マッチングアプリで出会い系詐欺事件
マッチングアプリで出会い系詐欺事件を起こしたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府堺市西区に住むVさんは、マッチングアプリXに登録しました。
マッチングアプリXでは、マッチングした相手と一定以上メッセージのやり取りをするためには有料のポイントを使用することが必要でした。
Vさんは、マッチング相手とやり取りをするために度々有料のポイントを購入していたのですが、やり取りをしていた相手がポイントを一定以上使ったところで連絡が途絶えることを不審に思い、大阪府西堺警察署に相談しました。
同じ様な被害が届けられていたことから、大阪府西堺警察署が捜査を開始。
捜査の結果、マッチングアプリXを運営していたAさんはサクラを雇ってマッチングアプリに登録した人に有料ポイントを購入させていたと発覚しました。
詐欺罪の容疑で逮捕されたAさんのことを知ったAさんの家族は、弁護士に接見を依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・出会い系詐欺事件
今回のAさんは、出会い系詐欺事件の容疑者として詐欺罪の容疑で逮捕されているようです。
出会い系詐欺は、今回のようにマッチングアプリや出会い系サイトの運営側でサクラを用意してやり取りさせ、やり取りに必要な有料ポイントを購入させるというやり口が多く見られます。
この手口による詐欺行為は、サクラサイト詐欺などとも呼ばれます。
この他にも、利用は無料と謳いながら利用料を請求したり、有料サイトへと誘導したりする手口も出会い系詐欺の手口として挙げられます。
詐欺罪は、刑法の以下の条文に定められています。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪の「人を欺いて」とは、相手が財物を交付する判断をするときに重要な事実を偽ることであるとされています。
例えば今回のAさんの起こしたマッチングアプリでの出会い系詐欺事件にあてはめて考えてみましょう。
今回の出会い系詐欺事件では、マッチングアプリの利用者は同じくマッチングアプリの利用者とマッチしてやり取りをすると思ってマッチングアプリを利用し、有料ポイントを購入=代金をマッチングアプリへ渡しているということになります。
しかし、実際にはマッチングアプリを運営している側でサクラを雇い、やり取りを長引かせてポイントを購入するよう仕向けていました。
当然、マッチングアプリの利用者からすれば、やり取りの相手がサクラであると知っていればポイントを購入してまでやり取りを続けようとは考えなかったでしょう。
すなわち、今回のようなマッチングアプリでの出会い系詐欺事件では、「やり取りの相手がマッチングアプリの利用者である」という、マッチングアプリの利用者がポイントを購入する=マッチングアプリへ代金を渡すかどうか判断するときに重要な事実を偽っていることになります。
そして、その偽りによって騙されたマッチングアプリの利用者がポイントを購入=代金をマッチングアプリに渡しているわけですから、「人を欺いて財物を交付させた」といえ、詐欺罪が成立すると考えられるのです。
・詐欺事件の逮捕
今回のAさんはマッチングアプリを利用して出会い系詐欺をしていたようですが、こうした詐欺事件では事件の関係者や共犯者が多くいることが予想されます。
そのような場合、口裏合わせなどの証拠隠滅のおそれがあるため、逮捕され身体拘束されての捜査を受けることも多いです。
特に今回のようなマッチングアプリを利用しての出会い系詐欺事件では、被害者が多く再逮捕が繰り返される可能性や、被害者が届け出た警察署が被疑者の住所から遠方である可能性もあり、なかなか当事者だけで対応していくのが難しいと考えられます。
だからこそ、出会い系詐欺事件で逮捕されてしまったら、まずは刑事事件に対応している弁護士に相談することが望ましいのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士がご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。