SNSで高額報酬のバイトを見つけ、詐欺事件の受け子をした事例②

SNSで高額報酬のバイトを見つけ、詐欺事件の受け子をした事例②

詐欺電話を受ける高齢者

詐欺事件受け子について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

手っ取り早くお金を稼ぎたいと考えたAさんは、SNS上で割のいいアルバイトを探し、高額報酬を謳う投稿を見つけました。
仕事内容は、家を訪問し封筒を受け取るだけの簡単な仕事だと案内されたため、Aさんは応募することにしました。
翌日、Aさんは指示された通りに京都市下京区にあるVさん宅を銀行の職員だと偽って訪問し、確認のため一時的にVさんからキャッシュカードと通帳の入った封筒を受け取り、その封筒をVさんには悟られないように別の封筒とすり替えてVさんに返却しました。
Vさん宅を後にしたAさんは、Vさんから盗ったキャッシュカードと通帳入りの封筒を出し子に渡し、報酬として現金5万円を受け取りました。
数時間後、Vさんが封筒の中身を確認したところ、キャッシュカードと通帳が入っていないことに気づき、京都府下京警察署に被害届を提出しました。
数日後、Aさんは京都府下京警察署の警察官に窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

受け子と刑罰

前回のコラムで解説したように、Aさんの行為は詐欺事件受け子にあたる可能性が高いです。

受け子をした場合に成立する可能性のある犯罪として、窃盗罪詐欺罪があります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役(刑法第246条1項)です。

前回のコラムで解説しましたが、今回の事例では、Aさんが封筒をすり替えてキャッシュカードと通帳を手に入れているため、VさんがAさんに財物を交付したとはいえず、Aさんには詐欺罪ではなく窃盗罪が成立する可能性があります。

窃盗罪詐欺罪の法定刑は全く一緒というわけではなく、窃盗罪には罰金刑の規定がありますが、詐欺罪にはありません。
財物の交付を受けるか、事例のようにすり替えて入手するのか、受け子の財物の入手の仕方で成立する犯罪が異なった場合には、科される刑罰は変わるのでしょうか。

結論から言うと、窃盗罪詐欺罪、どちらが成立しても科される刑罰に大きな差はない可能性が高いです。
ですので、封筒のすり替えによって窃盗罪が成立したから、罰金刑で済むといったことは基本的にはないでしょう。
言い換えてみれば、詐欺事件受け子をした場合には、初犯で前科がなくとも懲役刑が科されてしまう可能性があるといえます。

受け子と弁護活動

刑事事件では、被害者に謝罪と賠償を行い、示談を締結することで、加害者にとって有利に働くことがあります。
これは詐欺事件でも例外ではなく、示談を締結することで、不起訴処分執行猶予付き判決の獲得につながる可能性があります。

ただ、加害者が自ら示談交渉を行う場合には、加害者との直接の連絡を嫌がられたり、証拠隠滅を疑われる可能性があります。
弁護士が間に入ることで、話を聞いてもらえる可能性やトラブルを防げる可能性がありますので、示談交渉を行う際は、弁護士を介して行うことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
詐欺事件受け子などでお困りの方、示談交渉でお悩みの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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