2項詐欺罪・他人名義のクレジットカード詐欺

2項詐欺罪・他人名義のクレジットカード詐欺

2項詐欺・他人名義のクレジットカード詐欺について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aは,宿泊施設において,東京都豊島区在住のVという他人名義のクレジットカードを使って,当該施設に宿泊した。
Vが利用した覚えのない宿泊施設の利用料をクレジットカード会社から請求されたのに気づいたことをきっかけに警視庁巣鴨警察署に相談。
後日,捜査を行った警視庁巣鴨警察署の警察官は,Aを詐欺罪の疑いで任意で取調べ・事情聴取を行った。
そこでAは,詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)

~他人名義のクレジットカードの使用と詐欺罪~

本件では, Aは他人名義のクレジットカードを使って宿泊施設を利用しています。
このような場合,具体的にはどのような犯罪が成立するのでしょうか。
クレジットカードの入手方法によっては,窃盗罪や占有離脱物横領罪の成否も問題になりますが,本稿ではまずは宿泊行為を中心に解説することとします。

まず,刑法は246条において詐欺罪についての規定を置いています。
同条1項は,「人を欺いて財物を交付させた者」を詐欺罪にする旨定めています(いわゆる1項詐欺)。
さらに同条2項により,「人を欺いて」「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」も詐欺罪に問われることになります(いわゆる2項詐欺)。
本件においてAが,「人を欺いて」詐取したといえるのは,具体的な金銭等の「財物」ではなく,宿泊サービスという「財産上…の利益」であり,本件では2項詐欺の成否が問題となります(もっとも,1項詐欺2項詐欺で法定刑などに違いはありません。)。
そして,一般にクレジットカード加盟店は,クレジットカードの使用の際に本人確認義務を負うこととされており,この本人確認に対して本人と偽りクレジットカードを使用する行為は,「人を欺いて」「財産上…の利益を得」たものとして2項詐欺が成立する可能性があるのです。

なお,Aが宿泊する際に,伝票等に名義を偽り署名した場合(Aがクレジットカード名義人を装って署名した場合など)は,私文書偽造及び同行使罪(刑法159条1項・161条1項)が成立しうることにも注意が必要です。

~2項詐欺罪における弁護活動~

この点,弁護士としては,まずは当該クレジットカードの入手経路を確認する必要があります。
判例(最高裁平成16年2月9日決定)は,他人名義のクレジットカードを使用していたとしても,これが近親者等の同意に基づくものであった場合には,詐欺罪が成立しない余地を認めているとも考えられるためです。
したがって,そのようなケースと認められる場合には,Aに詐欺罪等は成立しない旨を主張していく可能性が考えられます。

もっとも,このようなケースが刑事事件として捜査の対象になるのは稀であると考えられ,別の可能性にも十分に留意する必要があります。
たとえば,仮にクレジットカードを窃盗罪等の犯罪行為によって取得していた場合には,この前提行為も捜査対象となりうることから,弁護士との十分な話し合いが重要となってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,詐欺事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺罪(刑法246条)は,「10年以下の懲役に処する」と懲役刑のみを定めており,他の犯罪との関係や前科・前歴等から最悪の場合には懲役刑の実刑判決を受けてしまう可能性があります(すでに執行猶予付判決を受けているか否かも極めて重要です。)。
また,場合によっては,警察が逮捕に踏み切る可能性も否定できません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には,詐欺罪などの財産犯の弁護活動を多く経験した弁護士が多数所属しております。
詐欺事件で取調べ・事情聴取等を受けた方は,365日年中無休の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで,お早めのお電話をおすすめいたします。
刑事事件専門の弁護士による初回無料相談サービス等をご用意しておりますので,まずは上記フリーダイヤルまでお問合せください。

 

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