京都市左京区対応の刑事弁護士 誤振込の払い戻しは詐欺罪?
20代女性Aさんは、京都市左京区のATMにて自己名義の普通預金口座の通帳に記帳した際、見知らぬ会社から心当たりのない振込金50万円が誤って同口座に入金され、同口座の残高が増えているのに気づきました。
Aさんは、驚いたものの、銀行の窓口に行き、全額を払い戻して、Aさんのものとしてしまいました。
後日、Aさんは、詐欺罪の容疑で、京都府川端警察署に取調べを受けることになりました。
(最高裁平成15年3月12日判決を参考に作成したフィクションです。)
最高裁平成15年3月12日判決の事件では、誤振込された人が誤振込であることを分かった上で銀行の窓口から預金を引き出した場合は、詐欺罪(刑法246条1項)が成立するとされました。
銀行実務では、誤振込の場合、振込先の口座を誤って振込依頼をした振込依頼人が気づいて銀行に申出ると、預金口座への入金処理が完了していても、銀行は、誤振込された人の承諾を得て、入金を取り消して振込依頼前の状態に戻す組戻しが取られています。
同様に、誤振込された人が誤振込に気付いて銀行に申出た場合にも、銀行は、振込依頼人に確認し、同様の手続をとります。
当該最高裁判決では、誤振みされた人は、誤振込があった旨を銀行に告知すべき信義則上の義務があるとされました。
判決では、「そうすると、誤った振込みがあることを知った受取人が、その情を秘して預金の払戻しを請求することは、詐欺罪の欺罔行為に当たり、また、誤った振込みの有無に関する錯誤は同罪の錯誤に当たるというべきであるから、錯誤に陥った銀行窓口係員から受取人が預金の払戻しを受けた場合には、詐欺罪が成立する。」と述べています。
なお、この判決は、銀行窓口で払戻しをした場合は詐欺罪が成立するとした事案ですが、
・ATMで現金を払戻しをした場合は窃盗罪
・ATMで自分の口座等に振り替えをした場合は電子計算機使用詐欺罪
になりえると言われています。
ATMか窓口かによっても罪名が変わる可能性がありますので、誤振込による預金を払戻して取調べを受けてお困りの場合、その見通しや手続きについては、刑事事件に強い弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、24時間365日無料法律相談と初回接見サービスの受付をしていますので、お気軽にフリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
(京都府川端警察署への初回接見費用:34,900円)