【事例紹介】SNS上で知り合った異性の恋愛感情を利用してお金をだまし取った事例
恋愛感情を利用してお金をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
熊本県警熊本中央署は(中略)、東京都板橋区の容疑者(30)と横浜市瀬谷区の容疑者(53)を詐欺容疑で再逮捕した。
発表によると、(中略)仲間と共謀してSNSで中国籍で韓国に住む架空の男性になりすまし、茨城県土浦市の会社員女性(39)から複数回にわたって計約2455万円をだまし取った疑い。捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
女性には直接会わず、SNSのやり取りで恋愛感情を抱かせ、様々な名目で金を詐取したとされる。海外の空港でかばんを盗まれたとして、パスポートの再発行の料金を要求したほか、イタリア・ローマの公的機関の職員を名乗り、男性が身柄を拘束されたとして司法取引に必要な費用を入金させたこともあったという。
(3月7日 読売新聞オンライン 「架空の中国籍男性なりすましSNSで恋愛感情抱かせ…39歳女性から2455万円詐取容疑」より引用)
詐欺罪
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪は大まかに説明すると、財物を渡すうえで重要な事実についてうそをつき、そのうそを信じた相手から財物を受け取ると成立します。
今回の事例では、容疑者らが共謀してSNSで被害者とやり取りを行って恋愛感情を抱かせ計約2455万円をだまし取ったとされています。
報道によると中国籍で韓国に住む架空の男性になりすまして恋愛感情を抱かせ、パスポートの再発行代などの名目でお金をだまし取ったようです。
もしも被害者女性がやり取りをしていた人物が架空の人物だと知っていれば、恋愛感情を抱かずお金を渡そうと思わなかったかもしれません。
また、パスポートの再発行などがうそだった場合、それがうそだと知っていればお金を渡さなかったでしょうから、実際に容疑者らが架空の人物になりすまし、うそをつくことで被害者女性からお金をだまし取っていたのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪と不起訴処分
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役ですので、罰金刑の規定はありません。
そのため、詐欺罪で有罪になってしまうと、必ず懲役刑が科されることになります。
詐欺事件などの刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる場合があります。
不起訴処分は起訴されない処分ですので、刑罰が科されることはありませんし、当然、前科も付きません。
示談を締結するとなると被害者と連絡を取る必要があるのですが、加害者本人が被害者と連絡を取ってしまうと、証拠隠滅を疑われてしまう危険性があります。
また、恋愛感情を利用してお金をだまし取ったとなると、被害者の処罰感情が苛烈であることが予想されますから、連絡自体、取ってもらえない可能性があります。
弁護士であれば、連絡を取ってもいいと思われる被害者もいらっしゃいますので、示談を考えている場合は、弁護士に相談をしてみることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
詐欺罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。