(事例紹介)自動車事故を装い、保険金詐欺

(事例紹介)自動車事故を装い、保険金詐欺

自動車事故を装って保険金を詐取したという詐欺事件の報道事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事例

北海道・小樽市で2017年、乗用車の単独事故を装い保険会社から保険金 約300万円をだまし取ったとして会社役員の45歳の男が逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは○○市に住む会社役員の45歳の男です。
男は知人3人と共謀し2017年9月、小樽市銭函5丁目の路上で乗用車の単独事故を装い、保険会社から修理費として自動車保険金約300万円をだまし取った疑いが持たれています。
保険金を支払った後も保険会社が事故の調査を続け、事故車両や現場などに不審な点があるとして2022年に警察に相談していました。
警察によりますと事故車両は男が用意した”高級外車”で、当時、重機を使って高さ数メートルの土手の下にある草地に落としていました。
知人らに事故を偽装させ詐欺を計画したとして男は1月11日に逮捕されました。
警察は男の認否を明らかにしていませんが、手にした保険金がどう分配されたのかなど詳しく調べています。
一方、知人の3人は別の自動車事故を装った保険金詐欺で逮捕・起訴されています。
(UHB 北海道文化放送 2023年1月11日(水) 21時42分配信 「「高級外車」を土手から突き落とす…ウソの事故で300万円をだまし取る”保険金詐欺” 首謀した会社役員の45歳男を逮捕」より引用。「○○」については弊所で加筆しています。)

・保険金詐欺

上記の事例はいわゆる保険金詐欺で逮捕された事件です。
保険金詐欺は正式な罪名ではなく、事故や災害によって被害に遭ったと嘘をついて加入している保険会社を騙すことで、保険金を騙し取る手口を使った詐欺事件の俗称です。
保険金詐欺は刑法第246条の詐欺罪が適用される場合が一般的です。
条文は以下のとおりです。

刑法第246条 
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は
・人を欺いて(財物の交付や財産上の利益を求める際に、判断基準となる重要な事項に関する思い違い・勘違いを生じさせる行為をして)
・被害者が錯誤に陥り(騙され)
・財物を交付、または財産上の利益を得る
・そしてそれらの内容について因果関係が認められる(一連の流れになっている)
場合に成立する罪です。
参考事例の事件では、被害に遭ったと虚偽の申告をして保険金を受け取っていることから、詐欺罪の要件を満たしています。

・実際に振込まれなかった場合も詐欺未遂の罪に問われる

今回の事例では、被害者である保険会社は保険金を振り込んでいますが、保険会社も入念な調査を行うため、そもそも保険金が支払われる前に虚偽の申告に気付くという事例も少なくありません。
その場合には詐欺罪は成立しませんが、詐欺未遂罪が成立します。

刑法第250条には「この章の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
「この章」とは刑法第246条から同第251条の「刑法第37章 詐欺及び恐喝の罪」のことであり、詐欺罪は未遂の場合であっても罪に問われることがわかります。
そのため、保険金を受け取りたいがために偽装工作を行って保険金を請求すれば、実際に保険金を受け取っていなくても保険金詐欺事件として詐欺未遂罪で逮捕される可能性があります。

詐欺罪には罰金刑が存在しないため、未遂であっても懲役刑を科される恐れもあります。

詐欺罪は騙された被害者がいる事件であるため、被害者と示談交渉を行うという弁護活動が考えられます。
被害者との示談を成立させることができれば、減刑を求めることができるため、詐欺事件の際には弁護士に依頼して示談交渉などのサポートを受けることが重要と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は詐欺罪などの刑事事件の経験が豊富な弁護士事務所です。
刑事事件を専門に扱っている弊所では、在宅事件の場合に初回無料でご利用いただけるの法律相談を行っているほか、家族が逮捕・勾留されている場合に弁護士が直接赴く初回接見サービス(有料)を実施しております。
自動車事故を装い保険金詐欺をしてしまうなど詐欺事件でお悩みの方は、24時間365日予約の受付をしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご連絡ください。

 

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