息子の留置場所はどこ?
Aさんは、自宅で掃除、洗濯などの家事をしていた際、突然、兵庫県加西警察署の警察官から電話を受けました。
Aさんは電話に出ると、「もしもし、Bさんのお母さんですか?」「私は兵庫県加西警察署捜査二課のKと申します。」「先ほど、あなたの息子さんを兵庫県加西市で詐欺事件の被疑者として逮捕しました。」「息子さんは兵庫県加西警察署にいますから、どうぞご心配なさらないで。」と言われ、一方的に電話を切られました。
Aさんは、「詐欺」「逮捕」という単語を言われたことは記憶していますが、その他のことはあまりにも突然のことで忘れてしまいました。Aさんは、今後どうすればいいのか、息子はどこにいるのかなどを知りたくて、弁護士にBさんとの接見を依頼し、相談することにしました。
(フィクションです。)
~ はじめに ~
今回、Aさんは、息子さんの居場所(留置場)を聞き漏らしてしまったようです。
しかし、Aさんからすれば、突然のことで、冷静に話を聞けという方が無理があるでしょう。
そこで、今回は、ご家族様などが刑事事件で逮捕された場合の居場所(留置場など)について解説していきたいと思います。
~ 基本は捜査を担当する警察署の留置施設 ~
警察により逮捕された場合の留置先(収容先、留置場)は、「捜査を担当する警察署の留置施設」が基本となります。
そして、各都道府県に置かれる各警察署には「管轄」というものが決まっており、基本的に、各警察署に所属する警察官はその「管轄」内で発生した犯罪について捜査します。
例えば、東京都の警視庁新宿警察署の管轄は、
・新宿区の内
・新宿3丁目15番、17番の各一部、18~29番、31番の一部、33~38番、新宿5丁目12~14番の各一部、18番の一部、新宿6丁目、新宿7丁目、歌舞伎町(1丁目1番の一部を除く)、西新宿、北新宿、余丁町8番の一部、大久保、百人町1~3丁目
と決められており、新宿警察署の警察官は、この管轄内で発生した犯罪について逮捕、捜索などの捜査を行うのです。
警察が何をもって捜査を始めるのかは様々ですが、詐欺の場合は「被害届」によることが多いでしょう。
詐欺の被害に遭われた方が上記の管轄内にお住まいなのであれば、その被害届が提出された警視庁新宿警察署が捜査を担当することになりますし、福岡県久留米市というところにお住まいであれば福岡県久留米警察署が捜査を担当することになります。
したがって、例えば、逮捕された方のお住まいが東京都新宿区内にあるからといって、必ずしも、留置場が新宿警察署となるは限らないことに注意が必要です。
逮捕された方が被害者から直接現金を受け取る受け子の役で逮捕されたという場合でも、被害者が福岡県久留米市にお住まいであれば、福岡県久留米警察署の警察官に逮捕され、同署の留置場に収容される可能性が高いと思われます。
* 留置場が聴き取れなかった場合は再度電話を *
Aさんのように、留置場が聴き取れなかった場合は再度、電話をかけなおしてもいいでしょう。
もっとも、履歴に電話番号が表示されていると思いますから、その電話番号を調べれば、どこの警察署から電話がかかってきたか分かりますし、そこから留置場の場所を推測することはできます。
しかし、はっきりと居場所を確定させるためにも、再度、電話をして確認してみてもよいでしょう。
~ 勾留後、起訴後はどこにいくの? ~
詐欺事件などの刑事事件で逮捕され、勾留された場合には、勾留後も「逮捕直後に収容された留置場」にそのまま収容されることが多いと思われます。
逮捕された方が「勾留質問」という手続きのときに「勾留通知をご家族に指定」した場合は、勾留決定後に裁判所から、勾留された旨と「どこの警察署に勾留されているか」の連絡が来ます。
起訴後は、捜査が全て終了したという場合は、拘置所など警察以外の機関が管轄する施設へ移送されます。
移送された際は、弁護人としてついている弁護士へ通知が行くようになっていますから、気になる方は弁護人としてついている弁護士へ尋ねてみるとよいでしょう。
捜査が継続している間は、留置場に拘束されたままになります。
また、再逮捕などで、担当の警察署が変わった場合は、その警察署の留置場へ移送されます。
その後の、流れははじめて逮捕された後の流れと同様です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
詐欺事件の逮捕にお困りの際には、0120-631-881までお気軽にお電話ください。