【事例紹介】無銭飲食をしたとして詐欺罪で逮捕された事例 北海道帯広市
無銭飲食をしたとして詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
北海道帯広市の焼き肉店で支払う意思と能力がないにも関わらず食事の提供を受け、代金を踏み倒そうとした帯広市の無職(住所と職業は自称)の男(64)が詐欺の現行犯で逮捕されました。
男は(中略)、帯広市大通南12条の焼き肉店で、約2400円分の食事の提供を受けましたが、代金の支払いを拒否しました。
従業員の通報を受けて駆け付けた警察官が話を聞いたところ、男は代金に見合う所持金がなく、当初から支払いの意思がなかったことが分かり、詐欺の現行犯で逮捕しました。
調べに対し男は「警察に捕まりたかった。金はないけど良い物を食べたかった」と話しています。
(後略)
(4月4日 北海道ニュースUHB 「「警察に捕まりたかった…金はないけど良い物が食べたかった」焼き肉店で約2400円分の食事の提供を受けるも代金支払い拒否―64歳の男を詐欺の現行犯で逮捕 北海道帯広市」より引用)
無銭飲食と詐欺罪
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪とは、簡単に説明すると、財物の交付にかかわる重大なうそをつき、うそを信じた相手から財物を受け取ると成立します。
今回の事例では、容疑者は支払えないことがわかったうえで約2400円分の飲食をしたようです。
今回の事例で報道されているように、飲食店で飲食をしたにもかかわらず代金を支払わない行為を無銭飲食といいます。
無銭飲食は詐欺罪にあたるのでしょうか。
通常、店側は注文をされた時点で食事後に代金を支払ってもらえると思うでしょう。
ですので、代金を支払う意思がないのに注文をする行為は、お店に対して代金を支払うとうそをついていると解釈することができます。
お店は代金が支払われないと知っていれば食事を提供しないでしょうから、交付にかかわる重大なうそをついたと考えられ、代金を払われると信じているお店から食事を受け取っているわけですから、無銭飲食では詐欺罪が成立する可能性があります。
今回の事例でも、実際に容疑者が支払う意思と能力がないにもかかわらず、食事を注文し、代金を支払わなかったのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪は罰金刑の規定がなく、有罪になると必ず懲役刑が下されることになります。
懲役刑が下された場合には刑務所に行くことになるのですが、執行猶予付き判決を得ることができれば、刑務所に行かずに済む場合があります。
被害額が約2400円の詐欺事件では、実刑判決を科されないのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、犯行態様が悪質であったり、余罪や前科がある場合には被害額が少なくても実刑判決が下される可能性があり、被害額が少ないからといって必ずしも執行猶予付き判決を得られるわけではありません。
ですので、執行猶予付き判決の獲得を目指す場合には、執行猶予付き判決獲得にむけた弁護活動が重要になってきます。
執行猶予付き判決獲得に向けた弁護活動の例として、示談交渉が挙げられます。
今回の事例のような無銭飲食による詐欺事件だと被害者はお店であり、お店の責任者と示談を締結することになります。
お店相手の示談の場合にはお店の方針から示談に応じてもらえないことも少なくなく、示談交渉が難航するおそれがあります。
弁護士が間に入って示談交渉をすることで示談に応じてもらえる場合もありますから、示談交渉を行う際は、一度弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
無銭飲食など詐欺事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。