を使用したら何罪?~

今回のAさんの逮捕容疑となっているのは詐欺罪と占有離脱物横領罪です。

(詐欺罪)
詐欺罪とは、人を欺いて財物を交付させる犯罪です(刑法第246条1項)。
他人を欺いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる場合も同様に詐欺罪となります(刑法第246条2項)。
裁判で詐欺罪の有罪が確定すると、10年以下の懲役に処せられます(刑法第246条)。

今回のケースの場合は、他人のクレジットカードを使ってコンビニで買い物をしたことが、詐欺罪を構成する行為と考えられます。
判例によれば、使用許諾のない場合には、他人のクレジットカードを使用すること自体が欺罔行為(騙す行為)であるとされています。
したがって、他人から盗んだカードや、ケースのように落ちていた財布から抜き取ったカードを用い、名義人であるかのように装って使用する場合は、加盟店(ケースの場合はコンビニがこれにあたります)に対する詐欺罪が成立する、ということになります。

詐欺罪は、法定刑に有期懲役しか予定されておらず、有罪判決を受ける場合に執行猶予がつかないと、実刑判決となってしまいます。
詐欺罪で起訴されてしまった場合は、執行猶予付き判決の獲得を目指すことが重要です。

(占有離脱物横領罪)
占有離脱物横領罪とは、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領する犯罪です(刑法第254条)。
横領とは、不法領得の意思を以て占有離脱物を自己の事実上の支配内に置くことです。
法定刑は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料となっております。
ケースの場合は、道端に遺失されていた財布やその中身の現金、クレジットカードを自分の物にしようと思って拾ったので、この行為が、占有離脱物横領罪を構成すると思われます。

~逮捕後の刑事手続き~

兵庫県加古川警察署に引致され、犯罪事実の要旨、弁護人選任権があることを伝えられ、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。

留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めます。

勾留の請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されることになり、さらにやむを得ない事由があると認められるときは、最長10日間、勾留が延長されます。
Aさんが勾留されている場合は、勾留の満期日までに、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするか、釈放するかを決定します。

~早期の身柄解放を実現する~

上記の通り、捜査段階で最長23日間もの間身体拘束を受けると、Aさんの社会生活(職場や学校)に多大な悪影響を与えます。
したがって、より早く釈放してもらい、元の生活に戻ることが重要です。
身柄解放活動として、
①勾留を阻止する活動
②勾留された場合には、勾留の取消等を目指す
③起訴された場合は、保釈の実現
などがあります。
いずれも、弁護士が留置場や拘置所の外で積極的に活動することが重要です。

また、被害者と示談することも重要です。
もし、ケースの事件について被害者が明らかになれば、示談交渉をすることができます。
早期に示談が成立すれば、当事者間で事件が解決したものと判断され、釈放される可能性が高まります。
さらに、終局処分を考えるうえで有利な事情として考慮されることになるでしょう。

まずは、接見にやってきた弁護士から、①今後の見通し、②身柄解放活動、③示談交渉についてアドバイスを受け、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの事件についてもご相談いただけます。
ご家族が詐欺事件や占有離脱物横領事件といった刑事事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

タクシーで無賃乗車をし逮捕

2019-10-26

タクシーで無賃乗車をし逮捕

今回は、タクシーで無賃乗車をした場合に成立する罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、現金やカード、預金もないのに、タクシーに乗りました。
遠距離の乗車区間だったので、Aさんは運転手に対し、「到着後コンビニで金を降ろそうと思う」と告げました。
そしてAさんは、大阪市生野区の目的地付近で降車する際に、運賃として3万5千円を請求されました。
Aさんが「金はない」というと、運転手は「じゃあそこのコンビニでおろしてくださいよ」と言いましたが、Aさんは「預金はないし、そもそもカードもないよ」と言いました。
運転手から「預金もカードも無いのなら、警察を呼ぶしかない」と告げられたので、「好きにしろ」と言いました。
運転手の通報を受け駆け付けた大阪府生野警察署の警察官は、Aさんを詐欺罪の疑いで現行犯逮捕しました。(フィクションです)

~タクシーで無賃乗車をするとどのような罪が成立するか?~

今回のAさんのようなタクシーの無賃乗車では、いわゆる2項詐欺罪(刑法246条2項で定められている詐欺罪)が成立する可能性が高いと思われます。
刑法第246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」としており、さらに同条2項は、「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」としています。
したがって、人を欺いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に、2項詐欺罪が成立することになります。
法定刑も1項に定められている詐欺罪と同じく、10年以下の懲役です。

「財産上不法の利益」とは、財物以外の財産上の利益を意味し、典型例として、「債権」や「労務の提供」、「債務の免除」があります。

「人を欺いて財産上の利益を得、又は他人にこれを得させた」というためには、欺く行為(欺罔行為)→錯誤→財産上の処分行為→その取得という因果経過をたどる必要があります。
そのため、人を騙したが、その相手方は騙されなかったし、財産上の処分行為もしなかった、という場合や、相手方が欺罔行為を見破ったが、欺罔行為者に対する同情から財産上の処分行為を行った、という場合には、上記の因果経過をたどったと評価することができないため、2項詐欺罪は未遂に留まります。

~Aさんの無賃乗車の場合はどうか?~

(欺罔行為)
Aさんはタクシーに乗って、運転手に対し、「到着後金を降ろす」と告げました。
この行為は、目的地到着後料金を支払える当てがないのに、あるように装ったものと評価できると考えられるので、「欺罔行為」に当たるものと思われます。

(錯誤)
タクシーの場合、通常、目的地到着後直ちに料金の支払いを行いますが、上記Aさんの欺罔行為により、タクシーの運転手に、目的地到着後直ちに又はコンビニでおろして料金を支払ってもらえるものと誤信させたと考えられるので、錯誤があったものと評価できるでしょう。

(財産上の処分行為及びその取得)
上記錯誤によりタクシー運転手はAさんを運送し、よってAさんは運賃3万5千円相当の財産上不法の利益を受けたと考えられます。

以上より、Aさんに2項詐欺罪が成立する可能性は高いと思われます。

~逮捕後、Aさんはどうなるか?~

逮捕後に行われる取調べでは、Aさんは、タクシー下車時点におけるAさんの支払能力について詳しく尋ねられると思います。
Aさんは現金を持っておらず、また、カード、預金もないので、支払能力がないものと判断される可能性が高いでしょう。
このような状態で「支払うつもりはあったので、詐欺罪の故意がなかった」と主張しても、おそらく通用しないと思われます。

この場合はどうすればよいのでしょうか。

~被害者と示談をする~

今回のケースの弁護活動としては、接見にやってきた弁護士と相談した上で、罪を認め、被害者と示談をすることが考えられます。
逮捕されている場合には、示談交渉を弁護士に任せることになります。
Aさんが乗ったタクシーが会社所属の場合は、当該会社に対して、個人タクシーの場合は運転手に対し、運賃に加え、いくばくかの金銭を支払うことにより、示談を成立させることを目指すことになるでしょう。

示談が成立すれば、当事者間で事件が解決したものとして、釈放される場合もあります。
また、捜査段階の最終局面において、検察官がAさんを不起訴処分(起訴猶予)とする可能性も高まります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられず、また、前科がつくこともありません。
さらに、起訴されてしまったとしても、示談締結の事実は刑罰を判断する際に有利に考慮されますから、示談締結を目指すことはより有利な結果を求めるために効果的であるといえるでしょう。
接見にやってきた弁護士と相談し、より有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がタクシーの無賃乗車事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

特殊詐欺における共犯関係を相談

2019-10-22

特殊詐欺における共犯関係を相談

特殊詐欺における共犯関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
埼玉県入間市の大学生であるAさんらは,OBの紹介により特殊詐欺グループの手伝いをすることになった。
Aさんらの主な役割は,電話をかける「かけ子」,実際に現金を受け取る「受け子」,待ち合わせ場所などに受け子を送迎・見張りをする係,またそれらの人員を雇うリクルーターであった。
Aさんはその中で,かけ子および送迎・見張りを行い報酬を受け取っていた。
ある日,AさんがBさんをVさんとの待ち合わせ現場に送迎し,BさんがVさんから現金を受け取ったところ,張り込んでいた埼玉県狭山警察署の警察官らにBさんは逮捕された。
その後,Aさんも詐欺罪の共同正犯の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~特殊詐欺と共犯関係~

オレオレ詐欺振り込め詐欺などのいわゆる「特殊詐欺」は組織的詐欺であり,それぞれ役割分担されていることが多いようです。
典型的なものはケースでも紹介した電話をかける「かけ子」,現金を受け取る「受け子」,銀行口座などから現金を引き出す「出し子」などがあります。
電話をかけ,被害者方へ行き,現金やキャッシュカードなどを受取るという一連の行為が詐欺罪を構成し,これらに関わっている全員が詐欺罪の共犯となると考えられます。

刑法における共犯は,「幇助犯」および「共同正犯」の2類型が規定されています。
幇助は刑法62条に規定されており,正犯の実行を容易にする行為をいいます。
従犯の場合には刑の減軽が定められています。
共同正犯は刑法60条に定められており,「二人以上共同して犯罪を実行した者」がすべて正犯となります。

~詐欺罪の幇助となる場合~

特殊詐欺において,受け子の送迎・見張りなどの役割は,人を騙して金銭を交付させるという行為そのものに関与しているわけではありません。
あくまでも受け子が金銭を受け取る行為等の手助けをしているに過ぎず,また,報酬などもあまり高くないことなどにより,詐欺行為への寄与度が低いと判断され,共同正犯ではなく幇助犯にとどまる場合も多いです。
しかし,組織の幹部などの主犯格との関わりが深い場合や,報酬などが高い場合などは詐欺行為への寄与度の大きさなどから共同正犯であると判断される場合も少なくありません。

~詐欺罪の共同正犯となる場合~

詐欺罪は欺罔行為(騙す行為)により,相手を錯誤に陥らせ,相手方の意思に基づいて財物ないし財産上の利益を処分し,占有などが移転し,これら一連の流れに因果関係が認められた場合に成立します。

「かけ子」の場合,まさに相手を騙す行為をしているのですから犯罪の一部を実行しているといえるでしょう。
そして「受け子」および「出し子」も特殊詐欺において最も重要なお金の取得という役割を担うことになります。
そしてこれらの役割は基本的に詐欺行為の一部であると認識して行われる行為ですので共同正犯となってしまう可能性が非常に高いでしょう。
ただし,受け子の場合には,報酬が少ない場合や,何も知らされておらず,詐欺の一環であるとの認識が全くないような場合については故意が阻却されたり,先ほどのような詐欺罪の幇助にとどまる場合なども有り得ます。

~特殊詐欺事件の弁護活動~

今回のケースでAさんは「かけ子」の役割を担っているため,詐欺罪の共同正犯となる可能性が高いでしょう。
詐欺罪は罰金刑がないため起訴された場合には刑事裁判となります。
事案や件数・被害額などにもよりますが組織的な特殊詐欺に関与した場合,初犯であっても執行猶予が付かない場合も考えられます。

ただし,特殊詐欺事件であっても可能な限り被害弁償をすることで有利な情状となりえます。
被害弁償していることによって懲役の期間が短くなる場合や,事案によっては執行猶予が付く可能性も考えられます。
逆に,被害弁償などを一切していない場合には実刑判決となる可能性が非常に高いでしょう。
被害弁償などの適切な弁護活動の有無によって刑事裁判の結果は大きく変わる可能性もございます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
特殊詐欺に関わってしまいご家族が逮捕されてしまった場合には0120-631-881までご相談ください。
無料法律相談や初回接見サービスのご依頼を365日24時間受け付けています。

預金通帳を闇金に譲渡し取調べ

2019-10-18

預金通帳を闇金に譲渡し取調べ

預金通帳の闇金への譲渡と取調べについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、貸金業法上の登録を受けていない神奈川県伊勢原市にある金融業者(闇金)から、高い利率で元金30万円ほどの貸し付けを受けていました。
Aさんは、30万円ほどならすぐに返済できるだろうと考えていましたが、利息が重なり、返済が難しくなってきました。
Aさんが業者に相談すると、「じゃあ銀行で預金口座を10個ほど作ってきて、通帳、カード、暗証番号を渡してほしい。それで借金は免除する」と言われたので、言われるがままにAさんは神奈川県伊勢原市にある銀行で口座を開設し、通帳等を業者に引き渡しました。
後日、神奈川県伊勢原警察署からAさんに連絡があり、「あなたの銀行口座が犯罪に使われている。話を聞きたい」と言われ、Aさんは神奈川県伊勢原警察署に出頭することになってしまいました。
(フィクションです)

~第三者に引き渡す目的で預貯金口座を作り譲渡すると…~

第三者に引き渡す目的で預貯金口座を作って譲渡すると、詐欺罪(刑法第246条)、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反の罪が成立する可能性があります。

(詐欺罪の成否)
詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させる犯罪です。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役となっております。

今回のケースの場合は、金融業者に通帳やカードを譲渡する意図を隠して、銀行からこれらの交付を受けることが詐欺罪を構成するか否かが問題となります。

判例(最高裁平成19年7月17日決定)は、
銀行支店の行員に対し預金口座の開設等を申し込むこと自体,申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思であることを表しているというべきであるから,預金通帳及びキャッシュカードを第三者に譲渡する意図であるのにこれを秘して上記申込みを行う行為は,詐欺罪にいう人を欺く行為にほかならず,これにより預金通帳及びキャッシュカードの交付を受けた行為が刑法246条1項の詐欺罪を構成することは明らかである
と判示しており、詐欺罪の成立を認めています。

ケースのAさんが銀行の係員にどのように申し向けたかは明らかではありませんが、銀行係員が、銀行口座が不正に使用されたり第三者に渡ることを知った上で、口座開設に応じることは通常考えられません。
もしAさんが金融業者に口座を譲渡する意図について黙ったまま、預金口座の開設を申し込んでいたとすれば、この行為自体が「欺く行為」に該当することになるでしょう。
これにより通帳やキャッシュカードの交付を受けたとすれば、Aさんの行為が詐欺罪を構成する可能性は高いと思われます。

詐欺罪の法定刑には、懲役刑以外の刑種が予定されておらず、詐欺罪につき有罪が確定すると、罰金を納付するなどして事件を終了させることができません。
したがって、懲役刑につき、執行猶予がつかないと、刑務所に行かなくてはならなくなります。
詐欺罪で起訴されてしまった場合は、執行猶予付き判決を目指すことが極めて重要です。

(犯罪による収益の移転防止に関する法律違反の罪)
犯罪による収益の移転防止に関する法律第28条2項によれば、他人に対し、正当な理由がないのに、有償で、通帳やカードを譲渡する行為も犯罪となりえます。
正当な理由とは、通常の商取引や金融取引のように取引上首肯できるような理由があることをいいます。
有償とは、この行為の対価を得ることで、債務の免除も含まれます。
この点につき有罪が確定すると、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの両方が科せられます。

(その他)
違法な金融業者がケースのような手法で収集した口座は、多くの場合、振り込め詐欺などの犯罪行為に用いられます。
自分の口座を使って振り込め詐欺を行うと、簡単に犯人がわかってしまうので、他人から口座の譲渡を受け、犯罪を行うのです。
Aさんの行動によっては、上記の犯罪の共犯者として疑いをかけられることもあります。
この場合、逮捕されたり、非常に重い刑に服さなければならなくなることも考えられます。
もし取調べでそのような嫌疑をかけられていることがわかったら、しっかりと否定することも必要です。

まずは弁護士と相談し、今後の対策を立てていきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、今回のケースのような事件についても、初回無料刑事事件専門の弁護士のアドバイスを受けることができます。
預金口座の不正開設、口座譲渡事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

組織的詐欺罪で逮捕

2019-10-14

組織的詐欺罪で逮捕

組織的詐欺罪逮捕について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aらは,無料で日用品がもらえるなどとの謳い文句を掲げ,東京都清瀬市に住む高齢者Vらを店舗に集め,嘘を教えて高額な商品を売りつけるという行為を行っていた。
Aも,この行為を行ったグループの一員として,詐欺行為に関与していたことが疑われている。
被害に気づいたVらから相談を受けた警視庁東村山警察署の警察官は,Aらを組織的詐欺罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は,詐欺事件に強い刑事事件専門の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~刑法上の詐欺罪以外の組織的詐欺罪?~

まず,Aらの行為は,「人を欺いて財物を交付させた」といえることから,刑法上の詐欺罪(刑法246条1項・60条)として共犯関係が認められることは比較的明らかといえます。
そして,刑法上の詐欺罪の法定刑(個々の法律に定められている刑罰のことです。)は「10年以下の懲役」と,刑法246条において規定されています。
10年以下の懲役」と聞くと重い罪と感じるかもしれませんが,この法定刑を法的に解きほぐすと「1月以上10年以下の懲役」(刑法12条1項参照)とかなり幅のある法定刑が導き出され,理論的にはかなり短い刑を科すことも可能なのです(さらにこれに減刑事由なども考慮される可能性がありますが,ここでは省略いたします。)。

もっとも,組織的な犯罪に関して適用される特別法として「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(以下,「組織的犯罪処罰法」と略します。)という法律が存在することに注意が必要です。
この組織的犯罪処罰法の3条1項では,

・「次の各号に掲げる罪に当たる行為が,団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として,当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは,その罪を犯した者は,当該各号に定める刑に処する」(1項柱書)

・「刑法第246条(詐欺)の罪」→「1年以上の有期懲役」(同項13号)

との規定があり,組織的な詐欺行為について,通常の刑法上の詐欺罪に比べて重い法定刑を科しています。
ここにいう「1年以上の有期懲役」とは,「1年以上20年以下の懲役」を指し,上述した刑法上の詐欺罪と比べても,法定刑が明らかに重くなっていることが分かるでしょう。

~組織的犯罪における弁護士の活動~

組織的詐欺罪というくらいですから,通常の詐欺の共犯事件に比べても関与者が多いことが予想され,事件としては通常の詐欺罪の共犯事件よりもさらに複雑なものとなる可能性があります。
したがって,組織的詐欺に関与し,逮捕等されてしまった場合には,専門性を有した弁護士によるサポートが必要不可欠なものとなるといえます。

また,組織的詐欺罪は故意犯であることから,組織的に行われた詐欺行為組織的犯罪処罰法によって刑法犯より重く処罰するためには,当該詐欺行為が組織・団体によって行われていることの認識が必要になってきます。
末端の構成員ほど,こういった認識は薄くなると考えられることから,逮捕されてしまった当該被疑者が,どのような態様の関与を行っていたか等を詳しく本人などから聞き取る必要があります。
そのために,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,初回接見サービスなど逮捕された直後から弁護士によるサポートを得ることのできるサービスも提供しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,組織的な詐欺を含む詐欺事件を多数扱う刑事事件専門の法律事務所です。
通常の法律事務所では民事事件を中心に扱うことが多いですが,弊所は刑事事件のみを担当するプロフェッショナルである弁護士を集めた法律事務所です。
組織的詐欺事件逮捕された方のご家族・お知り合い等は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで,早急にお問い合わせください。

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