SNS上の詐欺で逮捕・身柄解放のための弁護活動

SNS上の詐欺で逮捕・身柄解放のための弁護活動

 Aは、SNS上でコンサートのチケットを安く融通できる旨の投稿をし、これに対し申込みをしてきたVに対し、プリペイドカードを買いそのコード番号を教えてほしいと伝えた。Vは、Aに対し上記カードのコード番号をSNS上のメッセージで伝えたが、Aはそのまま音信不通となった。
 そこでVは警察への被害届の提出したところ警察官は、Aを詐欺の疑いで逮捕した。
 Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~SNS上における詐欺~

 近年では、若年層を中心としたインターネット上(特にSNS上)での犯罪行為が社会問題化しており、またその手口も巧妙化しています。本稿では、このようなインターネット上の詐欺事件の中でも、劇的に増加しているSNSを使った詐欺事件について解説いたします。

第37章 詐欺……の罪
・(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 本件のSNSを使ったAの行為が、上記詐欺罪におけるVを「欺」く行為であることは明らかである事例です。問題となるのは、本件が上記刑法246条の詐欺罪の1項が適用されるのか、あるいは2項が適用されるのかです。すなわち、本件でVがAに騙し取られたものが「財物」なのか、あるいは「財産上……の利益」なのかという問題です。
 たとえば、本件のような(コンビニなどで購入できる)プリペイドカードを、その店自体から無断で持ち去れば、当然に窃盗罪(刑法235条)が成立することになりますし、店員から騙し取れば1項詐欺罪が成立することが通常です。なぜならば、刑法が保護する「財物」とは財産的価値のある有体物であるとされており(その例外として刑法245条を参照)、店が有償で販売しているプリペイドカードがそのような「財物」であることに疑いはありません。
 しかし、本件ではAはVが所有しているプリペイドカードのコード番号のみを入手していることから、これを有体物とみなすことは困難と言わざるを得ません。したがって「財物」には当たらず、1項詐欺罪は成立しないものと考えられます。むしろ、プリペイドカードのコード番号は無形の財産として「財産上……の利益」に当たると考えるのが自然でしょう。したがって、Aの行為には2項詐欺罪が成立するものと考えられます。

~詐欺事件における勾留を阻止する弁護活動~

 本件では、Aは逮捕されてしまっています。刑事訴訟法上、逮捕による身体拘束それ自体を争うことを認める規定は存在しません。したがって、弁護士としては、逮捕後の勾留(刑訴法207条1項・60条1項)を争っていくことなります。私選の弁護士であれば、逮捕後の早期段階から弁護活動が行えるため、勾留請求回避や勾留決定回避のための意見書を提出するなどの活動も可能となります。検察官や裁判官との直接の面談を求めることも勾留回避のために重要な活動です。
 そして裁判官が、検察官の勾留請求を認めて勾留決定をした場合には、弁護士は刑訴法429条1項2号に基づき準抗告という方法でこの勾留決定の取り消しを請求し、逮捕されてしまった被疑者の身柄の解放を目指すことになるでしょう。勾留延長がなされる場合も、同様に争っていくことが考えられます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、インターネット上(SNS上)での詐欺などを含む詐欺事件を多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。詐欺事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)に お早めにお電話にてお問い合わせください。

 

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