電子計算機使用詐欺罪で逮捕
電子計算機使用詐欺罪で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
京都府城陽市に在住のAさん(30歳)は、自分の職場で、会社全員分の超過勤務時間をシステムに記録する仕事を行っていました。
Aさんはそのシステムに自分の超過勤務時間を実際より長く記録し、手当を不正に受け取っていました。
そこで、Aさんは、電子計算機使用詐欺罪で京都府城陽警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~電子計算機使用詐欺罪とは~
ウソの残業時間を記録し、残業代を多くもらっていたAさん。
電子計算機使用詐欺罪という犯罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。
〇電子計算機使用詐欺罪(刑法 第246条の2)
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。
刑法の条文の中でも難しい言葉が多く、しかも長い条文なので読みづらさがあります。
通常の詐欺罪は人を直接だまして金銭などを得る犯罪ですが、この電子計算機使用詐欺罪は、パソコン等のコンピューター(法律上、電子計算機と言います)にウソのデータを入力するなどの方法により、金銭などをだまし取った場合に成立する犯罪です。
・今回のケースでは
「人の事務処理に使用する電子計算機」
→Aさんが記録していた超過勤務時間を記録するシステムも該当します。
「虚偽の情報を…与えて財産権の得喪…に係る不実の電磁的記録を作り」
→Aさんは自分の超過勤務時間を実際より長く記録し、実際より多くの手当て(賃金請求権)という財産権の取得に関するウソの記録を作ったので、上記文言に合致します。
「財産上不法の利益を得」
→Aさんは実際より多くの手当てを受け取っており、手当としてもらえないはずの金額は「不法の利益」にあたります。
今回のケースを刑法246条の2の文言に当てはめていくと、Aさんは電子計算機使用詐欺罪に該当する可能性が高いと考えられます。
~電子計算機使用詐欺罪における弁護活動~
刑法246条の2は、言葉遣いが難しいので、一般の人では自分の行為が電子計算機使用詐欺罪に当たるかどうかを判断するのは極めて難しいです。
そのため、電子計算機使用詐欺罪を含めた刑事事件の知識・経験が豊富な弁護士に一度相談することをおすすめします。
また、電子計算機を使用する詐欺行為では、電子計算機に残されたデータの証拠隠滅のおそれがあるため、逮捕されるとそのままある程度の期間、身柄拘束を受けることも考えられます。
このように、自分から弁護士に相談に行けない場合は、ご家族の方から接見の依頼を弁護士にしてもらうことをおすすめします。
接見の依頼を受けた弁護士は、身体拘束を受けている方のところまで面会に行き、事件の状況を整理し、今後の対応をアドバイスします。
また、ご家族の方からの伝言、ご家族の方への伝言を受け取るなど、身柄拘束を受けている方とそのご家族の方との連絡の架け橋としての役割を担うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、電子計算機使用詐欺罪など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。