結婚する気があるように装い交際相手から2千万円を騙し取った結婚詐欺事件⑤
結婚詐欺の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんはマッチングアプリで知り合ったVさんに対して好意を抱いているかのように思わせ、AさんとVさんは結婚を前提としたお付き合いを始めました。
交際から3か月経ったある日、AさんはVさんに「Vさんのことは愛しているし生涯を共にする相手はVさんしか考えられないが、僕には友人に騙されて借金が2千万円ある。このまま結婚してしまうとVさんに迷惑をかけてしまうから別れてほしい。」と告げました。
Aさんの話を信じたVさんは、Aさんに2千万円を渡したところ、Aさんと連絡が取れなくなってしまいました。
実はAさんには借金などなく、Vさんからお金を騙し取る目的でVさんと交際をしていたのです。
VさんはAさんに騙されていたことに気づき、愛知県中村警察署に被害を相談しました。
(事例はフィクションです。)
勾留阻止に向けた弁護活動
前回のコラムでは、弁護士による身柄開放活動で勾留を阻止し、釈放を実現できる可能性があると解説しました。
では、早期釈放に向けてどのような身柄開放活動を行うのでしょうか。
勾留は検察官が請求し、請求を受けた裁判官が決定を下すことでなされます。
ですので、検察官が勾留請求を行わなかったり、勾留請求を受けた裁判官が勾留を決定しなければ、勾留されずに釈放されることになります。
勾留は逮捕後72時間以内に判断されますから、勾留されない場合には、逮捕後72時間以内に釈放されることになります。
つまり、勾留を阻止し早期釈放を認めてもらうためには、勾留請求を行わせない、勾留請求を却下させる(勾留を決定させない)ことが重要になってきます。
弁護士は検察官と裁判官それぞれに勾留請求に対する意見書を提出して、勾留請求をしないように、勾留請求を却下するように求めます。
裁判所は、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合に以下の3つのうち1つでもあてはまる場合には勾留することができます。(刑事訴訟法第60条1項)
①定まった住居を有しない場合
②証拠を隠滅すると疑うのに相当な理由がある場合
③逃亡すると疑うのに相当な理由がある場合
ですので、弁護士は逮捕されたご家族が上記の3つにはあてはまらないことを主張し、勾留されてしまっては多大な不利益を被ってしまうことを訴え、釈放を求めます。
ただ、「証拠隠滅や逃亡はしません」と訴えるだけでは、検察官や裁判官に納得してもらうことはできませんので、弁護士は納得してもらえるだけの根拠を集め、提示する必要があります。
これには入念な準備が必要ですから、勾留阻止を目指す場合には、早期に弁護士に相談をする必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が逮捕された方は、できる限り早く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。