「学費が払えなくて退学になりそう」心配した男性から50万円を騙し取った疑いで女を逮捕
「学費が払えなくて退学になりそう」と嘘をついて、心配した男性から50万円を騙し取った疑いで女が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事件概要
京都府中京警察署は、SNSで知り合った男性Vを騙して50万円を自身の口座に振り込ませたとして、京都市内に住む無職の女A(25)を逮捕しました。
Aは、VとSNSで親しくなった後、親が病気で働けなくなり大学の授業料を払えなくなって退学になりそうだと電話で泣きながら訴えました。
Vは、以前にAとのデートを約束し会えることになり喜んでいましたが、Aが学費を支払うためにバイトで忙しく、会えないと言ってきたため、Vは学費を肩代わりすることを決意し、今年度分の学費50万円をAに送金しました。
送金後Aと連絡が取れなくなり不審に思ったVが警察に相談したところ、Aは詐欺罪の容疑で逮捕されました。
京都府中京警察署の取調べに対し、Aは「友達と海外に卒業旅行に行くことになり、お金が必要だった。適当に嘘をついてVからお金をもらおうと思ってやった。」と容疑を認めています。
(フィクションです)
詐欺罪とは
刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
「人を欺いて財物を交付させた」とは、①被害者を欺いて(欺罔行為)、②それにより被害者が錯誤に陥り、③その錯誤に基づいて被害者が処分行為を行い、④その処分行為により財物が行為者に移転することを意味します。
本件で逮捕された女Aは、SNSで知り合った男性Vの好意を利用して、親が働けなくなり学費が払えないと嘘をついてVを騙し、50万円を騙し取った疑いが持たれています。
まず、詐欺罪となりうる欺罔行為(①)とは、財物の交付に向けて人を錯誤に陥らせることを言い、その内容は財物の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることであるとされています。
逮捕されたAは、Vに50万円を振り込ませるために学費が払えず大学を退学になってしまうという錯誤に陥らせています。
仮に、学費が実際には払えないというのが嘘であると知っていれば、Vは50万円を振り込むことはなかったでしょうから、Aは財物の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ったと言えます。
したがって、AはVを欺き(①)、その欺罔行為によりVは学費が払えないという錯誤に陥り(②)、その錯誤に基づいて50万円をAの口座に振り込み(③)、その処分行為により50万円がAに移転したと言えますから、Aに詐欺罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
詐欺罪を犯してしまった場合、できるだけ早く示談交渉に着手すべきです。
早い段階で示談が成立していれば、不起訴となる可能性があります。
不起訴になれば、前科がつくこともありません。
仮に、起訴されたとしても示談が成立していれば、罪の減軽や執行猶予付判決が得られる可能性があります。
ただし、本件のAが自分でVと示談交渉をしようとすると上手くいかない可能性があります。
Vからすれば、Aは自身の好意を利用して50万円を騙し取った相手であるわけですから、Aに対して強い処罰感情を有している可能性が高いです。
そこで、示談交渉は交渉のプロである弁護士に一任することをおすすめします。
自分を騙した加害者本人と連絡を取ることに強い抵抗を感じる被害者であっても、弁護士が相手であれば、示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪の示談交渉の豊富な経験を持つ法律事務所です。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120-631-881にて受け付けております。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。