出張費の架空請求が勤務先に見つかってしまった場合の弁護活動①
今回は、出張費を架空請求したことが勤務先の会社に見つかってしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
京都市北区に住むAさんは、勤務先のV会社に対して、出張をしていないのに出張をしたとして交通費等をV会社から受けていました。
ある日、ついにAさんの不正行為が発覚してしまい、会社から事情聴取を受けることになりました。
AさんがV会社の経理担当者から不正に支給を受けた出張費等は総額で300万円を超える見込みです。
V会社は「懲戒解雇は免れないと思う。ただし、返済さえしてくれれば被害届は出さない。」と言っています。
Aさんは返済すれば本当に被害届を出されないのか、また、刑事事件化しないのか等が不安でどうすればいいのか分からなくなってしまいました。
(事例はフィクションです。)
Aさんの行為
詐欺罪(刑法第246条1項)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
Aさんは、出張をしていないのに、出張をして交通費が生じたと嘘をついて、V会社に交通費等の支給の必要が生じたと誤信させ、交通費等の支給を受けています。
詐欺罪は簡単に説明すると、人に財物を交付するうえで重要な事項について偽り、信じた相手から財物の交付を受けると成立する犯罪です。
AさんはV会社の経理担当者に、出張したと嘘をついてお金をもらったわけですから、Aさんの行為は詐欺罪を構成する可能性の高い行為と言えるでしょう。
また、Aさんは交通費等を請求するために、領収書などの書類を偽造し、V会社の担当者に示している場合には、
私文書偽造罪(刑法第159条1項、3項)
偽造私文書等行使罪(刑法第161条)
に問われる可能性もあります。
私文書偽造行為を行うにあたって、「他人の印章若しくは署名」を使用したり、あるいは偽造した「他人の印章若しくは署名」を使用した場合には、「有印私文書偽造罪」が成立することになります。
領収書の偽造については、ほとんどの場合「有印私文書偽造罪」の成否が検討されることになるでしょう。
有印私文書偽造罪の法定刑は、3月以上5年以下の懲役(刑法第159条1項)であり、行使した場合にも同様の刑罰(刑法第161条1項)が科せられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、刑事事件化を防ぐことができる可能性があります。
詐欺罪などでお困りの方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。