(事例紹介)詐欺の被害金をマネーロンダリング 資金洗浄で組織犯罪処罰法違反

(事例紹介)詐欺の被害金をマネーロンダリング 資金洗浄で組織犯罪処罰法違反

~事例~

架空の投資名目でだまし取られた現金を暗号資産(仮想通貨)に交換しマネーロンダリング(資金洗浄)をしたとして、大阪府警などは6日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)容疑で、東京都港区の投資関連会社「WYZZ(ワイズ)」の代表取締役(略)と元社員(略)を逮捕した。
(略)
捜査関係者によると、両容疑者は、令和2年4~6月、詐欺グループのメンバーの男(30)=詐欺罪などで有罪判決=らと共謀し、架空の投資名目でだまし取った現金約8200万円を暗号資産に交換。その後、暗号資産を売却して現金約7900万円をグループに渡し、犯罪収益を隠匿した疑いが持たれている。
(※2022年12月6日14:00産経新聞配信記事より引用)

~詐欺事件とマネーロンダリング(資金洗浄)~

今回取り上げた報道によると、詐欺事件の被害金を暗号資産を利用してマネーロンダリング資金洗浄)をし、犯罪収益を隠匿した組織犯罪処罰法違反の容疑で容疑者2名が逮捕されているとのことです。
マネーロンダリング資金洗浄)とは、犯罪などによって得たお金を、摘発や差押えから逃れさせるために、出所を分からなくして「犯罪などによって得たお金である」ということを分からなくする行為を指します。
具体的なマネーロンダリング資金洗浄)の方法としては、複数の口座の間で送金を繰り返したり、株や債券、暗号資産などの売買を繰り返したりすることが挙げられます。
こうすることで、元々そのお金がどこから得られたものなのかということを分からなくして、犯罪によって得られたお金=犯罪収益を隠すということになるのです。

今回取り上げた事例では、詐欺事件の被害金を暗号資産の売買をすることによって、詐欺行為によって得たお金であるということを分からなくする=犯罪収益を隠匿する(隠す)行為、すなわちマネーロンダリング資金洗浄)をしたとして、組織犯罪処罰法違反の容疑がかけられているようです。
そもそも詐欺行為によってお金をだまし取る行為は詐欺罪という犯罪になりますが、その詐欺行為によって得たお金をマネーロンダリング資金洗浄)することも、組織犯罪処罰法に違反する犯罪行為となります。
組織犯罪処罰法は、正式名称を「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」といい、組織的な犯罪についてだけではなく、犯罪収益に関する規制も行っています。

組織犯罪処罰法第10条第1項
犯罪収益等(公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。以下この項において同じ。)により提供しようとした財産を除く。以下この項及び次条において同じ。)の取得若しくは処分につき事実を仮装し、又は犯罪収益等を隠匿した者は、5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
犯罪収益(同法第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為により提供しようとした財産を除く。)の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。

マネーロンダリング資金洗浄)によって組織犯罪処罰法違反となった場合には、上記の条文に該当し、「5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることになります。

詐欺事件に関連して、こうしたマネーロンダリング資金洗浄)による組織犯罪処罰法違反事件なども起こる可能性があります。
こうしたケースでは、事件関係者・共犯者が複数いることも少なくなく、口裏合わせや逃亡を防止するために逮捕・勾留によって身体拘束を受けることも予想されます。
さらには、詐欺罪組織犯罪処罰法違反という被疑事実それぞれで逮捕・勾留が繰り返されるといったケースもあり得るため、身体拘束が長期化することも考えられます。
長期の身体拘束となると、被疑者・被告人本人はもちろん、その家族など周囲の方も負担が大きくなってしまいます。
少しでも負担を減らすためにも、早期に弁護士の力を借りてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件に関連したマネーロンダリング資金洗浄)による組織犯罪処罰法違反事件についてもご相談を受け付けています。
0120-631-881では、ご予約・お問い合わせを受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。

 

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