電子決済による詐欺で逮捕・家族による接見

詐欺で逮捕された事例を題材に家族による接見等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

ケース:Aは、V店において、クレジットカードを使った電子決済が可能な他人のスマートフォンを使用し、商品をだまし取った。
愛知県中警察署の警察官は、Aを詐欺の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~スマートフォンを使用したクレジットカード詐欺~ 

本件では、他人のスマートフォンを使った電子決済が問題となっていますが、これは他人のクレジットカードを使った場合と同様の処理がなされることになるものと思われます。
では、V店を被害者とした詐欺罪が成立するのか、以下検討してみましょう。
なお、仮にAの使用したスマートフォンが他人から奪取等したものであった場合には窃盗罪(や占有離脱物横領罪)などが別途成立しうることは言うまでもありません。

刑法246条1項により、詐欺罪が成立するためには、①欺罔行為②錯誤③交付行為④財物の取得という要件を満たす必要があります。
クレジットカード会社の会員となり、クレジットカードを使用するためには様々な審査が行われた上で、カード会社が審査要件を満たしたと判断した者だけが会員としてクレジットカードを使用することができることになります。
つまり、クレジットカードは個人の信用を前提としてシステムが成り立っている以上、名義人でない者が使用することは予定されていないといえます。
したがって、名義人であることを偽って電子決済したAの行為は、財物交付の基礎となる事項を偽ったものといえ、①欺罔行為性が認められます。
そして、Aをクレジットカードの名義人と誤信し(②錯誤)、商品が交付されているため(③交付行為、④財物の取得)、詐欺罪の成立が認められるものといえるでしょう。

なお、本罪(刑法246条)の公訴時効は7年(刑事訴訟法250条2項4号)であり、行為時からある程度の時間が経過していたとしても刑事事件化することはないと即断することは危険です。
仮に本事例とは異なり、逮捕されていない場合においても、専門家である弁護士に相談する必要があるでしょう。

~接見禁止処分を争う弁護活動~

逮捕されてしまった方は、逮捕後・勾留前は家族との接見(面会)はできず、この間は専ら弁護士による接見(面会)よるサポートが原則となります。
法的なアドバイス等は専門家である弁護士によるサポートが必須ですが、逮捕・勾留にともなう精神的な負担は弁護士による対応のみでは賄い切れない可能性もあります。
したがって、気心の知れた家族等との面会が、逮捕されてしまった方への精神的なサポートとして重要となってくるのです。
もっとも、逮捕後の勾留決定には接見禁止処分が付されていることも少なくありません。

弁護士による接見(刑事訴訟法39条1項)が、憲法上の弁護人依頼権に由来し、接見禁止処分を付すことは許されません。
これに対して、勾留後であれば家族等の一般の方による接見も刑事で認められる(刑事訴訟法80条)ものの、上記の弁護士による接見とは異なり同法81条本文にて接見を禁止することが認められているのです。
したがって、このような家族等に対する接見禁止処分が付されている場合、弁護士としては「勾留……に関する裁判」として準抗告(同法429条1項2号)を申立て、その禁止処分の解除を求める弁護活動等を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、電子決済機能を使った現代的な詐欺事件を含む刑事事件を専門としている法律事務所です。
詐欺事件で逮捕された方のご家族は、24時間・365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお問い合わせください。

 

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