1. 取込み詐欺とは
支払いが困難にもかかわらず、後払いにして商品を買うというものです。
例えば、休眠会社などを使って信用のある会社を装い現金での取引を行うが、しばらく取引をして信用がつき始めた頃に取引量を増やしてゆき、支払い条件を掛払い(手形決済)とするなど直ぐに入金しない様にして、決済期日を見越して、注文した商品を処分して廃業あるいは倒産したりする手口が挙げられます。
実際の事例として、「実態がない商社を名乗り、リフォーム会社などにエアコンや温水洗浄便座など商品計およそ100点を注文し、代金を支払わずに詐取した」という事件がありました。
また、「イベント企画会社を名乗り、東日本大震災の復興支援などを理由に取引を持ちかけていたが、代金を支払わないまま事業を突然停止する」という事件もありました。いずれの事例も商品を詐取しており詐欺罪が成立します。
2. 商品に瑕疵(≒欠陥)があることを言い立てる取り込み詐欺
取込み詐欺の中でも、商品を購入した後に商品の品質が悪い(瑕疵がある)などと文句をつけて代金を支払わないものもあります。
通常、品質が悪いなど目的物に瑕疵(≒欠陥)がある場合には、売手の側に民事上の責任(例えば債務不履行責任や契約不適合責任)が生じます。しかし、取込み詐欺では、この制度を逆手にとって買主が代金を支払わず、物をとることに特徴があります。そして、取込み詐欺をする人は、通常その後に目的物を転売します。つまり、瑕疵を主張することと転売する行為とは矛盾しますが、このような行為の矛盾から当初から物を騙し取るつもりであったとして、詐欺罪として立件される可能性があります。
3.取込み詐欺の手口
取込み詐欺は、信用できる会社だと思わせることにポイントがあります。
特に、取引当初は少額の取引を行って支払いもきちんと行い相手を信用させます。ある程度の信頼を積み重ねた上で、今までとは規模が大きく異なる、大口の発注をします。ターゲットにされた企業は売掛金を回収できず、巨額の負債を抱えることになってしまうのです。
近時、インターネットを利用したオークションが利用されており、このオークションサイトを利用して取込み詐欺が行われることも少なからずあります。しかも、オークションサイトもある程度有名な信頼できるサイトを利用してきますので、信じてしまい取込み詐欺の被害に会う人が増えています。
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