【事例解説】トレーディングカード発送しなかった詐欺事件

 フリマサイトでトレーディングカードの購入者に実際のカードを発送しなかった詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、とあるトレーディングカードゲームでレアカードとされているカードをフリマサイトで販売しました。
 ちょうどそのレアカードが欲しかったVさんが、Aさんから1万円でレアカードを購入しました。
 Aさんは、実際にレアカードを送らず、カードと同じサイズの厚紙をVさんに発送しました。
 Aさんは、Vさんから「本物のカードを送ってください」というメッセージを複数回受け取りましたが、すべて無視していたところ、取引期間が終了して、Aさんは販売代金を受け取ることができました。
 後日、Vさんから「警察に詐欺罪被害届を提出します」というメッセージを受け取ったAさんは、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

販売したトレーディングカードの実物を発送しないと?

 フリマサイトを利用したトレーディングカードの個人同士の取引がよくなされていますが、実際には販売しているカードが手元になくカードを発送することが不可能な場合や、実際に手元にカードがあるものの最初から実物のカードを発送するつもりがない場合に、カードをフリマサイトで販売して、カードの購入者に対して実物のカードを発送しなかった場合は、カードの販売者には刑法246条1項が規定する詐欺罪が成立する可能性が高いです。
 詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑しか定められていませんので、仮に詐欺罪で検察官から起訴されてしまうと、必ず公開の法廷で正式な刑事裁判を受けることになります。

詐欺罪の他に商標法違反に問われる場合も

 また、事例とは異なって、例えば、トレーディングカードの本物をコピーしたカードを「正規品」「ホンモノ」と偽って販売した人には、カードの購入者に対する詐欺罪の他に、商標権を侵害したとして商標法違反となる場合もあります。
 商標権を侵害した場合は、商標法78条によって10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑の両方が科される可能性があります。

詐欺罪で前科を付けたくないとお考えの方は

 トレーディングカードの購入者に実物のカードを発送しなかったことで、警察に詐欺罪の被害届を提出された、実際に詐欺罪の捜査のために警察から連絡が来たという場合はいち早く弁護士に相談されることをお勧めします。
 警察がトレーディングカードの取引に関して詐欺罪の疑いで捜査を開始しているという場合は、トレーディングカードの取引のトラブルが既に刑事事件に発展している状態といえますので、後で実際のカードを発送したからといって、それで事件が解決するということにはなりません。
 トレーディングカードの購入者である被害者の方には、弁護士を通して示談を締結するということが、詐欺罪の前科が付くことを回避するためには重要になります。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は詐欺事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
 トレーディングカードの取引で詐欺罪の前科を付けたくないとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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