(大阪府岸和田市)受け子の接見等禁止一部解除活動

(大阪府岸和田市)受け子の接見等禁止一部解除活動

~ケース~
Aさんは定まった住居を持たず,全国各地のネットカフェで寝泊まりしながら,全国的に特殊詐欺を行っていた組織の受け子をしていた。
組織がAさんがいる付近の老人に対しオレオレ詐欺や還付金詐欺などを仕掛け,Aさんが現金を受け取り一部を報酬として受け取っていた。
ある日,いつものように大阪府岸和田市受け子としてお金を受け取ったところ,実は不審に思ったVが大阪府岸和田警察署に通報していた。
張り込んでいた警察官にAさんは詐欺罪の疑いで現行犯逮捕された。
Aさんはその後勾留され,接見等禁止処分が付された。
逮捕の知らせを聞いたAの家族はAと面会をしたいと思い,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談した。
(フィクションです)

~特殊詐欺事件~

オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺は組織的に行われることが多く,特殊詐欺の被害者から金銭を受け取るのが受け子と呼ばれる者です。
詐欺罪は刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する」と規定されています。
今回のケースのような受け子は条文にある「欺く」という行為自体は行っておらず,「財物の交付」を受けるだけです。
こういった場合に刑法60条は「2人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする」と定めています。
この規定は共同正犯と呼ばれ,犯罪行為を分担して実行した場合にも「一部実行全部責任」の観点から詐欺罪として罰せられます。
今回のケースではAさんは特殊詐欺受け子であると認識していると思われますので,Aさんは詐欺罪の共同正犯となります。

~接見禁止~

今回のケースでは,Aさんは定まった住居を持っていないので,逮捕後48時間以内に検察官に送致され勾留請求されるでしょう。
勾留の理由として刑事訴訟法60条1項1号が「被告人が定まった住居を有しない」ことが規定されており,刑事訴訟法207条1項により被疑者の勾留について準用されています。
その為,Aの勾留を阻止するのは非常に難しいでしょう。

刑事訴訟法39条1項は,「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見できる」と規定しています。
一方で,刑事訴訟法81条で「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者(弁護人または弁護人になろうとする者)以外の者との接見を禁じ」ています(被疑者段階での勾留について刑事訴訟法207条1項によって準用)。

今回のような特殊詐欺事件では,主犯格が捕まってしまった受け子などに対して余計なことを話さないように口封じをすることが考えられます。
そうなると,「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由ある」と判断され,Aさんのように接見等禁止処分が付されてしまうことも考えられます。
接見等禁止処分が出されると,たとえ事件に関係のない家族の方であっても接見することはできません。

そこで,弁護士はこの処分に対して準抗告(刑事訴訟法429条1項2号)を提出することが考えられます。
しかし,接見等禁止処分は犯罪捜査の上で必要と判断されて出されていますので,準抗告はなかなか認められません。
そのような場合には,家族などの事件とは無関係で罪証隠滅のおそれがない者との接見等禁止の一部解除を申し立てることが考えられます。
この申し立ては刑事訴訟法上に明文規定はありませんが,最高裁の決定によって判例上認められています(最決平成7・3・6)。
接見等禁止の一部解除の申し立てが認められれば,Aさんの家族はAさんと接見できるようになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族の方が詐欺事件などで逮捕され,面会できない等お悩みの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
大阪府岸和田警察署までの初回接見費用:39,600円

 

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