クレジットカード情報不正利用の男を電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕
クレジットカード情報不正利用の男が電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
京都府綾部警察署は昨年(2024年)12月23日、他人のクレジットカードの情報を不正に使用した疑いで自営業の男(26)を逮捕しました。
同署によりますと、男は昨年10月にオンラインゲームサイトで他人のクレジットカード情報を不正に利用し、課金代金の支払いを免れた疑いが持たれています。
男は友人から他人のクレジットカード情報1件を5千円で買取り、使用したとのことです。
担当犯罪対策課によりますとクレジットカード情報はフィッシングサイトで盗まれる場合がほとんどだそうです。
男は今回の容疑について認めており、警察は引き続き余罪を調べています。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)
電子計算機使用詐欺罪とは?
刑法第246条の2に
「前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。」と定められています。
電子計算機使用詐欺罪は昭和62年に創設された罪で、電子計算機が普及し、様々な分野の取引で利用されるようになったことで、財産権の得喪・変更に係る事務が人を介さずに電磁的記録に基づいて自動的に処理される取引が多くなっている背景により、電子計算機を通しての不法な財産上の利得行為を処罰するものとして規定されました。。
人を介しその者が欺かれたと評価された場合は前条の詐欺罪が該当することになります。
電子計算機使用詐欺罪に該当する行為は二つあります。
①人が事務処理をする際に使う電子計算機に、虚偽の情報(事実に反する情報)や不正な指令(本来与えるべきでない指令)を与えて(入力すること)財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、自分や第三者が財産上の利益を得る行為です。
つまり、システム内にて虚偽の情報を電子計算機に入力することにより、不法に財産上の利益(金品などの財物以外で、債権を取得する、労務・サービスを提供されることなど)を得る行為のことです。
例えば銀行のオンラインシステムでの預金残高の記録を不正な記録に書き換える行為などがあたります。
②財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、不法に財産上の利益を得る行為のことです。
つまり、手元にある真実に反する電磁的記録を他人の事務処理のために使用される電気計算機において用い得る状態に置き、他人の財産上の利益を得る行為のことです。
例えばキセル乗車や虚偽のプリペイドカードを機器に挿入することなどが該当します。
今回の事例は他人のクレジットカードの情報を入手し、それを他人のシステム(オンラインゲームサイト)内にて、虚偽の情報(他人名義のクレジットカード情報)を入力し、自己の利益(課金の支払い)を得ています。
そのため①の場合にあたり、事例の男に電子計算機使用詐欺罪が該当するでしょう。
電子計算機使用詐欺罪で逮捕・勾留されてしまったら
今回の事例のように、他人のクレジットカードの情報を不正に入手し、財産上の利益を得ている場合、どこから情報を入手したのか、どのようにフィッシングをしたのかなどを調べるため、捜査が長期にわたる場合もあります。
また情報を入手した相手と共謀することで「証拠隠滅おそれ」や「逃亡のおそれ」があると裁判所が判断した場合、勾留(身柄拘束)され、長期間にわたって身柄拘束を受ける可能性があり、職場や学校を長期休むことになれば退職・退学せざるを得ない状況になるかもしれません。
そのため一日でも早く釈放できるよう、弁護士を通して裁判所や検察に働きかけてもらうことが重要になります。
身柄解放のための裁判所や検察庁への働きかけは、刑事事件に精通した弁護士の知識と経験が頼りになります。
また家族が身柄拘束された場合の初回接見も有料で行っております。
接見後は本人の状況はもちろん、今後の見通しも丁寧に説明いたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
フリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
24時間365日受付中です。