特殊詐欺事件の出し子をしたとして窃盗罪の疑いで逮捕された事例①
特殊詐欺事件の出し子をして逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
福岡市博多区に住むAさんは楽に稼げる仕事を探し、応募しました。
仕事内容はATMからお金を引き出すだけの仕事で、引き出したお金のうち1%を報酬として受け取っていいと言われました。
Aさんは怪しく感じながらも指定された日時に待ち合わせ場所に向かい、キャッシュカードと暗証番号が記載されたメモを受け取りました。
口座には約420万円が預けられており、Aさんは全額引き出しました。
引き出したうちの1%にあたる約4万2千円を自身の報酬に充て、残りを指定されたロッカーに預けました。
翌月、Aさんの家に福岡県博多警察署の警察官が来て、Aさんが特殊詐欺事件に関わったとして窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
詐欺罪?窃盗罪?
Aさんは特殊詐欺事件の出し子をしたのでしょう。
出し子とは、特殊詐欺事件の役割の一種で、詐欺行為で手に入れたキャッシュカードを使用してATMで現金を引き出す役割をいいます。
出し子をした場合には、基本的には窃盗罪の容疑をかけられることになります。
特殊詐欺事件なのに窃盗罪が成立するの?と疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。
今回のコラムでは、出し子と窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します!
出し子と窃盗罪
窃盗罪は刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、他人の物を所有者の許可なく自分や第三者の物にすると成立する犯罪です。
一報で、詐欺罪は刑法第246条1項で「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、人に対して財物を交付するか判断するうえで重要な事項についてうそをつき、うそを信じた相手から財物の交付を受けると詐欺罪が成立します。
出し子の行為では、人を欺く行為がありませんので詐欺罪は成立しません。
出し子では、所有者の許可なく現金を自分や元締めなどの物にするわけですから、窃盗罪が成立すると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
詐欺事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。
ご家族が詐欺事件で逮捕された方、現在詐欺事件で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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