(事例紹介)詐欺罪となる無銭飲食

(事例紹介)詐欺罪となる無銭飲食

無銭飲食による詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事例

15日、北海道函館市のハンバーグ店で、無銭飲食をしたとして、45歳の男が逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、住所不定、無職の45歳の男です。
男は、4月27日、函館市神山1丁目の(中略)店で、代金を支払う意思も能力もないにもかかわらず、2450円相当を無銭飲食した疑いが持たれています。
警察によりますと、当時、男はひとりで入店し、ハンバーグやソフトドリンク、デザートなど5点を注文し飲食したあと、レジで会計をする際「財布を車に忘れた、取りに行く」と言って店を出て、そのまま逃走したということです。
店はすぐに警察に通報し、警察は防犯カメラなどを分析するなどして男を特定、15日逮捕に至りました。
取り調べに対し、住所不定、無職の男は容疑を認めているということで、警察は余罪がないか捜査を進めています。

(HBCニュース北海道 5月16日(火) 8時13分配信 「「財布を車に忘れた、取りに行く」とレジから逃走、ハンバーグなど2450円相当を無銭飲食した疑いで45歳男を逮捕」より引用)

・詐欺罪となる無銭飲食

レストラン等で飲食したにも関わらず、注文した料理の代金を支払わずに退店する無銭飲食は、詐欺罪の成立が検討されます。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。

刑法第246条
第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪が成立するための要件(構成要件)は
①犯人が人を欺く(欺罔行為)
②被害者が思い違いや勘違いを起こす(錯誤)
③被害者が財産の処分行為を行う
④犯人または第3者が財産・利益を得る
というものです。
そして、①~④に因果関係が認められる場合にのみ、詐欺罪は成立します。
なお、上述した刑法246条1項に該当する行為を一項詐欺、同2項の詐欺を二項詐欺と呼びます。

無銭飲食には2つのパターンがあります。

まず第一に、注文をする時点で支払う意思がない場合、その注文自体が「料金を支払う意思がある」と装って財物を受けとろうとしていると評価できるため、人を欺き財物を交付させる一項詐欺罪の成立が検討されます。

次に、注文をする際には支払う意思があったが、支払い時に代金が払えないことに気付き、「駐車場に停めている車から財布を取ってくる」などと嘘を言って逃げようとする場合は、店員を騙して代金の支払いを免れているとして、人を欺き財産上不法の利益を得る行為として二項詐欺罪の成立が検討されます。

他方で、注文した時点では財布に金があると思っていたが実際には財布が無かったり金が無かったりするなどした場合に、店員に気付かれずに逃走した場合、注文の時点で①の行為がないことから一項詐欺が成立せず、店員に財布を取りに行くなどと嘘をついていないことからやはり①の行為がないことから二項詐欺が成立しません。
この場合に窃盗罪が成立するのではないか、という疑問がありますが、窃盗罪は被害者の意に反して財物が移転する行為で成立する罪ですので、店員が食事を提供している以上は窃盗罪は成立しません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、詐欺罪などの財産犯事件の弁護を数多く経験してきました。
無銭飲食の場合、
(1)注文をした時点で店員を騙す意思があったのか
(2)余罪はないのか
という点が重要視されると考えられます。
それらの点で否認をした場合、厳しい口調で取調べを受けたり、誘導されたりすることも考えられます。
ご家族が無銭飲食で逮捕・勾留された場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
事件の詳細を確認するため、弁護士が直接身柄拘束中のご家族のもとに伺う初回接見サービス(有料)をご案内致します。

 

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