友人から借りた5万円を返さず、被害届を出された事例
借りたお金を返さなかったことで被害届を提出された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
お金に困っていたAさんは1週間後に返す約束で友人から5万円を借りました。
1週間後、友人から5万円を返すように催促されましたが、Aさんはもう少し待つように伝えました。
以降、友人は何度もAさんに催促しましたが、一向にAさんからの返済はありませんでした。
1年後、Aさんは業を煮やした友人に、「京都府伏見警察署に詐欺罪で被害届を出した」と伝えられました。
Aさんに詐欺罪は成立するのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
詐欺罪
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪は簡単に説明すると、人に対して、財物を交付させるうえで重要な判断事項になる事柄についてうそをつき、うそを信じた相手から財物を受け取ると成立する犯罪です。
詐欺罪が成立するために必要なことは、
①人にうそをつくこと
②そのうそが財物を渡すか判断するうえで重要な事項であること
③相手がうそを信じること
④相手から財物の交付を受けること
です。
では、今回の事例ではAさんに詐欺罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、場合によってはAさんに詐欺罪が成立する可能性があります。
例えば、Aさんが友人に返すつもりがないのに5万円を借りたとしましょう。
Aさんは実際には返すつもりがないのに、友人に1週間後に返すと約束して5万円を受け取っています。
ですので、Aさんはお金を借りる際に、①友人にうそをついていたことになります。
また、友人は何度もAさんに返済を催促し、警察署に被害届も提出していますから、科した5万円が返ってこないと知っていれば、Aさんにお金を貸さなかったでしょう。
ですので、Aさんは②友人がお金を渡すか判断するうえで重要な事項についてうそをついたといえます。
加えて、友人は③Aさんの1週間後に返すといううそを信じてAさんに5万円を渡し、Aさんは④友人から5万円を受け取っています。
始めから5万円を返すつもりがなかった場合には、Aさんは重要な事柄についてうそをついて、信じた友人に財物である5万円を交付させていますので、Aさんに詐欺罪が成立する可能性があるといえます。
詐欺罪は有罪になると、10年以下の懲役を科されることになり、決して科される罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、執行猶予付き判決を獲得できたとしても、前科は付きますから、現在の生活や将来に悪影響を及ぼす可能性があります。
Aさんは1年にわたって友人から催促されていたにもかかわらず返済していませんので、Aさん自身としては返済する意思があったとしても、返済する意思がないと判断されて始めからAさんには返済する意思がなかったと認められてしまう可能性は十分に考えられます。
弁護士による弁護活動で、詐欺罪で有罪になることを阻止できるかもしれません。
ですので、一度、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881までお電話ください。