【事例紹介】生活保護不正受給による詐欺罪で逮捕

【事例紹介】生活保護不正受給による詐欺罪で逮捕

事例

生活保護を不正受給したとして詐欺容疑で京都府警山科署に逮捕された男が、不正受給期間中に本名と異なる氏名で、京都市の施設のセンター長として勤務していたことが3日、市や府警などへの取材で分かった。
(中略)
詐欺容疑で逮捕されたのは伏見区の男(73)で、2019年5月~今年4月の間に、収入があることを隠して生活保護費178万円を詐取した疑いが持たれている。
市によると、男は2013年度~今年3月末、京都市南区の市民活動支援施設に本名と異なる氏名で勤務し、2014年4月からセンター長だった。この施設は、市から指定管理者として委任された会社(京都市右京区)が運営を代行しており、男は同社から給与を得ていたという。
(後略)
(8月4日 京都新聞 「京都市施設のセンター長が生活保護不正受給疑い 市は勤務実態把握も非公表」より引用)

生活保護不正受給と詐欺罪

詐欺罪は、刑法第246条第1項に定められており、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」とされています。
おおまかに説明すると、相手を騙してその金品等を引き渡させるための嘘の事実を信じ込ませ、相手から金品等を受け取ると詐欺罪が成立します。

例えば、オレオレ詐欺のように他人に息子のように振る舞うことで息子だと信じ込ませ、その相手の意思でお金を振り込ませる行為は詐欺罪にあたります。
一方で、他人の財布から相手の了承を得ないでお金を盗み取る行為は窃盗罪にあたります。
ですので、詐欺罪が成立するためには、①財物を引き渡させる事実に関して相手を騙すこと、②相手がその嘘を信じて騙されること、③騙された相手が自らの意思で金品等を渡すこと、の3点が必要となります。

今回の事例では、男性が京都市の生活保護担当の職員に対して収入が無いと偽ることで職員を騙し、職員がこれを信じたことによって男性に生活保護費が交付されたことから詐欺罪が適用されたのだと考えられます。

先ほどの刑法の条文にもあった通り、詐欺罪で有罪となった場合には、10年以下の懲役が科されることになります。
ここで、今年の4月に行われた、今回の事例と類似した生活保護費の不正受給の裁判例を見てみましょう。(今回の事例と不正受給金額等は異なります。)
その詐欺事件では、被告人夫婦が約2年8カ月にわたって生活保護費約1440万円をだまし取っていました。
裁判の結果、被告人には懲役3年6月が言い渡されました。
(4月13日 読売新聞「生活保護費1440万円だまし取りホテルに2年超宿泊の女、懲役3年6月が確定」より)

詐欺罪には罰金刑の規定がなく、詐欺罪で有罪となってしまった場合には、懲役刑が科される可能性が高くなります。
特に、被害額が多額であったり、詐欺行為をしていた期間が長期間であったりという場合には、厳しい判決が下されやすい傾向にあるでしょう。
被害弁償などの対応により、刑罰の減軽や執行猶予の獲得などを目指していくことができますから、まずは弁護士に見通しや可能な弁護活動を相談してみることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス、無料法律相談を行っておりますので、詐欺罪でお困りの方はぜひご相談ください。

 

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