【解決事例】名義貸しによる詐欺事件で不起訴処分獲得

【解決事例】名義貸しによる詐欺事件で不起訴処分獲得

~事例~

京都市左京区に住んでいるAさんは、知人のXさんが「バイクを停めるための倉庫を借りたい」「息子が使うために携帯電話を契約したい」と言っていたため、Aさん自身の名義で倉庫と携帯電話を借りると、Xさんに倉庫の鍵と携帯電話を渡し、Xさんに倉庫や携帯電話を使わせていました。
実は知人Xさんは暴力団関係者だったのですが、Aさん自身は暴力団とのかかわりはなく、単にXさんの代わりに倉庫や携帯電話を借りたという経緯でした。
しかし、Aさんの借りた倉庫に別の刑事事件が関与した疑いがあり、Aさんは京都府川端警察署に話を聞かれることとなりました。
当初は参考人として話を聞かれていたAさんでしたが、しばらくしてから、詐欺罪の被疑者として逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんの力になれないかと考え、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に弁護活動を依頼することにしました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~名義貸しと詐欺罪~

今回のAさんの行為は、いわゆる名義貸しという行為です。
名義貸しは、簡単に言えば、自分は契約したものなどを利用しない(他の人が利用する)にも関わらず、契約者として契約を行うという行為です。
今回のAさんは、自分で利用しない倉庫や携帯電話をAさんの名義で契約していますが、実際はその倉庫や携帯電話はXさんが利用する者でしたので、名義貸しという行為に当たります。

この名義貸しは、場合によって詐欺罪が成立する犯罪です。

刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪の「人を欺いて」という部分には、「その事実が嘘であれば財物交付などの判断をしなかったであろう事実について嘘をついて相手を騙す」ということが求められます。
賃貸借契約や携帯電話の契約では、「誰がその物件や携帯電話を使用するのか」という部分が確認されます。
業者としては、契約者(もしくは契約者の申請した人)が利用するからこそ契約をして、物件や携帯電話を利用することを許可しているため、契約上の名義人以外の人が利用することが前提であれば、契約は交わしていない=物件を利用することを許したり携帯電話を交付したりしないと考えられます。
名義貸しはこの部分を偽って契約することになりますから、賃貸借契約や携帯電話の契約時に名義貸しをするということは詐欺罪になり得るのです。

なお、状況によっては、詐欺罪だけではなく、犯収法違反など別の犯罪が成立する可能性もありますし、損害賠償などによって民事的な責任を問われる可能性もあります。

~弁護活動と結果~

Aさんは名義貸しによって詐欺罪の容疑をかけられ逮捕されてしまっていましたが、Aさん自身はXさんの所属する暴力団と一切かかわりはなく、Xさんが関わっていたと考えられる刑事事件とも無関係でした。
Aさんとしては、Xさんが通常の利用の仕方をするのだろうと思って名義を貸したにすぎなかったため、弁護士は、定期的に接見に訪れ、Aさんの認識を取調べで適切に伝えられるよう、アドバイスを行いました。
こうした活動の結果、Aさんは不起訴処分となることができました。

名義貸しは、単に名前を貸すだけですから、しようと思えば簡単にできてしまう行為かもしれません。
しかし、名義貸しをすることによって、詐欺罪などの犯罪が成立することもあります。
詐欺罪に設定されている刑罰は懲役刑のみとなっていますから、起訴されれば裁判になりますし、有罪となれば執行猶予がつかないと刑務所に行くことになります。
頼まれても名義貸しをしないことが一番ですが、もしも名義貸しをしてしまって刑事事件となってしまったら、早急に弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、名義貸しによる詐欺事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはご遠慮なくお問い合わせ下さい。

 

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