SNSで高額報酬のバイトを見つけ、詐欺事件の受け子をした事例①

SNSで高額報酬のバイトを見つけ、詐欺事件の受け子をした事例①

詐欺電話を受ける高齢者

詐欺事件受け子について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

手っ取り早くお金を稼ぎたいと考えたAさんは、SNS上で割のいいアルバイトを探し、高額報酬を謳う投稿を見つけました。
仕事内容は、家を訪問し封筒を受け取るだけの簡単な仕事だと案内されたため、Aさんは応募することにしました。
翌日、Aさんは指示された通りに京都市下京区にあるVさん宅を銀行の職員だと偽って訪問し、確認のため一時的にVさんからキャッシュカードと通帳の入った封筒を受け取り、その封筒をVさんには悟られないように別の封筒とすり替えてVさんに返却しました。
Vさん宅を後にしたAさんは、Vさんから盗ったキャッシュカードと通帳入りの封筒を出し子に渡し、報酬として現金5万円を受け取りました。
数時間後、Vさんが封筒の中身を確認したところ、キャッシュカードと通帳が入っていないことに気づき、京都府下京警察署に被害届を提出しました。
数日後、Aさんは京都府下京警察署の警察官に窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

詐欺事件と受け子

詐欺事件において、家などを訪問し、キャッシュカードや通帳、現金などを受け取る役割を受け子といいます。

今回の事例では、Aさんは銀行職員だと偽って個人宅を訪問し、キャッシュカードと通帳が入った封筒を受け取っています。
おそらく、事前に共犯者が電話などで「あなたの口座が犯罪に利用されている。銀行職員が確認に訪れるので、それまで暗唱番号のメモと共に、キャッシュカードと通帳を封筒に入れ、保管しておいてほしい。」などとVさんを騙し、Vさんは訪問してきたAさんに確認のため用意しておいた封筒を渡したのでしょう。
今回の事例は詐欺事件だと考えられるため、Aさんは詐欺事件において受け子の役割を担ったといえるでしょう。

詐欺事件なのに窃盗罪?

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

刑法第235条では窃盗罪、刑法第246条1項では詐欺罪をそれぞれ規定しています。
窃盗罪とは簡単に説明すると、持ち主の許可なく、自分や第三者の物にすると成立する犯罪です。
一方で詐欺罪とは、大まかに説明すると、人に対して財物を交付するか判断するうえで重要な事項についてうそをつき、うそを信じた相手から財物の交付を受けると成立します。

今回の事例では、Aさんが銀行の職員だと偽って、信じたVさんからキャッシュカードと通帳の入った封筒を受け取っています。
この時点では、AさんがVさんに対してうそをつき、そのうそを信じたVさんからキャッシュカードと通帳の入った封筒を受け取っているので、Aさんに詐欺罪が成立するように思えます。
ですが、AさんはVさんから封筒を受け取り、その封筒を別の封筒とすり替えてVさんに返却しています。
Aさんが別の封筒とすり替えることでキャッシュカードと通帳を手に入れていますので、VさんがAさんに財物(キャッシュカードと通帳)を交付したとはいえないと考えられます。
Aさんは封筒をすり替えることでVさんの許可なく財物を手に入れたわけですから、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
詐欺事件でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー