持続化給付金詐欺で逮捕された事例を題材に、勾留を避ける弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは、持続化給付金をだまし取ろうと思い立ち、同制度の対象者でないにもかかわらず、虚偽の申請を行った。
後日、Aの口座に持続化給付金の入金があった。警察官は、Aを詐欺の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~持続化給付金詐欺で逮捕のおそれ~
新型コロナウイルス感染症により経済的な損失等を被った個人や法人を対象とした支援制度を悪用し、これを不正に受給するケースが後を絶ちません。
このような支援制度は申請の簡便さ等から、若年層などの不正受給も目立っており、社会問題の一つとして認識されつつあります。
不正受給の多くは、詐欺罪にあたる行為であり、逮捕されてしまうなどリスクの高い行為です。
刑法246条1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と詐欺罪に関する規定を置いています。
上記詐欺罪(1項詐欺罪)が成立するためには、人を欺く行為→相手方の錯誤→財物の交付→財物の取得という要件を満たす必要があります。
本件Aは、本来持続化給付金の対象者ではないのにも関わらず対象者であるかのように装い虚偽の申請をしており、これは人を欺く行為に該当します。
これにより相手方をAが受給対象者であると錯誤させ、給付金を交付させこれを取得していることから、Aの不正受給行為には詐欺罪が成立するものと考えられるのです。
~勾留を阻止するための弁護活動~
逮捕されてしまうと、48時間以内に検察への送致手続がなされ、身柄を受け取った検察は24時間以内(逮捕から72時間以内)に勾留請求するかどうかを決めなければなりません。
勾留請求とは、逮捕後に引き続いて勾留という身体拘束を求めるもので、勾留決定がされると10日間という逮捕に比べて比較的長期の身体拘束処分がなされることになります。
10日間(延長を含めると最大20日間)もの間、外界から遮断されてしまうと、社会生活上も少なくない不利益を被る可能性が高く、このような身体拘束を避けるための弁護活動が求められることになります。
私選の弁護士のメリットとして、逮捕後の早期段階から弁護活動を行えることがあります。
勾留を回避する弁護活動として、勾留請求前に検察官に対し、あるいは勾留決定の判断権者である裁判官に対し、勾留すべきではない旨の意見を述べる(あるいは意見書を提出する)
等の活動が挙げられます。
この時、弁護士としては、刑事訴訟法が勾留要件として規定する逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれ等がないことを具体的事実にもとづき主張することになります。
このような活動は勾留決定後の国選弁護では行えない活動であり、逮捕されてしまった方の不利益を最小化するために逮捕後の早い段階から弁護活動を行うことの重要性の一例といえます。
刑事事件は時間との闘いであるとよく言われるところですが、私選でなければ行えない活動があることも十分に認識する必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、持続化給付金詐欺などの詐欺事件を含む刑事事件を専門として取り扱っている法律事務所です。
弊所では、多数の詐欺事件を解決した実績を有する弁護士がご相談等をお受けします。
刑事事件に関する高い専門性を有した弁護士であるからこそ、迅速かつ適切な弁護活動を行うことが可能です。
詐欺事件で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお電話ください。