(事例紹介)未公開株詐欺事件で実刑判決 懲役5年となった事例

(事例紹介)未公開株詐欺事件で実刑判決 懲役5年となった事例

~事例~

未公開株への噓の投資話で計1600万円をだまし取ったとする詐欺罪に問われた会社役員(中略)の判決公判が9日、大阪地裁で開かれ、御山(みやま)真理子裁判長は懲役5年(求刑懲役7年)を言い渡した。
(中略)被告は会社の実質的経営者として、マーシャル諸島など国内外で追尾型太陽光発電システムの建設が進み、間近に迫った株式上場で多額の利益を得られると説明し、4人から計1600万円を詐取したとして起訴。公判で弁護側は詐欺罪の成立や、勧誘行為への関与の有無を争っていた。
御山裁判長は判決で、勧誘時に伝えた建設や上場の時期は客観的事実に反し、それを認識しながら偽ったことは「詐欺罪の実行行為に該当する」と認定。投資は株主らに知人を勧誘させる手法で行われ、内田被告がその手法を教示するなど「主導的に各犯行に関与した」と指弾した。
(※2022年9月9日16:32YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~未公開株詐欺事件~

未公開株詐欺とは、詐欺行為の手口の1つで、まだ公開していない(上場していない)株式を購入するという名目で金品をだまし取るものです。
未公開株詐欺では、「上場が迫っていて値上がりが確実」「あなたにだけ特別に譲渡できる」といった誘い文句で未公開の株の購入を持ち掛け、株の購入費として金銭を渡させるものの、実際はその会社自体が架空の会社であったり、会社が存在したとしても上場の予定がなかったりということが多いようです。
今回取り上げた事例でも、被告人は、実際にはそうした事実はないにもかかわらず、「株式上場が間近に迫っていてそれによって多額の利益を得られる」という話を持ち掛け、金銭をだまし取ったという詐欺罪の容疑で起訴されていたようです。

こうした未公開株詐欺は、呼び名にも入っている通り、刑法の詐欺罪に当たります。

刑法第246条第1項(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の「人を欺いて」とは、財物を相手に引き渡すときに重要な事実について偽り、相手を騙すことであると解されています。
今回の事例のような未公開株詐欺事件では、公開されない(上場しない)株についてあたかもこの後公開される(上場する)ように嘘をつき相手を騙すという手口が用いられますが、相手からすれば、その未公開株が間もなく公開される(上場する)からこそその株の購入費としてお金を出しているわけですから、その公開(上場)が嘘であれば、金品を渡さないでしょう。
そのため、未公開株詐欺では「人を欺いて」「財物を交付させ」たといえ、詐欺罪が成立するのです。

今回取り上げた事例では、未公開株詐欺事件の被害金額は1,600万円と報道されており、被告の男性には懲役5年の実刑判決が下されています。
未公開株詐欺事件では、騙す口実に株の売買が利用されるため、被害金額も高額になりやすいと考えられます。
被害金額が高額になれば、事件としても悪質性が高いものであると判断されやすく、起訴され、実刑判決などの重い刑罰が下されやすくなります。
容疑の内容を認めているのであれば、被害を受けた方への謝罪や返金対応などを開始することや、周囲の方の今後の監督・協力を証拠化することなど、執行猶予の獲得を目指したり刑罰を減軽することを目指したりする活動が必要となってくるでしょう。
もちろん、疑われている事実が見に覚えがないなどの場合には、冤罪ということになりますから、捜査段階から慎重に対応することが求められるでしょう。

刑事事件を多数取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、未公開株詐欺事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
これまで刑事事件を多く取り扱ってきたからこそ、逮捕されたり捜査を受けたりした段階から、スピーディーな対応が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー