ブランド品詐欺で逮捕されてしまった事例を題材に、刑事弁護士による弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは、Vに対して高級ブランド品に類似した商標を付したバッグを、真正の高級ブランド品であるかのように装い譲渡を持ちかけた。
Vは、上記バッグを真正の高級ブランド品と誤信し、Aに対して真正ブランド品相当額の金銭を交付した。
●●警察署の警察官は、Aを詐欺等の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~ブランド品詐欺で逮捕~
本件でAは逮捕されてしまっていますが、Aの行為にはどのような犯罪が成立することになるのでしょうか。
(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 (略)
まず、Aの行為に上記刑法246条1項の詐欺罪が成立することが考えられます。
Aは、偽のブランド品バッグを、真正の高級ブランド品でないにもかかわらずこれが真正の品であるかのように装い、Vをだましています。
これは同条項にいう欺もう行為(「人を欺いて」)に当たり、これによって当該バッグが本物のブランドバッグであるとの錯誤に陥ったVから現金をだまし取っており、「財物を交付させた」といえます。
したがって、AがVから現金を詐取した行為には、刑法上の詐欺罪が成立することになるでしょう。
加えて、注意すべきなのがAの行為は商標法にも違反する可能性が高いということです。
この点に関し、商標法78条および78の2条は、商標権侵害罪について定めを置いています。
(侵害の罪)
第78条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第78条の2 第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
本件では、Aは真正の高級ブランド品に類似した商標を使用していることから商標権を侵害するものとみなされます(同法37条1号)。
したがって、上記法78条の2に反するものとして、商標権侵害罪が成立すると考えられます。
~刑事弁護士による弁護活動~
本件詐欺事件のような財産犯においては、被害が事後的に回復されたかどうかが刑事処分を決めるに当たって重要な要素となってきます。
したがって、詐欺被害者に対して、被害弁償等をすることによって示談を成立させることが弁護活動における少なくないウェイトを占めることになります。
示談にあたって要する金額については、ケースバイケースということにならざるを得ませんが、多くの場合は被害者に対する慰謝料的側面も加味してその金額が決定されることになるでしょう。
さらに、本件では詐欺以外にも特別刑法(本件では商標法違反)に関する弁護活動もまた必要であり、その重要性は詐欺事件に勝るとも劣りません。
よって、詐欺事件のみならず刑事事件全般についての専門性を有する弁護士に相談することが肝要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺事件などの典型的な刑法犯以外の特別刑法犯に関する相談もお受付しております。
詐欺事件や商標法違反事件で逮捕されてしまった方のご家族は、24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにお問い合わせください。