特殊詐欺における共犯関係を相談

特殊詐欺における共犯関係を相談

特殊詐欺における共犯関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
埼玉県入間市の大学生であるAさんらは,OBの紹介により特殊詐欺グループの手伝いをすることになった。
Aさんらの主な役割は,電話をかける「かけ子」,実際に現金を受け取る「受け子」,待ち合わせ場所などに受け子を送迎・見張りをする係,またそれらの人員を雇うリクルーターであった。
Aさんはその中で,かけ子および送迎・見張りを行い報酬を受け取っていた。
ある日,AさんがBさんをVさんとの待ち合わせ現場に送迎し,BさんがVさんから現金を受け取ったところ,張り込んでいた埼玉県狭山警察署の警察官らにBさんは逮捕された。
その後,Aさんも詐欺罪の共同正犯の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~特殊詐欺と共犯関係~

オレオレ詐欺振り込め詐欺などのいわゆる「特殊詐欺」は組織的詐欺であり,それぞれ役割分担されていることが多いようです。
典型的なものはケースでも紹介した電話をかける「かけ子」,現金を受け取る「受け子」,銀行口座などから現金を引き出す「出し子」などがあります。
電話をかけ,被害者方へ行き,現金やキャッシュカードなどを受取るという一連の行為が詐欺罪を構成し,これらに関わっている全員が詐欺罪の共犯となると考えられます。

刑法における共犯は,「幇助犯」および「共同正犯」の2類型が規定されています。
幇助は刑法62条に規定されており,正犯の実行を容易にする行為をいいます。
従犯の場合には刑の減軽が定められています。
共同正犯は刑法60条に定められており,「二人以上共同して犯罪を実行した者」がすべて正犯となります。

~詐欺罪の幇助となる場合~

特殊詐欺において,受け子の送迎・見張りなどの役割は,人を騙して金銭を交付させるという行為そのものに関与しているわけではありません。
あくまでも受け子が金銭を受け取る行為等の手助けをしているに過ぎず,また,報酬などもあまり高くないことなどにより,詐欺行為への寄与度が低いと判断され,共同正犯ではなく幇助犯にとどまる場合も多いです。
しかし,組織の幹部などの主犯格との関わりが深い場合や,報酬などが高い場合などは詐欺行為への寄与度の大きさなどから共同正犯であると判断される場合も少なくありません。

~詐欺罪の共同正犯となる場合~

詐欺罪は欺罔行為(騙す行為)により,相手を錯誤に陥らせ,相手方の意思に基づいて財物ないし財産上の利益を処分し,占有などが移転し,これら一連の流れに因果関係が認められた場合に成立します。

「かけ子」の場合,まさに相手を騙す行為をしているのですから犯罪の一部を実行しているといえるでしょう。
そして「受け子」および「出し子」も特殊詐欺において最も重要なお金の取得という役割を担うことになります。
そしてこれらの役割は基本的に詐欺行為の一部であると認識して行われる行為ですので共同正犯となってしまう可能性が非常に高いでしょう。
ただし,受け子の場合には,報酬が少ない場合や,何も知らされておらず,詐欺の一環であるとの認識が全くないような場合については故意が阻却されたり,先ほどのような詐欺罪の幇助にとどまる場合なども有り得ます。

~特殊詐欺事件の弁護活動~

今回のケースでAさんは「かけ子」の役割を担っているため,詐欺罪の共同正犯となる可能性が高いでしょう。
詐欺罪は罰金刑がないため起訴された場合には刑事裁判となります。
事案や件数・被害額などにもよりますが組織的な特殊詐欺に関与した場合,初犯であっても執行猶予が付かない場合も考えられます。

ただし,特殊詐欺事件であっても可能な限り被害弁償をすることで有利な情状となりえます。
被害弁償していることによって懲役の期間が短くなる場合や,事案によっては執行猶予が付く可能性も考えられます。
逆に,被害弁償などを一切していない場合には実刑判決となる可能性が非常に高いでしょう。
被害弁償などの適切な弁護活動の有無によって刑事裁判の結果は大きく変わる可能性もございます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
特殊詐欺に関わってしまいご家族が逮捕されてしまった場合には0120-631-881までご相談ください。
無料法律相談や初回接見サービスのご依頼を365日24時間受け付けています。

 

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