横浜の還付金詐欺(電子計算機使用詐欺罪)で逮捕

横浜の還付金詐欺(電子計算機使用詐欺罪)で逮捕

Aは、横浜市都筑区の役所の人間であるかのように装い、V(69歳)に電話を架け、医療費の還付金がある旨を告げた。
Vは、Aの電話に指示されるがままにATMを操作し、自身が振込手続きをさせられているとは気づかないまま、100万円をA指定の口座に振り込んだ。
その後、神奈川県都筑警察署の警察官は、Aを電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は、特殊詐欺を含む詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~還付金詐欺と詐欺罪の成否~

いわゆる特殊詐欺の一種として、主としてお年寄りを騙した還付金詐欺の被害が横行していると言われています。
では、このような還付金詐欺行為に、いわゆる通常の詐欺罪が成立するのでしょうか。
刑法246条は、「人を欺いて財物を交付させた者」や「人を欺いて」「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、詐欺罪を行った者として罰する旨定めています。
まず、詐欺罪が成立するためには、「人を欺」く行為が必要となります。
詐欺罪とは、錯誤によって被害者の意思にもとづいて「財物」や「財産上不法の利益」を交付させることを本質とする犯罪です。
したがって、詐欺罪によって罰するに値する「人を欺」く行為といえるためには、交付意思による交付行為を導くような性質のものである必要があります。
しかし、本件では、老齢であるVはAに言われるままに誘導され100万円を送金しており、そもそもこれが振り込みであるという認識すら有していません。
したがって、Vには「財物」や「財産上不法の利益」を交付(処分)する意思がないと考えられ、本件のような還付金詐欺行為詐欺罪によって処罰することができないと考えられるのです。

そこで、実務上は、これを電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)として処罰しています。
電子計算機使用詐欺(刑法246条の2)は、「前条(=詐欺罪)に規定するもののほか」という条文上の規定からして、詐欺罪を補充・補完する規定として創設されています。
刑法246条の2は、
・「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報……を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」
・「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた」
場合を、電子計算機使用詐欺罪の一類型として規定しています。
上記にいう「虚偽の情報」とは、当該事務システムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、それが真実に反する情報のこというとされています。
これを本件のような銀行振込みに即していうと、入金等の処理の原因となる経済的・資本的実体を伴わないか、又はそれに符号しない情報を与えることが、電子計算機使用詐欺罪にいう「虚偽の情報」にあたることになります。
本件では、実際には還付金など存在しないにもかかわらず、これを原因として振込みが行われており、ATMという「電子計算機」に「虚偽の情報」を与えていると考えられます。
そして、それに基づいて、Vの意思に反した100万円の送金が行われていることから、「不実の電磁的記録を作」っていると考えられるのです。

もっとも、上記のような本件電子計算機使用詐欺罪にあたる客観的行為を行っているのはV自身であり、Aではありません。
とはいえ、VはAの意のままに操られているといえ、実際に上記行為を行っているのはAであると評価できます。
判例・通説上も、他人の行為を一方的に支配利用し自己の犯罪を実現したといえる場合には、間接正犯として正犯としての刑事責任を負うと考えられます。
したがって、本件ではAに電子計算機使用詐欺罪が成立するものと考えられます。
なお、還付金詐欺であっても、「還付のためには手数料がいる」「一度振込を行ってもらってからまとめて還付する」というような文言で被害者を騙し振り込みをさせたような場合には、「人を欺」いて振り込みをさせていることから、電子計算機使用詐欺罪ではなく、通常の詐欺罪が成立すると考えられます。

詐欺罪は、刑法において財産犯と呼ばれる犯罪類型であり、財産犯が財産に対する違法な侵害を罰する罪である以上、被害者の財産状態を回復させる被害弁償をすることがまずは重要といえます。
弁護士としては、このような被害弁償を含めた示談交渉することにより、被害者の被害感情に十分に配慮し、被疑者・被告人の刑事責任の軽減を図っていくことになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、近年増加の一途をたどる特殊詐欺を含む詐欺事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
還付金詐欺などで電子計算機使用詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族は、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
神奈川県都筑警察署までの初回接見費用:36,800円

 

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