保険金詐欺で逮捕なら初回接見
Aは、東京都杉並区で自ら経営する整骨院に通院する客の通院日数を水増しし、保険会社Vに対し治療費用等を過大に請求し、保険会社から50万円を受け取った。
その後、保険会社から被害届を受けた警視庁杉並警察署の警察官は、Aを詐欺罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~治療費の水増し請求と保険金詐欺~
昨今、交通事故等で怪我を負った被害者等の通院日数を水増しして、保険会社から過大な保険金を詐取する保険金詐欺事件が増加しています。
本件もこのようなケースの一種であると考えられ、整骨院の経営者Aが逮捕されています。
なお、このような保険金詐欺事件で通院客と共謀や共犯関係が認められる場合には、通院客も詐欺罪の罪責を負う可能性があることに注意が必要です。
刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と詐欺罪を規定しています。
詐欺罪の成立には、人を欺く行為(欺もう行為)→相手方の錯誤→交付行為→財物(利益)の移転という連関が認められる必要があります。
本件では、Aが通院日数を水増ししたことで、真実より過大な治療費がかかったとVが錯誤に陥っており、この錯誤により真実より過大な保険金50万円を受け取るに至っています。
以上から、欺罔→錯誤→交付→移転の上記連関が認められ、Aは「人を欺いて」「財物を交付させた」ものとして、1項詐欺罪により逮捕されていると考えられます。
~逮捕直後における弁護士による接見の重要性~
逮捕された方は通常刑事手続に関する知識などを有していないことが多く、そのような状況下において警察官等の取調べを受けることになります。
このような逮捕された被疑者が何も知らない段階で、決定的に不利益な供述をしてしまうことも少なくなく、一刻も早い弁護士によるサポートが必要となります。
この点、刑事訴訟法39条1項は「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人になろうとする者と立会人なくして接見し、又は書類若しくは者の授受をすることができる」と、弁護士による接見(面会)等を特別に認めています。
もっとも、同条3項本文は、検察官や警察官などの捜査機関は「捜査のため必要があるときは……第1項の接見又授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる」と、いわゆる接見指定(捜査機関による被疑者と弁護士との接見の制限)を認めており、従来この接見指定の行使により弁護士の接見交通権は大幅に制限されたものとなっていました。
ただし、現在では刑訴法39条3項による接見指定は、「取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合」に限り許されるものと解されています。
また、逮捕された被疑者にとって、初回接見は弁護士から助言を受ける最初の機会であり、その重要性の高さから、弁護士との接見に際しては捜査機関側により高度な配慮が求められています。
これは杉山事件、浅井事件、安藤・斎藤事件などの弁護士による、接見指定行使の違法性を主張する国家賠償請求訴訟が相次ぎ、これら訴訟の判示の中で弁護士による接見交通権の重要性が徐々に認められる至った成果でもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件全般に関して専門的に取り扱っている法律事務所です。
弊所では、刑事事件専門の弁護士による機動的な接見にも随時対応しております。
詐欺事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応中のフリーダイヤル(0120-631-881)にお早目にお問い合わせ頂くことをおすすめ致します。
また、通院客として上記のような詐欺行為を共に行ってしまったという方からの弁護士へのご相談もお受けしております。
まずは、お気軽に上記フリーダイヤルまでお問い合わせください。
(警視庁杉並警察署までの初回接見費用:35,200円)