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東京都日野市のタクシー乗車詐欺で逮捕・勾留阻止

2019-04-25

東京都日野市のタクシー乗車詐欺で逮捕・勾留阻止

終電すぎの深夜まで酒を飲んだAは、東京都日野市において、お金の持ち合わせがないのにこれをあるように装い、タクシーに乗車した。
そしてAは、タクシーで自宅まで戻ったが、「お金は持っていない」といってそのままタクシーを降りて自宅へ入ってしまった。
困ったタクシーの運転手が警視庁日野警察署に連絡し、警視庁日野警察署の警察官は、Aを詐欺罪の容疑で逮捕した。
Aの逮捕を聞いた家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~利益罪としての2項詐欺罪~

刑法は、その37章において「詐欺及び恐喝の罪」ついて定め、冒頭の246条において詐欺罪を定めています。
そして、刑法246条1項において「人を欺いて財物を交付させた者」を、2項において「人を欺いて」「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、それぞれ詐欺罪として処罰するものとしています。

一般的に、窃盗罪等を主とする財産犯では、具体的な「財物」(お金や物)に対する財産侵害が処罰対象の中心になります。
これは、一般的な方の財産犯に対するイメージも同様でしょう。
もっとも、詐欺罪など一定の犯罪については、「財物」のみならず「財産上不法の利益」(単に「財産上の利益」ともいいます。)をも、処罰対象としています。
それが、上記の「2項詐欺」(246条2項に規定されている詐欺罪)のようないわゆる2項犯罪(利益罪・利得罪)です。

本件のようなタクシーの乗車詐欺は、いわば「財産上不法の利益」を対象とした2項犯罪の典型的なケースの一つといえます。
Aは、支払意思があるかのように見せかけることによってタクシーに乗車し、目的地までの料金分の利益をその対価を払うことなく得ています。
すなわち、タクシーを呼び止めて乗車する(通常なら代金を支払うような乗車行為)という欺く行為によって、有料のタクシーで移動するという「財産上不法の利益」を得ていることになります。
なお、仮にAに支払意思はあり財布に現金が入っていなかった等の事情があれば、2項詐欺罪は成立せず、あくまで民事上の債務不履行として履行義務を負うにすぎません。
詐欺罪が成立するのかどうかは、弁護士に詳細な事情を話して相談してみましょう。

~逮捕後の勾留等に関する弁護士の活動~

逮捕されてしまった被疑者は、通常は警察から検察に送られ(全件送致主義)、検察官が勾留請求するかどうかの判断をすることになります。
勾留とは、逮捕と同じく被疑者の身体を拘束する処分(実務上は逮捕と同じく警察署に留置されることになります。)ですが、逮捕と異なり10日もの間(延長された場合はさらに10日間)、被疑者の身体を拘束することができることになります(208条1項、延長について同条2項)。

勾留については、刑事訴訟法上、以下の要件を満たすことが必要となります。
まず、被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(207条1項本文・60条1項柱書)が必要です。
加えて、被疑者が「定まった住所を有しない」こと(60条1項1号)、「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」こと(同項2号)、「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある」こと(同項3号)、これら1~3号のうち最低1つに当たることも求められます。
そして、87条1項により、捜査側の利益と被疑者が被る不利益とを比較して前者が後者を上回ることを要します(勾留の必要性・相当性)。
ここで、逮捕段階から選任された弁護士であれば、検察官の勾留請求や裁判官による勾留裁判の前に、上記勾留要件を満たさないことなどを検察官や裁判官と面会して主張したり、意見書として書面で主張したりして、勾留の阻止を目指した活動をすることが可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件含む刑事事件専門の法律事務所です。
勾留を阻止するためにも、弁護士による早期の弁護活動が極めて重要です。
詐欺事件逮捕されてしまった方のご家族は、何時でも繋がるフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。
通話料無料で、 弊所の弁護士によるサービス内容等をご説明差し上げます。
警視庁日野警察署までの初回接見費用:35,400円)

貸金業法違反事件で無登録営業貸金詐欺

2019-04-21

貸金業法違反事件で無登録営業貸金詐欺

東京都目黒区在住のAさん(40代男性)は、実際は貸金業者としての登録をしていないにも関わらず、「正式な登録を済ませた貸金業者である」と嘘を言った上で、被害者ら数人に現金を貸し付ける業務を行っていたとして、貸金業法違反無登録営業)と詐欺罪の疑いで、警視庁目黒警察署の取調べを受けた。
後日にも、2回目、3回目の警察取調べの呼び出しを受けたAさんは、今後の警察取調べ対応や、被害者らとの示談交渉による事件解決を検討するために、刑事事件に強い弁護士に法律相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~貸金業法違反の無登録営業とは~

貸金業法には、貸金業者が貸金業務を行うためには、都道府県知事または財務支局長の登録を得なければならない、とする規定があります。
貸金業法における「貸金業」とは、「銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介で業として行うものをいう」と規定されています。
すなわち、反復継続して貸金業務を行う意思があり、社会通念上、事業の遂行とみることができる程度の事業規模がある場合には、「業として」の要件に当てはまるとして、貸金業者としての登録が必要ということになります。

もし無登録のままに、業としての貸金業を行った場合には、貸金業法違反の無登録営業に当たるとして、「10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金、又は併科」という重い刑事処罰を受けることになります。

・貸金業法 11条1項(無登録営業等の禁止)
「第3条第1項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。」

また、今回の事例とは別に、正式な登録を受けた貸金業務に関しても、貸金業法はさまざまな規制を定めています。
例えば、「総量規制」として、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合には、新たな貸付をすることはできなくなります。

・貸金業法 13条の2第2項(過剰貸付け等の禁止)
「前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(略)で、当該貸付けに係る契約を締結することにより、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(略)が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に3分の1を乗じて得た額をいう。次条第5項において同じ。)を超えることとなるもの(略)をいう。」

他の貸金規制の例としては、貸金業法と利息制限法により、貸付の金利上限は「15~20%」とされており、この金利を超える貸付は、超過分の利息が民事上無効となり、行政処罰の対象となります。
この規定と並んで、出資法では、貸金業者による金銭貸付につき、金利上限となる「20%」を超える貸付は、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれを併科」という刑事処罰の対象とされています。
(平成22年6月施行の出資法改正により、金利上限が「29.2%」から「20%」に引き下げられました)

ちなみに、出資法では、個人間での金銭貸付につき、金利「109.5%」を超える個人間貸付をしたときには、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれを併科」という刑事処罰を科しています。
ただし、利息制限法の適用により、個人間貸付においても、上限金利「15~20%」を超える部分の利息については、民事上無効となる可能性があるため、注意が必要となります。

そして、今回のAさんは、こういった貸金業法違反だけでなく、詐欺罪の容疑もかけられています。
それは、貸金業法に違反する形態での営業であったにもかかわらず、そうではないと偽り、相手を騙して貸し付けを行い、相手から利子などの利益を得ていたからでしょう。

貸金業法違反事件詐欺事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士の活動としては、まずは被疑者が貸金業法違反や出資法違反のどのような罪名の容疑にかけられているかを詳しく検討し、今後の警察取調べ対応のアドバイスを行うことが考えられます。
そして、裁判での刑罰軽減に向けた主張等を弁護士の側より積極的に行うことで、貸金業法違反事件詐欺事件に関する弁護活動に尽力することになるでしょう。

東京都目黒区貸金業法違反事件詐欺事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
警視庁目黒警察署初回接見費用:36,500円

福岡県筑紫野市の代引き詐欺事件

2019-04-17

福岡県筑紫野市の代引き詐欺事件

~ケース~
Aさんは,福岡県筑紫野市の高齢者が住んでいる住所を対象に代金引換で頼まれてもいない物を送付するいわゆる「代引き詐欺」を行っていた。
被害が多発しているのを受けて,福岡県筑紫野警察署は送付元となっていたコンビニエンスストア数件に捜査協力を依頼した。
Aさんは捜査が及んでいることを知らず,市内のコンビニエンスストアにて5件に向けて代金引換で発送を依頼した。
送り主の住所氏名が一致せず,不審に思った店員のXが福岡県筑紫野警察署に通報し,駆け付けた警察官によってAは詐欺罪の疑いで逮捕された。
Aさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回接見サービスを依頼した。
(フィクションです)

~ネガティブ・オプション~

ネガティブ・オプションとは,注文がないにもかかわらず事業者が消費者に商品を勝手に送付した上で,売買契約の申込みを行ったり,事業者の言う条件の下で売買契約の成立を主張して代金を請求することをいいます。
このような販売方法は特定商取引法59条によって送付があった日から14日以内に購入の意思を示さなかった場合に,送り主が引き取らない場合には送られた人の物になります。

有名なものでは一方的に蟹を送りつけて購入代金を請求する「カニカニ詐欺」と呼ばれるものがあります。
注意が必要なのは,蟹を食べてしまったり,送られてきた商品を使用してしまった場合には購入意思があったとみなされ,代金を支払わなければならない場合があることです。
なお,「詐欺」と呼ばれていますが,厳密には詐欺罪とはならない場合が多く,特定商取引法で14日で送られた人の物になると規定されているのみで罰則はありません。

~代引き詐欺~

詐欺罪は,刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪の詳細な構成要件は,
1.一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為)
2.欺罔行為によって相手方が錯誤に陥ること(錯誤)
3.錯誤に陥った相手方が,その意思に基づいて財物ないし財産上の利益の処分をすること(処分行為)
4.財物の占有又は財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること(占有移転,利益の移転)
5.1~4の間に因果関係が認められ,また,行為者に行為時においてその故意及び不法領得の意思があったと認められること
となっています。

ネガティブ・オプションの場合,商品そのものは送付されており,売買契約の締結方法が問題となるだけですので,詐欺罪に当たらない場合が多く,契約書なども業者が詐欺ではないと主張できる内容となっている場合も多いようです。
商品を先に送るだけであり,購入代金の支払いはあくまでも購入意思に基づくものであると考えられるからでしょう。

一方で,代引き詐欺の場合,商品の購入意思の発生前,すなわち受取時に代金を支払う必要がある点がネガティブ・オプションと異なります。
構成要件該当性を考えてみますと,代金引換で荷物が届いた場合,金額にもよりますが,自身に心当たりがなくても,家族が注文したものだと思ってしまったり,自分が何か注文したのかもしれないと思ったりして代金を払ってしまう方が多いようです(錯誤に陥っているといえるでしょう)。
すなわち,代金引換で荷物を送るという欺罔行為によって,受取人が錯誤に陥り代金を支払い(処分行為),送り主に代金が移転しますので詐欺罪の要件を満たすことになります。

また,ネガティブ・オプションの場合は「商品」を先に送る形になりますが,代引き詐欺の場合は価値のないものであったり,中身があるように思わせるために石を入れただけといった場合もあるようです。
こうした代引き詐欺の場合,送られた人が代金を支払わなくても,代金引換で荷物を送付した時点で詐欺罪の実行の着手があったとみなされ,詐欺未遂罪となる可能性が高いでしょう。

~弁護活動~

詐欺罪の罰則規定は10年以下の懲役のみですので,起訴された場合には刑事裁判を受けることになります。
また,今回のケースのような代引き詐欺事件の場合,被害者の数も多く,悪質な事件であるとみなされ起訴されてしまう可能性が非常に高いでしょう。
こういった詐欺事件の場合,初犯であっても実刑判決が下されてしまうことも多いようです。

しかし,被害者の方と可能な限り示談交渉をし,被害弁償を行うことによって執行猶予や刑の一部執行猶予が付される可能性もあります。
刑事事件には弁護活動の内容によって最終的な判決が変わるケースが多くあります。
刑事事件を起こしてしまった場合には,まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
代引き詐欺事件によってご家族が逮捕されてしまいお悩み方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
兵庫県筑紫野警察署までの初回接見費用:36,700円)

詐欺罪と窃盗罪で逮捕・即決裁判手続

2019-04-13

詐欺罪と窃盗罪で逮捕・即決裁判手続

京都市北区に住むAは、Aではなく他人名義を冒用し、消費者金融にて係員Vをだましてローンカードを作成した。
そしてAは、上記係員に説明を受けながら、同所のATMから現金を引き出した。
その後、Aに名義を利用された人物が、利用した覚えのない消費者金融の通知を見て警察署に相談した。
捜査の結果、京都府北警察署の警察官は、Aを詐欺罪窃盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件を含む刑事事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~詐欺罪と窃盗罪~

Aは、詐欺罪および窃盗罪によって逮捕されています。
まず、Aが消費者金融において他人名義でカードを作った行為について検討してみましょう。
刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者」を財物に対する詐欺罪(いわゆる1項詐欺)として処罰する旨を定めています。
そして、判例・実務は、平成22年7月29日の最高裁決定を契機として、詐欺罪における「人を欺」く行為とは、欺く行為の対象が交付の基礎となる重要な事項か否かという基準によって、詐欺罪(厳密には「人を欺」く行為の該当性)の成否を判断するという立場を確立したといわれています。
本件では、ローンカードが本人名義であるかどうかは、消費者金融のカードの審査・交付にあたって重要な事項であるといえ、1項詐欺罪が成立するものと考えられます。

次に、ATMを使って現金を引き出した行為について見てみましょう。
本件では上記詐欺行為によって詐取(騙取)したカードによって、現金を引き出すために係員の説明・補助を受けながら、現金を引き出しています。
しかし、仮に説明や補助を受けていたとしても、あくまでA本人が、店に設置されたATMから消費者金融(同支店長)が占有する現金を、消費者金融の意思に反して「窃取」していることに変わりはありません。
したがって、本件のように仮に補助・説明を受けながらATMから現金を引き出したとしても詐欺罪は成立せず、窃盗罪が成立するものと考えられます(最判平成14年2月8日等参照)。

そして、これらの罪は併合罪として、刑法45条前段・47条により重く処罰されます。
なお、他人名義のカードを作る際に書類等を偽造した行為について有印私文書偽造罪、同行使罪の刑事責任も負う可能性があることに注意が必要です。

~即決裁判手続等の利用による刑事手続からの早期解放~ 

こうした詐欺窃盗事件では、弁護士としてまずは、被疑者にとって最も不利益の少ない不起訴処分を目指す弁護活動を行うことが考えられます。
しかし、これが功を奏さないと判断した場合、通常の公判手続(通常の刑事裁判)ではなく、簡易迅速な手続を利用することによって、被疑者の利益を図るという選択もあり得るところです。
例えば、刑事訴訟法350条の16以下が規定する即決裁判手続の利用などです(今般の刑訴法改正により従来の条文番号がずれている点に注意してください。)。

同手続によれば、「裁判所は……できる限り、即日判決の言渡しをしなければならない」(刑訴法350条の28)とされ、さらに「即決裁判手続において懲役又は禁錮の言渡しをする場合には、その刑の全部の執行猶予の言渡しをしなければならない」(同法350条の29)とされています。
仮に、逮捕後に勾留による身体拘束を受けていたとしても、刑の全部の執行猶予の告知を受ければ直ちに身体拘束から解放されることが可能になります(同法345条参照)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む財産犯の弁護活動に長けた刑事事件専門の法律事務所です。
日々、刑事事件・刑事手続に携わっているプロフェッショナルである弁護士が、依頼者様の利益の最大化を目指した弁護活動を行ってまいります。
詐欺窃盗事件で逮捕された方のご家族は、まずは年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

兵庫県加東市の保険金詐欺事件

2019-04-09

兵庫県加東市の保険金詐欺事件

~ケース~
兵庫県加東市在住のAさんは古くなった自宅の建て替えを検討していた。
しかし,自宅の建て替えには現存の住居の取壊し費用がかかってしまい,思っていたよりも高額になることが判明した。
そこでAさんは自宅が火災保険に入っていることを思い出し,放火の被害にあった風に装い,保険会社から保険金を受け取り,保険金によって自宅の立て直しをしようと考えた。
Aさんは家財道具などを運び出し,平穏に自宅の建て替えをするように装っていた。
ある日の深夜,Aさんは自宅に放火し,Aさんの自宅は全焼し,Aさんは保険会社に保険金の請求をした。
しかしその後,保険会社による調査の結果,放火はAさんの自演であったことが判明し,Aさんは兵庫県加東警察署詐欺罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~保険金詐欺~

詐欺罪は刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪の詳細な構成要件は,
1.一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為)
2.欺罔行為によって相手方が錯誤に陥ること(錯誤)
3.錯誤に陥った相手方が,その意思に基づいて財物ないし財産上の利益の処分をすること(処分行為)
4.財物の占有又は財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること(占有移転,利益の移転)
5.1~4の間に因果関係が認められ,また,行為者に行為時においてその故意及び不法領得の意思があったと認められること
となっています。
単に他人を騙すのみでは詐欺罪には該当せず,騙したことによって損害が生じた場合も詐欺罪とはなりません(不法行為責任に問われる場合はあります)。
刑法の規定する詐欺罪の成立には,欺罔行為により相手方を錯誤に陥らせ,財物などを詐取する必要があります。

この詐欺罪に該当する詐欺の手口の一つである保険金詐欺とは,一般的に,自演による損害などで保険会社に保険金の請求をする詐欺です。
保険金詐欺事件の場合,詐欺行為の着手がどの時点となるかが問題となりますが,上記の構成要件から考えますと,相手方を錯誤に陥らせる行為が着手の時期となるでしょう。
その為,損害を装って保険会社に保険の請求をした時点で詐欺罪の着手があったといえるでしょう。
しかし,今回のケースでは保険会社の調査によって放火が自演であったことが判明しており,Aさんは実際には保険金を受け取ってはいません。
詐欺罪は未遂の場合でも処罰規定がありますので(250条),Aさんは詐欺未遂罪となるでしょう。

~放火行為~

また,Aさんは自宅に放火をしていますが放火罪には問われないのでしょうか。
建造物に対する放火は,現住か非現住か,非現住の場合は自己所有であるかどうかによって罪責が異なります。
今回のケースではAさんは自宅に人がいないことを認識して放火したといえますから自己所有の非現住建造物放火罪(109条2項)となるように思われます。
しかし刑法115条は「保険に付したものである場合において,これを焼損したときは,他人の物を焼損した者の例による」と規定されています。
Aさんの自宅には火災保険がつけられていましたので上記規定により他人の非現住建造物放火罪(109条1項)となり,法定刑は2年以上の有期懲役となっています。

~弁護活動~

Aさんは非現住建造物放火罪と詐欺未遂罪の併合罪となりますので,理論上は最高で30年の懲役刑となります。
非現住建造物のみならず放火罪は態様によっては重大な結果が生じる場合もあれば,それほど重大な結果が生じる危険性のない軽微な場合もあります。
そのため,上限が規定されていない罰則となっています(なお,有期懲役の上限は20年)。

今回のケースでAさんは自宅に放火したものです。
非現住建造物放火罪は,近隣の(人が住んでいる)住居等にに延焼する危険性がなかったか等具体的な状況を判断して量刑が決定されます。
今回のようなケースの場合,具体的状況によっては執行猶予付きの判決となる可能性もあります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺罪や放火罪はもちろん様々な刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士が多数所属しています。
詐欺罪や放火罪に問われてしまいお困りの方は0120-631-881までご相談ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
兵庫県加東警察署までの初回接見費用も0120-631-881でご案内いたします)

覚せい剤事件と詐欺事件(埼玉県川越市)

2019-04-01

覚せい剤事件と詐欺事件(埼玉県川越市)

埼玉県川越市に住むAは、覚せい剤の密売人であるVから覚せい剤を購入するように見せかけ、覚せい剤をタダで騙し取ろうと考えました。
ある日、AはVに対し「350万円で覚せい剤1キロを売ってくれ。代金は10日後に支払う」と伝えました。
VはAに覚せい剤を渡しましたが、10日経ってもAが350万円を支払わないことから、Aに支払いを催促しました。
Aは金を支払えとしつこいVに対し腹を立て、要求を封ずるためにAを殺害しました。
後日、Aは埼玉県川越警察署にて、強盗殺人罪の容疑で取調べを受けました。
(フィクションです。)

Aに成立が考えられる罪名

今回、AはVから覚せい剤をだまし取った挙句、その代金の支払いを要求したVを殺害しています。
上の事例でAに成立が考えられる犯罪として、覚せい剤取締法違反詐欺罪(刑法246条1項)、強盗殺人罪(刑法240条後段)が挙げられます。

覚せい剤取締法違反について

AはVから覚せい剤を350万円で購入する旨伝え、これをAから受け取っています。
これは、覚せい剤の譲り受けに当たり、覚せい剤取締法41条の2第1項に当たると考えられます。
同条同項に違反した場合には10年以下の懲役とされています。

詐欺罪について~禁制品の財物性~

AはVに対し、代金を10日後に支払うと嘘を言い、覚せい剤をVから受け取っています。
この行為について、AはVに対する詐欺罪(刑法246条1項)の成立が考えられます。
刑法246条1項は「人を欺罔し、財物を交付させた者」について詐欺罪とすることを規定しています。
Aは、当初からVから覚せい剤を騙し取ろうと考えてVに覚せい剤購入を持ち掛けており、VはAが代金を支払って覚せい剤を購入する意思があると思い込んでAに覚せい剤という財物を交付しています。
そのため、Aには詐欺罪が成立すると言えます。

しかし、AがVからだまし取った財物は覚せい剤であり、このような禁制品を騙し取ったような場合もVに対する詐欺罪が成立するのでしょうか。
具体的には、覚せい剤のような禁制品も「財物」と言えるか、つまり法律上の保護に値するかが問題となります。

そもそも詐欺罪のような財産犯の目的は財産秩序の維持にあるといえます。
そうだとすれば、財産秩序の維持のためには現実の所持自体を刑法上保護しなければならず、法律上所持が禁じられているような禁制品についてもその所持は法律上の保護に値すると考えられます。
つまり、上の事例についても覚せい剤は法律上、その所持が禁じられていますがその所持は法律上の保護に値すると考えられるため、AにはⅤに対する詐欺罪が成立すると考えられます。

Vを殺した行為~不法原因給付物と財産上の損害

AはVから覚せい剤の代金を要求されたことに腹を立て、Vを殺し覚せい剤の代金の支払いを免れるという利益を得ています。
この行為につき、Aに強盗殺人罪(刑法240条後段)の成立が考えられます。

まず、刑法240条後段は「強盗が、人を…死亡させたときは」と規定していることから、強盗殺人罪が成立するためにはAが「強盗」と言えることが必要です。
「強盗」といえるためには、条文上、①「暴行または脅迫を用いて」②「財産上不法の利益を得た」といえることが必要です。
まず、AはVを殺しているため、暴行を用いているといえます(①)。
AはVの物を奪おうとしたのではなく、覚せい剤の代金支払いの請求を免れるためにVを殺害したので、「財産上不法の利益を得た」ように思えます。
しかし、覚せい剤は不法原因給付物と言い、法律上所持が禁止されているにも関わらず譲渡したものであるためにVに返還請求権がなく、またVに代金の支払い請求権も認められません。
そこで、保護すべき「財産上の利益」がなく、「財産上不法の利益」が認められないとも思えます。

しかし、先述のように、強盗罪も詐欺罪同様、財産罪といえ、その目的は財産秩序の維持にあります。
また、返還請求権の有無や代金支払い請求権の可否は民法上の概念であり、強盗罪は刑法上の財産秩序の維持を考慮するため、民法と刑法を同様に考える必要はありません。
そのため、覚せい剤の返還請求権や代金支払い請求権も財産秩序維持を図るためには刑法上の保護に値すると考えられ、「財産上不法の利益」が認められます(②)。

刑事事件に強い弁護士に相談

刑事事件は早期解決が大事です。
覚せい剤事件詐欺、強盗事件などで取り調べを受けた方、ご家族が逮捕されたという方は刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にぜひご相談ください。
刑事事件に強い弁護士が初回法律相談を無料で承っております。
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神奈川県三浦郡の振り込め詐欺事件

2019-03-28

神奈川県三浦郡の振り込め詐欺事件

~ケース~
神奈川県三浦郡在住のAさんとBさんは,ターゲットとした人にまずAさんがコンタクトを取り振り込め詐欺を持ち掛け,直後にBさんが警察を名乗って電話をかけた上で捜査協力を持ちかけ,「犯人を現行犯逮捕するためにお金を渡すふりをするから」と言って被害者からBさんがお金を受け取って持ち去るという手法の詐欺行為を行っていた。
ある日,AさんとBさんがいつものようにVさんに電話をかけた。
Bさんは神奈川県葉山警察署の警察官を名乗り,VさんはBさんを信用した。
しかし,Vさんは電話後,聞き忘れたことがあると思い神奈川県葉山警察署に電話をしたところ,Bさんという警察官は存在せず,振り込め詐欺であることが判明した。
BさんはVさんからお金を受取った直後,張り込んでいた本物の神奈川県葉山警察署の警察官に詐欺罪の疑いで現行犯逮捕された。
その後,Aさんも詐欺罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~振り込め詐欺~

家族や友人を名乗り,何らかの理由でお金を振り込ませたり,お金を第三者に渡すように持ち掛ける詐欺が典型的な振り込め詐欺と呼ばれる手口です。
振り込め詐欺防止の啓蒙活動により,最近では不審に思った被害者が警察に通報するケースも増えてきています。
その際,警察は被害者と協力し,待ち合わせの場所などに張り込み,実際にお金の引き渡しがあった場合に現行犯逮捕するのが「騙されたふり作戦」と呼ばれる捜査手法です。
しかし,この騙されたふり作戦をさらに悪用し,今回のケースのように,警察を名乗って電話し,信用した被害者からそのままお金を持ち逃げするという詐欺の手口も出現してきたようです。

~詐欺罪~

詐欺罪は刑法246条に規定されており,法定刑は10年以下の懲役となっています。
振り込め詐欺に代表される詐欺行為は今回のケースのAさんとBさんのように複数人で行われる場合も多く,今回は2人ともが詐欺罪の共同正犯となります(刑法60条)。
詐欺罪で起訴された場合,被害金額や犯行手口の悪質さ等の事情にもよりますが,初犯であれば執行猶予となる場合もあります。

~身柄拘束~

警察に逮捕され被疑者となった場合,48時間以内に釈放となるか検察官へ身柄を送致するかが決定されます。
身柄の送致を受けた検察官は24時間以内に被疑者を釈放するか裁判所に勾留の請求をします。
ただし,警察と検察官による身柄拘束は合計で72時間を超えることはできません。
検察官による勾留の請求が認められた場合,原則10日間,必要があれば最長10日間の勾留延長が可能です。
その為,勾留は最長で20日間ということになります。
検察官は勾留期限までに被疑者を起訴するか不起訴とするかを決める必要があります。
なお,被疑者を勾留しない,いわゆる在宅事件の場合には起訴するかどうかを決める期限はありません。

弁護士の逮捕段階での活動としては,被疑者が勾留されないように意見書や上申書ご家族の方の上申書などを検察官に提出することなどが考えられます。
そして,勾留されてしまった場合には勾留に対する準抗告申立書を裁判所に提出します。
これらが認められれば,釈放され在宅事件となります。
しかし,今回のケースのように共犯がいるような場合には勾留の理由の一つである「罪証隠滅のおそれ」があるとして勾留が認められるケースがほとんどです。

また,組織的な振り込め詐欺事件の場合,第三者を通じて共犯者と口裏合わせなどができないように接見等禁止処分が付されることも多いです。
接見等禁止処分が付されるとご家族の方であっても接見(面会)することはできませんので,弁護士としてはご家族の方が面会できるように接見等禁止処分の一部解除を求めていくことも考えられます。
また,接見等禁止処分が付されていても弁護士であれば接見が可能ですので弁護士を通じて伝言などが可能です。

~起訴後の弁護活動~

詐欺事件で勾留された場合,そのまま起訴されるケースが多くなっています。
詐欺罪には罰金刑が規定されていませんので,刑事裁判で有罪となれば実刑もしくは執行猶予付きの判決がなされることになります。
刑事裁判での量刑は犯行の態様や被害の大きさ,前科や犯行後の情状などが勘案されて決定されます。
詐欺罪のような財産犯では被害弁償の有無が量刑に大きく影響します。
その為,弁護士は被害者の方へ被害弁償をすることや示談の締結を目指して活動し,さらに宥恕(相手を許す)条項のある上申書などを書いていただくことができればそれも資料として提出します。
詐欺事件の場合,被害弁償をすることによって執行猶予付きの判決となるケースも多くあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件専門だからこそ,逮捕段階から起訴後まで,一貫して丁寧な対応を行うことが可能です。
詐欺事件を起こし逮捕されてしまった方,ご家族の方は0120-631-881までお気軽にお電話下さい。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。

キセル乗車事件(東京都青梅市)

2019-03-24

キセル乗車事件(東京都青梅市)

~ケース~
東京都青梅市で人気アーティストのコンサートが開かれることになった。
Aさんは,東京都青梅市在住のファン仲間のBさんに連絡をとり,駅で不正な退場を手助けしてもらうことになった。
コンサート当日,事前の打ち合わせ通りにAさんをBさんが駅から退場させようとしたところ,駅内を警備していた警視庁青梅警察署の警察官に発見され,AさんとBさんは現行犯逮捕された。
(実際にあった事例を基にしたフィクションです)

~不正乗車~

電車の不正乗車は一般に「キセル乗車」と呼ばれます。
これは煙管(キセル)の両端が金属で中央が竹で出来ていることから「両端だけ金を使っている」ということに由来します。
最低区間の切符を購入して入場し,定期券で退場する,無人駅で退場するというのがキセル乗車の典型的な手口でしょう。
昨今では,自動改札の普及により上記の典型的な手口によるキセル乗車は少なくなりましたが,小さい無人駅であったりローカル鉄道など自動改札がない場合ですと時折検挙されることがあるようです(後述するように、キセル乗車は犯罪行為ですので絶対に行わないでください)。

駅員による改札の場合,キセル乗車は駅員を騙して本来の運賃の支払いを免れていますので詐欺罪にあたります。
この場合,財物の交付は受けていませんが刑法246条2項は「前項の方法(詐欺行為)により、財産上不法の利益を得た者も、同項と同様とする」と規定しています。
その為,駅員がいる場合にはキセル乗車詐欺罪となり10年以下の懲役となります。
自動改札の場合は,キセル乗車を刑法246条の2の電子計算機使用詐欺罪とした判例があります(東京地方裁判所平成24年6月25日判決)。

一方,欺く対象のいない,自動改札のない無人駅で降車する場合はどうなるのでしょうか。
この場合,詐欺罪における欺罔行為(騙す行為)の対象がいないので詐欺罪を成立させることはできません。
その為,鉄道営業法29条の適用が考えられます。

鉄道営業法29条
鉄道係員ノ許諾ヲ受ケスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ50円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 有効ナ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ

50円以下の罰金とは制定時(明治33年)の規定で,このような古い法令は罰金等臨時措置法という法律で罰金の多額が2万円未満の場合は2万円,寡額が1万円未満の場合は1万円に引き上げられています。
余談ですが,当時の50円は現在の価値に換算すると約20万円,科料(旧刑法の5銭以上1円95銭以下)は約200円以上8000円以下となります。

~何罪となるのか~

刑法には「既遂と未遂」「正犯と従犯」という概念があります。
既遂とは犯罪行為が完全に実現されることをいい,未遂とは犯罪の実行に着手したものの既遂に至らなかったことをいいます。
キセル乗車行為の着手時期は刑法学者の間でも見解が分かれていますが,改札口において係員に乗車券を提示した時点と解する立場が有力です。
自動改札の場合は切符を自動改札に通した時点が犯罪行為の着手といえるでしょう。

そのため,改札口での切符等の提示や切符を自動改札に通し,退場した場合に詐欺罪が成立し,係員に止められた場合には詐欺罪の未遂,そもそもその前であれば何の犯罪行為もないということになるでしょう。
今回のケースではAさんがどの時点での逮捕されたのか不明確となっています。
その為,そもそも詐欺罪が成立するのか,詐欺は既遂であったかなどを具体的状況から主張していくことになります。

一方BさんはAさんの詐欺行為を手助けしようとしたにすぎません。
この場合,正犯のAさんの手助け(幇助)した従犯ということになります。
従犯の場合,刑の減刑が定められています(刑法62条1項,63条)。
しかし,Bさんは駅にAさんの幇助のために立ち入っています。
そのため,管理者の意思の反する立ち入りであるとして建造物侵入罪(刑法130条)が成立する可能性があります。
建造物侵入罪の罰則は3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

1回限りのキセル乗車行為であれば正規の乗車料金(もしくは旅客営業規則に規定されている代金)を支払えば起訴される可能性は低いでしょう。
ただし,常習的な場合や,手口が悪質である場合などは起訴される可能性もあります。
また,鉄道営業法であれば罰金刑が規定されている関係で詐欺罪よりも起訴される可能性が高くなってしまいます。
しかし,こちらは親告罪ですので鉄道会社と示談を成立させ,告訴の取下げをしてもらうことによって起訴されないことも可能です。

このように,キセル乗車行為は一見単純に思えますが,かなり複雑な場合がありますので刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士に相談いただくのをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
キセル乗車行為やその手助けで逮捕されてしまいお困りの方は0120-631-881までご相談ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
警視庁青梅警察署までの初回接見費用:39,300円)

他人のクレジットカードを使用した詐欺事件

2019-03-20

他人のクレジットカードを使用した詐欺事件

~ケース~
Aさんは、通勤中に拾得した他人の財布に入っていたクレジットカードを、東京都新宿区内の百貨店で使用し、35万円の腕時計を購入しました。
しかし、クレジットカードの名義人はカードの紛失を警視庁四谷警察署やカード会社に届け出ていたため、不正利用が行われたということで捜査が開始され、Aさんが被疑者として浮上しました。
Aさんはつい昨日、自宅を捜索され、購入した腕時計やクレジットカードなど、事件と関連する証拠品を押収されました。
Aさんはほんの出来心で拾ったクレジットカードを使ってしまったのですが、大事になってしまい反省しています。
Aさんはあさって、詐欺事件の被疑者として取調べを受ける予定ですが、今後のことについて不安です。
(フィクションです)

~Aさんに成立すると考えられる犯罪~

Aさんにはどのような犯罪が成立するのでしょうか。

他人名義のクレジットカードを使用許諾なく使用する場合について、判例(東京高判昭和56年2月5日、東京高判平成3年12月26日)は、加盟店(ケースであれば百貨店)に対するいわゆる1項詐欺罪(刑法第246条1項)が成立するとしています。
名義人の使用許諾のない場合には、他人のカードを使用すること自体が欺罔行為(騙す行為)であるとされています。
よりケースに即して言えば、Aさんが他人名義のクレジットカードを使用許諾なく百貨店で使用することにより、百貨店を騙し、腕時計を騙し取った、ということになります。
(なお、拾ったクレジットカードを自分の物としたことで、詐欺罪の他に占有離脱物横領罪窃盗罪が成立することも考えられます。)

~詐欺罪の法定刑~

詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
詐欺罪で注意したい点は、有罪となり、執行猶予もつかない場合には、即実刑となるという点です(罰金刑、科料のみで済むということがないということです)。
罰金刑であれば、有罪となり、執行が猶予されない場合であっても、罰金を払うこと自体が刑罰なので、支払えば刑務所に収監されることはありませんが、懲役刑の場合には、たとえ1月の懲役であっても、刑務所に収監されます。
Aさんの場合、初犯であり、しかも示談が成立した際には、実刑判決を受ける可能性は低いと考えられますが、同種前科があり、示談も成立していないという場合には、実刑判決回避のために力を注ぐ必要が極めて高くなると思われます。

~Aさんは今後どうなる?~

在宅で事件が進行する場合、Aさんは警察に日時を指定された上で呼び出しを受けた後、取調べを受けることになります。
事例にもある通り、Aさんは詐欺事件の被疑者として呼び出しを受けています。
取調べでは、今回のカードで他の店でも買い物をしていないか、カードを手に入れた経緯はどういったものか等、厳しく尋ねられることになるでしょう。

そして、警察での捜査が熟すると、今度は事件が検察に送られ、検察官の取調べを受けることになります。
検察官はAさんを裁判にかけるか、あるいはかけないかを決める権限を有しています。
もし、裁判にかけられてしまった場合には、裁判所が、Aさんについて有罪であるか、無罪であるか、有罪であるとすれば、どのような刑が相当かを判断します。
検察官がAさんを起訴する場合、有罪であるとの心証をもって行います。
慎重に捜査を尽くしたうえで起訴されるのが通常ですから、裁判で改めて無罪を主張するのは大変ハードルが高いと思われます。
そのため、Aさんとしては、まずは起訴されないよう、不起訴処分の獲得が第一の目標となります。

~不起訴処分の獲得に向けた活動を弁護士に依頼~

検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、仮に被疑者が犯罪を行っていたとしても、不起訴処分(「起訴猶予処分」といいます)をすることができます。
Aさんの場合、まずは、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、あさっての取調べではどのように対応すればよいのか、今後の手続きはどのように進むか、などといったことについて詳しく聞くことが望ましいでしょう。

そして、弁護士を弁護人として選任すると、弁護士はAさんに代わって被害者と示談交渉を行い、示談の成立に向けて活動します。
無事に示談が成立すれば、これを証明する示談書はAさんにとって有利な証拠となりえます。
弁護士は検察官に対し、被害者と示談が成立したこと、初犯であり、Aさんを裁判にかけ、刑罰を受けさせるまでの必要性がないことを説得し、不起訴処分の獲得に努めます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、Aさんのように、詐欺事件を起こした方の法律相談にも的確に回答いたします。
初回相談は無料ですので、お気軽にご相談いただけます。
是非、ご検討ください。
(無料相談予約は0120-631-881まで)

【福岡県北九州市】譲渡目的の携帯電話購入で詐欺事件

2019-03-16

【福岡県北九州市】譲渡目的の携帯電話購入で詐欺事件

~ケース~
福岡県北九州市に住むAさんは、会社の同僚のBから、「仕事の関係で新しい携帯が必要になる。オレの名義では契約が出来ないから、お前の名義で契約してくれないか」と頼まれた。
Aさんは、Bが携帯を犯罪に使用するのではないかと心配になったが、Bとは日頃から仲が良かったことから、「わかった。用意する。」と返事をした。
Aは、Bに譲渡する目的で、携帯電話ショップに行き、A名義で携帯電話を契約し、その引き渡しを受けた。
その後、AはBに契約した携帯電話を渡したが、その後は一切Bに関与しなかった。
後日、Bはオレオレ詐欺で逮捕され、Aは福岡県門司警察署から出頭するよう求められた。
(上記の事例はフィクションです。)

~携帯電話不正利用防止法違反~

自己名義の携帯電話を、親族以外の第三者に、携帯電話事業者に無断で譲渡することは「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」(以下、「携帯電話不正利用防止法」と略します)で禁止されています。

自己が契約者になっている携帯電話を親族又は生計を同じくしている者に対し譲渡する場合には、携帯電話会社の承諾を得なければならないとされています(携帯電話不正利用法7条1項)。
もっとも、「業として有償で」携帯電話を譲渡した場合にのみ、罰則が科されることになります(携帯電話不正利用法20条1項)。
上記のAさんは、単にBに頼まれ、無償で携帯を渡したにすぎないため、「業として有償で」にあたらず、懲役や罰金という刑罰が科されることはないでしょう。

~詐欺罪の成否~

ただし、上記のように法律上無断譲渡が禁止されているにもかかわらず、他人に無断譲渡する意図を秘して携帯電話を契約する行為には、携帯電話ショップに対する詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪が成立するためには、①欺く行為、②被害者の錯誤、③財物の交付が必要となります。

確かにAさんは、携帯電話ショップに対し、積極的に嘘をついたわけではないため、①欺く行為がないとも思えます。
しかし、上記のように携帯電話の無断譲渡が禁止されている以上、そのような無断譲渡意図を隠して携帯電話の購入を申し込む行為それ自体が、自ら携帯電話を利用するよう装う行為といえます。
また、携帯電話ショップとしては、Aさんが携帯電話を第三者であるBに渡すつもりであることを知っていれば、当然契約を締結しなかったといえます。
したがって、Aさんが譲渡目的を隠して携帯電話の購入を申し込む行為そのものが①欺く行為にあたり、②被害者の錯誤(今回の場合、携帯ショップが譲渡目的でないと勘違いすること)も認められます。
さらに、Aさんは、携帯電話という財物を受け取っていることから、③財物の交付もあるといえます。
以上より、Aさんには携帯電話ショップに対する詐欺罪が成立すると考えられます。

~建造物侵入罪の成否~

また、携帯電話ショップの店長としては、上記のような無断譲渡意図を有する者が入店することそのものを拒否することも考えられます。
そのため、Aさんが携帯電話ショップに入店した行為については、携帯電話ショップという「建造物」に、店長の意思に反して立ち入った(「侵入した」)といえ、Aさんには建造物侵入罪が成立する可能性もあります。

以上のように、今回の事例のAさんには詐欺罪、建造物侵入罪が成立する可能性があります。
そのため、任意での取調べの後に逮捕、勾留といった身柄拘束のおそれがあります。
Aさんとしては、早期の段階で弁護人を選任することで、身柄拘束がなされずに済んだり、その期間が短縮される可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では上記のような詐欺事件、刑事事件に強い弁護士初回接見サービス無料法律相談を行っています。
まずはご予約からフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
福岡県門司警察署までの初回接見費用 41,940円)

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