1.「自首」とは?
自首が成立すると、裁判官の裁量により刑が減刑されることがあります。
2.「自首」と「出頭」との違い
「出頭」とは、犯罪事実や容疑者がすでに発覚している状態で、犯人自ら警察に出向くことをいい、法律用語ではありません。自首とは異なり、裁判官の裁量により刑が減刑されることが法律上規定されていませんが、情状面で考慮される結果、刑が軽くなる可能性はありえます。
3.自首の成立要件
①捜査機関に発覚前の申告であること
犯罪事実が捜査機関に知られているものの犯人が特定されていない場合も含まれます。
犯罪事実は発覚していても犯人が誰であるかがわかっていない場合も「発覚する前」にあたり、自首が認められます。一方で、この両方ともが捜査機関に既にわかっている場合は、ただ単に犯人の所在がわからないというだけでは、自首は成立しません。
②自己の犯罪事実を告げること
犯罪事実の申告は自ら進んでなされる必要があります。申告の内容が犯行の一部を殊更に隠すものであったり、自己の責任を否定するものであったりするときは、自首とはいえません。なお、申告に至る動機は、必ずしも反省から出たものである必要はありません。
③自発的に行われること
捜査機関の取調べを受けて自白することは自首にはなりません。
ただし、ある犯罪について取調べをされている際に、捜査機関に発覚していない他の犯罪事実を申告することは自首に当たります。
④捜査機関に対する申告であること
ここでの捜査機関というのは、検察官や司法警察員をさし、申告の方法は、口頭でも書面などによる場合でも構いません。
4.自首のメリット
刑法上の自首が成立すると、裁判官の裁量で刑が減刑される場合があります。また、犯罪の性質によっては、事実上、自首によって逮捕・勾留されにくくなるというメリットもあります。
5.自首を検討されている方はご相談を!
自首をすることが必ずしも正しい判断とは限りません。
自首することにより事件化され捜査がすすむため心身ともに負担が重くなります。特に、詐欺罪は罰金刑がなく自首することにより事件化し起訴されると、正式裁判となります。たしかに、自首が執行猶予獲得の一要素にはなりえますが、自首の有無は慎重な判断が必要なります。また、自首が成立するには厳格な要件を全て満たす必要がありますので、注意が必要です。
自首を考えられている方は、要件が揃っているかどうかを明らかにするため事前に弁護士にご相談されることをお勧めします。
自首するかどうか迷われている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務にご相談ください。今後の対応についてアドバイスさせていただきます。刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。