埼玉県飯能市の詐欺・窃盗事件で逮捕

埼玉県飯能市の詐欺・窃盗事件で逮捕

Aは、警察官を装って、埼玉県飯能市に住んでいるV(65歳)に電話をし、Vのキャッシュカードが不正利用されているから停止措置を採らなければならないなどと嘘をつき、キャッシュカードをだましとった。
さらに、Aはこのキャッシュカードを使って銀行のATMから現金を引き出した。
その後、不正に預金を引き出されたことに気づいたAが通報したことで捜査が開始され、埼玉県飯能警察署の警察官は、Aを詐欺罪および窃盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~キャッシュカード詐欺における詐欺罪と窃盗罪~

まず、キャッシュカードをVからだまして受け取った行為について詐欺罪の成否が問題となります。
詐欺罪(246条1項)の対象として「財物」であることが前提になりますが、キャッシュカードも財産的価値が認められる以上、刑法の財産犯規定によって保護の対象となります。
このような「財物」であるキャッシュカードを、Vを欺いて「交付」させていることから、Aには詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。

次に、ATMで上記Vのキャッシュカードを使って現金をおろした行為に、どのような犯罪が成立するのでしょうか。
詐欺罪は「人」を欺くことを手段とする犯罪ですから、誰もだましていないATMで現金をおろすという行為には詐欺罪は成立しません。
ではどういった犯罪の可能性があるかと言うと、窃盗罪の成立が考えられます(刑法235条)。

刑法235条は、①他人の財物を、②窃取した者を窃盗罪とするものと規定しています。
まず「他人の財物」とは、他人が占有する財物をいい、この占有は財物に対する事実上の支配も含むとされています。
ここでATM内の現金を事実上の支配によって占有しているのは、上記詐欺行為の被害者のVではなく、ATMが設置されてある銀行であると考えられます。
したがって、Aはこの銀行の占有を侵害して現金を自らのもとへ移転させていることから(②「窃取」)、Aには銀行を被害者とする窃盗罪が成立するものと考えられるのです。
なお、Aが他人のキャッシュカードで現金をおろす意図を秘して、ATM設置の店舗に侵入した行為につき建造物侵入罪(刑法130条前段)も成立しうることに注意が必要です。

~勾留阻止の弁護活動~

刑事訴訟法は(207条1項本文を受けた)60条1項・87条1項において、逮捕された被疑者を勾留できる旨定めています。

逮捕された被疑者を勾留するためには、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(60条1項柱書)があり、次の各号のいずれかに当たることが必要となります。
・被疑者が定まつた住居を有しないとき(同条項1号)
・被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(同条項2号)
・被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき(同条項3号)
1号該当性は通常否定されることが少なくないことから、勾留が認められるかどうかを争う際には、2号および3号の該当性が問題になることになります。

2号の罪証隠滅のおそれがあるか否かの判断では、罪証隠滅の対象・態様そしてその客観的可能性や主観的可能性が検討されることになります。
次に、3号の逃亡し又は逃亡のおそれがあるか否かの判断では、生活環境が安定しているかや犯罪の軽重などが考慮されます。
仮に上記各号事由が認められたしても、逮捕された被疑者を勾留するためには87条1項により、勾留の必要性(相当性)が認められることが必要になります。
弁護士としては、勾留することの捜査上の利益を上回る不利益があるとして勾留の必要性がないことを主張することなどが考えられます。
さらに勾留が認められたとしても、勾留延長(208条2項)を争うなど、刑事事件においては起訴前の数日間数週間の攻防が重要になってくるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご家族が詐欺窃盗事件で逮捕された方のお問い合わせを承っておりますので、まずは遠慮なくお電話ください。
埼玉県飯能警察署までの初回接見費用:42,800円

 

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