【事例解説】勾留中の接見禁止決定と接見禁止解除の弁護活動(特殊詐欺の容疑で勾留された架空の事例に基づく解説)

 特殊詐欺事件で逮捕・勾留され、接見禁止決定がなされた事件を参考に、接見禁止解除の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介:男子大学生Aさんのケース

 横浜市在住の男子大学生Aは、アルバイト先の先輩からの誘いをきっかけに高齢者を騙して現金を振り込ませる特殊詐欺事件に加担したことで、詐欺の容疑で逮捕され、神奈川県県鶴見警察署の留置場に身体拘束されました。
 鶴見警察署からAの父Bに、Aが逮捕されたという連絡があった2日後、再び警察からBに、Aに対して10日間の勾留が決定したことと併せて、接見禁止決定がなされたため面会できない旨の連絡がありました。
 Aと早く面会して直接話をしたいBは、刑事事件に強い弁護士にどうしたらよいか相談しました。
(事例はフィクションです。)

接見禁止決定とは

 被疑者が警察に逮捕された場合、通常、警察所の留置場に身体拘束されます。逮捕後から勾留決定前は、弁護人及び弁護人となろうとする者以外との面会は基本的に認められていないため、家族であっても被疑者と面会をすることはできません。

 逮捕から最大3日間の身体拘束後に勾留決定が行われる際に、接見禁止決定がなければ、面会時間や警察官の立会等の制約はありますが、家族を含めて一般の方でも面会することが通常可能となります。

 しかし、事例の特殊詐欺事件のような複数の共犯者がいる組織的な犯罪の場合は、被疑者が一般面会を利用して、口裏合わせなどの証拠隠滅を図ることを防ぐため、勾留決定と併せて接見禁止決定が裁判所によりなされることが多いです。

 身体拘束を受けたまま起訴された場合、基本的には、判決が出されるまで身体拘束が継続することになります。起訴されてから判決が出るまでの期間は、場合によっては数か月やそれ以上に及ぶこともあり、接見禁止決定がなされると、そのままでは家族であっても長期間面会できない可能性があります。

接見禁止解除の弁護活動

 接見禁止決定は、逃亡・罪証隠滅すると疑うに足りる相当な理由があることが要件(刑事訴訟法第81条)ですが、事件と無関係の両親との面会により、逃亡・罪証隠滅することが疑われる可能性は一般的に低いと思われます。

 そこで、弁護人は、接見禁止決定に対して、その一部の解除、例えば、両親等の特定の親族との関係においてのみ面会を許すよう、裁判所に申立てを行い、被疑者と両親等との早期の面会を可能とする弁護活動を行うことが考えられます。

 接見禁止の一部解除の申立てにおいて、対象者が事件と関係ないため被疑者との面会を認めても逃亡・罪証隠滅の恐れがないこと、対象者と被疑者との間で接見を認める必要性があることなどを申述する必要があり、経験の豊富な弁護人からの申立てが有効です。

まずは弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、被疑者が身体拘束され接見禁止決定がなされた刑事事件も多数取り扱い、接見禁止解除の弁護活動により、被疑者とご家族との早期の面会を可能とした実績が多数あります。

 ご家族が逮捕・勾留され、接見禁止決定がなされて面会ができないなどしてお悩みをお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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