逮捕直後、被疑者家族はどのように行動するべきか?

今回は、会社から出張費を騙取し、逮捕されてしまった被疑者の家族がとるべき行動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、領収書などを偽造し、勤務先の会社から出張費を騙し取るなどした疑いで逮捕されてしまいました。
後日、Aさんの自宅に警察官らが現れ、捜索差押許可状をAさんの奥さんに示したのち、パソコンやプリンター、USBメモリ等を押収して戻っていきました。
その際、Aさんの奥さんは警察官から「押収品目録交付書」を受け取っています。

Aさんの奥さんは、有利な事件解決を依頼したいと考え、刑事事件に詳しい弁護士へ相談することにしました。(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪~

(詐欺罪)
Aさんは出張をしていないのに、領収書などを偽造するなどして、会社から出張費を騙し取っています。
このような行為は、詐欺罪(刑法第246条)を構成する可能性が高いでしょう。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役となっており、騙し取った金額によっては、初犯であっても実刑判決を受けることがあります。
早期に弁護活動を開始し、不起訴処分や執行猶予付き判決など、有利な処分の獲得を目指して行動する必要があるといえるでしょう。

(私文書偽造罪・同行使罪)
また、Aさんは会社に対して出張費を請求するために、領収書などの書類を偽造しており、加えて、当該書類を会社の担当者に示す等していると考えられます。
その場合は、「私文書偽造罪」(刑法第159条1項、3項)、「偽造私文書行使罪」(刑法第161条)に問われます。

私文書偽造行為を行うにあたって、「他人の印章若しくは署名」を使用したり、あるいは偽造した「他人の印章若しくは署名」を使用した場合には、「有印私文書偽造罪」が成立します。
領収書には多くの場合、発行者の印章や署名が記載されています。
そのため、領収書を偽造した場合には、ほとんどの場合「有印私文書偽造罪」の成否が検討されることになるでしょう。

~Aさんの家族はどうするべきか?~

(早期に弁護士を依頼)
刑事事件に詳しい弁護士を探し、早期に弁護活動を依頼しましょう。
弁護士の探し方として、インターネットで探す方法、弁護士会に問い合わせるなどの方法があります。

依頼を受けた弁護士が最初期の活動としてどのように行動するかは、ある程度方針の違いがあるかもしれませんが、いずれにしても被疑者本人と会うことが重要です。

(より充実した法律相談、弁護活動を実現)
より充実した法律相談、弁護活動を実現するためには、依頼者の側においても弁護士へ最大限の協力を行うことが大切です。
例えば、上記ケースのように、Aさんが逮捕されてしまった理由が明らかであるとは限りません。
場合によっては、被疑者本人も逮捕された理由がわからないこともあるのです。
ケースのAさんが出張費の騙取行為を秘密にしていたのであれば、奥さんはAさんがなぜ逮捕されてしまったのかがわからないでしょう。

ケースの場合は手がかりがあります。
それは「押収品目録交付書」です。
押収品目録交付書には被疑事件名が記載されており、事件の詳細は把握できませんが、少なくともAさんが起こした詐欺、私文書偽造・同行使事件の関係で自宅が捜索されたことがわかります(※1)。
このような書面をもっていれば、法律相談の際、是非とも持参しましょう。

(※1)
特別法違反を内容とする事件の場合は、「〇〇法違反被疑事件」などとしか記載されないため、押収品目録交付書からは手がかりを得られないこともあります。
たとえば、無免許運転の捜索が行われた場合の押収品目録交付書には、「道路交通法違反被疑事件」と記載されることになりますが、飲酒運転の捜索が行われた場合も「道路交通法違反被疑事件」と記載されることになるので、何の事件で捜索が実施されているのかがわかりません。

~最後に~

Aさんが騙し取った金額、犯行を続けていた期間によっては、身体拘束が長期化する可能性が十分存在します。
逮捕されてしまった場合には、一刻も早く弁護士の接見を実現し、早期に弁護活動を開始してもらうことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が会社から出張費を騙し取っていた疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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