生成AIで作成した画像を使用し女性になりすましてSNSで知り合った男性から金銭を騙し取った男を逮捕
生成AIで作成した画像を使用し女性になりすまして、SNSで知り合った男性を騙して電子マネー10万円分を送金させたとして詐欺罪の疑いで男が逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事件概要
京都府中京警察署は、生成AIで作成した女性の写真を使って女性になりすまし、SNS上で知り合った男性Vを騙して電子マネー10万円分を送金させた疑いで、無職の男A(35)を逮捕した。
Aは、生成AIを使って生成した女性の画像と動画を、SNSのアイコンや投稿に使用して、女性になりすまし、投稿にコメントしてきた男性ユーザーV等に対しDMを送り、電子マネーと引き換えに直接会うことを持ちかけていた。
京都府中京警察署によると、Aは、少なくとも3人の男性ユーザーから直接会うこと条件に電子マネーを合計10万円分送金させながら、実際には待ち合わせ場所に向かわずにドタキャンしたとされる。
電子マネーを送金した男性ユーザーから警察に被害届が提出された結果、Aは逮捕された。
取調べに対しAは、「お金が欲しくてやった。騙される方が悪いと思う」などと容疑を認める供述をしている。
(フィクションです)
詐欺罪とは
刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
「人を欺いて財物を交付させた」というのは、①被害者を欺いて(欺罔行為)、②それにより被害者が錯誤に陥り、③その錯誤に基づいて被害者が処分行為を行い、④その処分行為により財物が行為者に移転する、ということを意味します。
本件では、Aは、生成AIを用いて生成した女性の画像や動画を用いることで自身が女性であるかのように振る舞って、男性ユーザーを騙して電子マネーを送金させていますから、詐欺罪が成立する可能性があります。
第一に、詐欺罪となりうる欺罔行為(①)とは、財物の交付に向けて人を錯誤に陥らせることをいい、その内容は財物の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることであるとされています。
Aは、色仕掛けで電子マネーを送金させようとして、生成AIを用いて生成した女性の画像などを用いることで自身が女性であると男性ユーザーに信じ込ませ、電子マネーを払えばAに会うことができるという錯誤に陥らせたようです。
仮に、V等が、Aの投稿は生成AIによって生成された実在しない女性であり、投稿主であるAが男性であると知っていたら、Aと会いたいとは思わなかったでしょうから、Aに電子マネーを送金することもなかったと考えられますから、Aは財物交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ったと言えそうです。
したがって、Aは、V等を欺いて(①)、その欺罔行為によりAが女性であり電子マネーを送金すればAに会うことができるという錯誤に陥らせ(②)、その錯誤に基づいて電子マネーをAに送金させ(③)、その処分行為により電子マネーがAに移転したと言えそうですから、詐欺罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
詐欺罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で迅速に示談を結ぶことが重要です。
早期に示談を結ぶことができれば不起訴処分となる可能性があります。仮に不起訴処分となれば前科がつくこともありません。
起訴後に示談が成立した場合でも、罪の減軽や執行猶予付判決が得られる可能性がありますから、遅くとも判決が下される前の段階で示談を締結することが重要です。
本件のようにAが逮捕されている場合、独力で示談交渉することは不可能ですが、仮に逮捕されていなかったとしても、加害者が自ら示談交渉することは得策ではありません。
本件V等からすれば、Aは女性になりすまして色仕掛けをしてきた相手なわけであり、Aに対して強い処罰感情を有しているでしょうから、示談交渉に応じてもらえない可能性が高いです。
そこで、示談交渉は交渉のプロである弁護士に一任することをおすすめします。
加害者からの連絡を拒絶する被害者であっても、弁護士が相手であれば、示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、豊富な示談交渉の経験を持つ法律事務所です。
詐欺事件をはじめとする刑事事件の豊富な弁護活動を行ってきた弊所の弁護士が示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。