結婚する気があるように装い交際相手から2千万円を騙し取った結婚詐欺事件⑥
結婚詐欺の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんはマッチングアプリで知り合ったVさんに対して好意を抱いているかのように思わせ、AさんとVさんは結婚を前提としたお付き合いを始めました。
交際から3か月経ったある日、AさんはVさんに「Vさんのことは愛しているし生涯を共にする相手はVさんしか考えられないが、僕には友人に騙されて借金が2千万円ある。このまま結婚してしまうとVさんに迷惑をかけてしまうから別れてほしい。」と告げました。
Aさんの話を信じたVさんは、Aさんに2千万円を渡したところ、Aさんと連絡が取れなくなってしまいました。
実はAさんには借金などなく、Vさんからお金を騙し取る目的でVさんと交際をしていたのです。
VさんはAさんに騙されていたことに気づき、愛知県中村警察署に被害を相談しました。
(事例はフィクションです。)
結婚詐欺と不起訴処分
詐欺罪で有罪になると10年以下の拘禁刑が科されます。(刑法第246条1項)
拘禁刑という刑罰になじみがない方も多いかと思いますが、拘禁刑について刑法は、「拘禁刑は、刑事施設に拘置する。」(刑法第12条2項)、「拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」(刑法第12条3項)と規定しており、拘禁刑を科された場合には刑務所に収容されて、更生に向けて刑務作業に従事したり、指導を受けることになります。
ですので、詐欺罪で実刑判決が下されると刑務所に行かなければならなくなってしまいます。
また、有罪になると前科も付きますので、仮に執行猶予付き判決を得て刑務所に行かずに済んだとしても、前科の影響により逮捕前と同様の生活を送れない可能性があるでしょう。
刑事事件には起訴しない処分である不起訴処分があります。
刑罰は起訴され有罪にならなければ科されませんので不起訴処分を得ることができれば、刑務所に行く心配はなくなり前科も付くことはありません。
また、裁判が開かれることなく事件が終了しますので、起訴された場合に比べて早期に事件を終息させることができます。
裁判は公開の法廷で行われますので、裁判が行われることで周囲に結婚詐欺事件を起こしたことを知られてしまうリスクがある程度高まってしまいます。
家族にも結婚詐欺事件を起こしたことを知られたくないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
裁判になると家族の監督など家族の協力が必要不可欠になってきます。
ですので、起訴された場合には、家族に事件のことを隠し通すことはかなり難しくなってしまいます。
不起訴処分での解決を目指すことで、家族や職場など、周囲の人に事件を起こしてしまったことを隠すことができるかもしれません。
次回のコラムでは、不起訴処分に向けた弁護活動についてご紹介します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に処分の見通しを確認することで、少しでも不安を和らげられるかもしれません。
結婚詐欺事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。