銀行口座を譲渡 犯罪収益移転防止法違反及び詐欺の疑いで警察から呼出し②
銀行口座を他人に譲渡した場合に問題となるいわゆる犯罪収益移転防止法違反と、口座を不正に開設したことで問題となる詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
会社員のAさんは、SNSを閲覧中に「銀行口座を3万円で買取ります」との広告を見つけました。
Aさんは、お金が直ぐに必要な事情があったため、メッセージ送ったところ、暗証番号など口座利用に必要な情報が分かる形で、キャッシュカードを送ってくれたら確認でき次第、指定の口座にお金を振り込みますとの返信がありました。
しかし、Aさんは一つしか銀行口座を持っていなかったため、売る用の銀行口座を開設するために、銀行の窓口に行き、売却目的であることを秘したまま口座を開設しました。
そして、キャッシュカードや口座利用に必要な情報を記載した紙を同封して郵送し、お金を振り込んで貰いました。
その後、振り込め詐欺事件の捜査中に、使われた受取口座がAの名義であったことから、Aは警察から事情聴取に呼ばれることになりました。
そこで、不安になったAは、事情聴取に向かう前に、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
・口座譲渡と詐欺罪の関係
前回に引き続き、口座譲渡により成立する犯罪について解説していきます。
今回は、口座を売却することにより成立する犯罪ではありませんが、口座を譲渡するために新たに口座を開設する人が多いため、あわせて問題になることが多い詐欺罪について解説していきます。
・詐欺罪の成立要件について
詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合に成立します。
これは、①相手方を欺き、②それにより錯誤に陥らせ、③その錯誤に基づいて相手方が交付行為を行い、④その交付行為によって財物が行為者に移転したこと、⑤ ①から④に因果関係があることが必要です。
・参考事例で考えてみると
銀行では、口座を開設する際に利用目的を求められます。
これは、銀行口座が犯罪に使われないように銀行に義務付けられているもので、売買目的であれば口座開設は断られることになります。
そのため、この目的を秘したまま、貯蓄用などど記載して口座を開設すれば銀行員を欺いていることになります。
また、この欺いたことにより、銀行員が貯蓄用に口座を開設すると錯誤に陥り、この錯誤によって、銀行口座を交付するわけですから詐欺罪の要件を満たすことになります。
・犯罪収益移転防止法違反・詐欺罪に強い弁護士
銀行口座を売却してしまって、犯罪収益移転防止法及び詐欺罪の疑いで、警察から呼出し、取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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