職権詐欺事件の逮捕を相談
職権詐欺事件の逮捕を相談したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、千葉市美浜区に住んでいるVさん宅を訪ねると、「X新聞の者ですが、新聞料金を半年分先払いすることで割引になるキャンペーンが始まったのでお伺いしました」などと話し、Vさんからこの先半年分の新聞料金として2万円をもらいました。
しかし、Aさんの話は嘘であり、そもそもAさんはX新聞社の社員でもありませんでした。
しばらくして、支払ったはずの新聞料金が引き落とされたことからVさんがX新聞に問い合わせたことからAさんの行為が発覚。
Vさんは、職権詐欺の被害に遭ったとして千葉県千葉西警察署に相談し、そこから職権詐欺事件の捜査が開始されました。
捜査の結果、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕され、その連絡を受けたAさんの家族は千葉県の刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・職権詐欺
職権詐欺とは、詐欺のうち、「身分を詐称し検査や捜査などを装い、押収や没収、内済などを口実に金品を騙し取る」手口を用いる詐欺を指します(警察庁犯罪手口資料取扱細則より)。
職権詐欺の典型的な例としては、ガスや水道などに関連した業者を装って訪問し、点検料や修繕費などの名目でお金を騙し取るといったものが挙げられます。
その他にも、今回のAさんのように新聞業者を装って料金の先払いを口実に料金を回収していったり、公務員を名乗って保険料や年金の未払いがあるといってお金を騙し取る職権詐欺が見られます。
職権詐欺は、当然刑法の詐欺罪にあたる行為です。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪の「人を欺いて」とは、簡単に言えば「人を騙して」ということなのですが、単に人に嘘をつくだけでは詐欺罪の「人を欺い」たということには当てはまりません。
詐欺罪のいう「人を欺い」たことに当てはまるには、財物を引き渡させるためについた嘘であり、さらにその嘘の内容が、相手が財物を引き渡す判断をする際に重要な事項を偽ること、すなわち、この事実が嘘であれば財物を引き渡すことはないだろうという事実を偽ることが必要だとされています。
職権詐欺の場合、被害者は相手がその身分だからこそ財物を引き渡しているにも関わらず、職権詐欺を行っている者はその身分を偽っているため、詐欺罪の条文に当てはまるということになるのです。
今回のAさんの職権詐欺事件で考えてみましょう。
Aさんは自分は新聞社の者であり、新聞料金を半年分先払いすれば安くなるという嘘をついています。
Vさんからしてみれば、Aさんが新聞社の社員ではなければAさんに新聞料金を渡す理由はありませんから、AさんはVさんに新聞料金を引き渡させるために、Vさんが新聞料金を渡すかどうかを判断する際に重要な事実=新聞社の者であるのかどうかということを偽ったことになります。
つまり、AさんはVさんという「人」を「欺いて」、新聞料金という「財物」を「交付させた」ことになるため、詐欺罪にあたるのです。
詐欺罪は、条文にもある通り刑罰が懲役刑しか設定されておらず、詐欺罪で有罪になるということは、執行猶予が付かなければ刑務所へ行くことに直結します。
たとえ被害額が少なくとも刑務所へ行く可能性が出てくるため、入念な弁護活動が求められます。
特に、複数の詐欺事件を起こしている場合には、1つ1つの被害額が少なくとも悪質であると判断されて厳しい刑罰が下される可能性も高まります。
職権詐欺事件の被疑者となってしまったら、早期に弁護活動に取りかかってもらえるよう、早めに弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、職権詐欺事件を含む詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください(0120-631-881)。